音楽メディア・フリーマガジン

アンテナ / 『モーンガータ』

ARTIST VOICEをご覧の皆さん、ニューレトロバンド“アンテナ”のボーカル渡辺です。
僕たちアンテナは10/18に『モーンガータ』というアルバムをリリースして、リリースに伴ってメジャーデビューいたしました。

僕らアンテナは2010年に結成したのですが、その時は今のメンバーは誰もおらず、ようやく今の体制の土台が固まってきたのは2012年頃、ちょうどその頃から仙台以外の場所でライブもし始めて、“ロックの夜明け”という都内のイベントに呼んでもらったのを今でも覚えています。

もともと、自分の考えであるとか、思いを言い切るということは、裏を返せば「誰かに嫌われてしまうかもしれない」ということでもあるし、そういった「アンテナはこうなりたい!」という明確な自己主張などもなく始めたアンテナというバンド。

お客さん、ライブハウスのスタッフさん、対バンさんなどの人に出会っていくうちに、少しずつ、少しずつバンドの片鱗、そして改めて自分という人間を表現できるようになってきました。
コンプレックスが多い渡辺という人間の、コンプレックスが美しくなる世界、普通だったら汚いものとして扱われるものを肯定できる世界、それが音楽だと思います。

テーマパークのように、映画館のように、非現実の世界を与えられるのがライブの魅力でもあると思いますが、僕はその上で「自分自身を見つめるきっかけ」を伝えていきたいと思っています。

何度も間違えて、何度も傷ついて、時には誰かを傷つけて、それ以上に誰かと笑って、誰かを喜ばせて、その時感じた感情一つ一つが今そのものになっているということ、汚い自分も、綺麗な自分も愛せるように、よそ見しがちな心の端っこを見れる強さを持てるように、僕自身、そういう人でありたい。
綺麗ごとだけではどうしても生きていけない毎日、でも汚いものがあるから華やかなものがより美しくなる。
全部のことは表裏一体だと思います。

『モーンガータ』はそうやって、ようやく見つけたアンテナの一生の本質がぎゅっと詰まったアルバムです。ARTIST VOICEをきっかけに出会ってくれた方、改めて渡辺諒というめんどくさい人間の考えに触れてくれた方、僕の人生の積み重ねは人であり、あなたであると思います。
だから僕はそれ以上に、目の前の方にとって一つの道標になれるように、そんなバンドとして何十年先も一緒に音楽が出来ればと思います。
これからもよろしくお願いします。

Vo./G./Key. 渡辺諒

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