結成して17年。長年の活動の中で積み上げ、培ってきた僕たちの僕たちだけの暗黙のルールがあります。みなさんも仲の良い友達との間にある暗黙のルールみたいなものってあると思うんですが、それはよくよく考えたら、なんとなーくそうなっているだけで、”別にそうじゃなくてもいい”ことがいっぱいあるのです。より自由を求めようとUNCHAINという名前を付けてこれまでやってきたはずが、”こうでないといけない”みたいなものに、いつのまにか縛られていたのです。
今回『Orange』を制作するにあたって、そこに気付かされました。ジャケット写真は、オレンジの皮をめくれば、そこには本来あるはずのない世界が現れるというもの。「二つの全く異なる世界の共存」これが今回のテーマになりました。ヒョウとライオンを掛け合わせてレオポンを生み出したように、ポテトとトマトを掛け合わせてポマトが作られたように、僕とBa谷、僕とG.佐藤を掛け合わせて曲や歌詞を書きました。頭を柔らかくして凝り固まったものを全部壊してやりました。この『Orange』のジャケのように皮を一枚めくらないと、一歩内側に踏み込んでみないと、どれだけ情報化が進んでも、実際にその目で耳で感じるまでそれはわからない。だからたぶん僕は「逢いにゆけ」と歌ったんだと思います(M-3「Smile Again」参照)。妥協ではなく共存にするためには衝突も少なくありませんでしたが、自由を目指す過程で僕らは足し算ではなく、かけ算に成功したんだと思います。
Vo./G.谷川 正憲