1990年、シングル『MONSTER ROCK』、アルバム『スカパラ登場』でメジャーデビュー。以降、ルーツのスカをベースに、ジャンルにとらわれない幅広い音楽性から自らのサウンドを“トーキョー・スカ”と標榜し日本屈指のライブバンドとしての地位を確立。国内のみに留まらず、毎年欧米でのツアーを展開し、世界各国で高い支持を得ている。
スカパラ通算17枚目のオリジナルアルバム『欲望』は、今現在のスカパラメンバー9人の“熱” “勢い” “衝動”といったものが存分に詰め込まれた作品として完成しました。
7月中旬からスイス〜スペイン〜イギリスとヨーロッパ・ツアーを行ったのですが、そのツアーの合間を縫ってバルセロナで2日間、ロンドンで5日間という短期決戦でレコーディングを行ったこともあり、メンバー&スタッフともに物凄い集中力とエネルギーで臨んだ結果、今まで以上に勢いを重視して多少ミスしても全然OKといった感じで全員一発録りで行いました。メンバー全員の音楽的欲望に身を任せたこともあり、今までの作品以上に<生身>な感じが強いと思います。
そして、さらなるボクらの<欲望>に応えてくれたのがゲスト・ヴォーカルとして参加してくれたEGO-WRAPPIN’の中納良恵さんとハナレグミですね。良恵ちゃんには「黄昏を遊ぶ猫」の歌録りのためだけにわざわざロンドンまで来てもらいました(笑)。前作のアルバム『Walkin’』に収録されている「縦書きの雨」では、ひとりの女性シンガーとしての良恵ちゃんに歌ってもらった感じなのですが、今回の「黄昏を遊ぶ猫」はEGO-WRAPPIN’としての良恵ちゃんに歌ってもらったイメージです。この曲の歌詞がもっている世界観を見事に歌で現してくれています。
ハナレグミに歌ってもらった「太陽と心臓」は、青島幸男さんがクレイジーキャッツの歌詞のなかで表現されていた“楽観性”を出せたらと思いましたね。重い扉があって開かないと思っていたけど、仲間を呼んで押してもらおうと思ったら、仲間が来たときには扉すらなかったと気付くことがあると思うんですよ。この曲はハナレグミのヴォーカル以外あてはまらないというくらい、男らしくてハッピーで勇気がでる曲になりましたね。
9人のスカパラとしての最高傑作『欲望』を聴いて、是非ライブにも遊びにきてください。
B-Sax.谷中敦