海岸沿いの芝生エリアは音楽と笑顔で溢れていた。和歌山だから出来る、和歌山にしか出来ない!!
海辺の“リトルWoodstock”ライブレポート!!
天気予報では、雨予測の10月28日、和歌山市内よりバスで25分ほどの風光明媚な海岸沿いにある片男波公園は晴れていた。昨年に続き2回目となる和歌山最大の野外ロックイベント“KISHU ROCK IMPACT”の特設会場だ。バス亭より海を眺めながら5分ほどで会場に着くと、すでに多くのオーディエンスがオープニングの地元バンドを待っていた。紀州ならではの独特のネームがつけられたステージ“お家騒動ステージ”でのトップバッターはBeatricaだ。若さ溢れるパフォーマンスで地元ファンを沸かせていた。決して青空が似合うようなバンドではないが、情熱でOAを務めた。
ほどなくメインステージでは、オレスカバンドが軽快なホーンサウンドと共に登場! ジャングル・ライフは彼女らのデビュー前より追いかけているのでとても身近な存在。最近めっきり大人っぽくなり、演奏も骨太感と色気を放ちトップバッターとしての重責を見事にクリア。続いてはもう日本のロックバンドとしては大御所の域に近づいてきたGARLICBOYS。演奏は言うに及ばず、Gのラリーくんのトークはへたな漫才師など及びもつかない(笑)。メインステージが熱く進行している時間にも“ご利益!! からくり屋ステージ”ではスペシャルセッションBANDがオーディエンスを沸かせていた。コザック前田とメガマサヒデをボーカルに、かっちゃん(リリーギャング)とイクヒロ(SEX addict)/大澤雄介(ユウテラス)がガガガSPの名曲をカバー。今回バンドで参加出来なかったコザックもこのセッションを楽しんでいる様子がとても印象的だった。会場はコンパクトで、ステージ間の移動もすぐなのだが、なんせサブステージが隣り合わせの設計のため、音の干渉が半端ではなかった。メガマサヒデのアコースティックの裏ではハードコアバンドといった具合だが、さすがメガである。それをネタに笑いを取っていた。
再びメインステージに目をやるとコザックの弾き語りが始まるところ。さすがのトークで会場をフォーク集会にしてしまう。そんなオーラと説得力を持つ唄の力に太陽は優しく微笑んでいた。続いては、KO-JI ZERO THREE率いるGNz-WORDだ。リリックの鋭さに加えて演奏も安定感があり、攻撃的だが優しさも兼ね備えている。途中では激しい雨に見舞われるアクシデントもあったが、かえって劇的な光景を作りだした。“お家騒動ステージ”ではユウテラス、ゴーストノート。“風雲児で御免ステージ”ではパニック★ロケッツ、SEX addictなどが激しく火花をちらしている。
雨も止み、日が落ちるころTONPEI BANDに花*花の小野真紀子が加わり大人の唄を聴かせる。ゆったりとした時間もあっと言う間、残すところ2バンドとなる。オーディエンスが一気にメインステージである“暴れん坊将軍ステージ”に集結しだした。いつものSEでザ50回転ズの登場だ!! さすがにライブで鍛えられ、幾度となく海外ツアーも経験するツワモノ。なんと6年ぶりの和歌山公演だと言う。会場が十分に温まったところでいよいよ大トリの登場となる。メンバーも和歌山出身のMR.PANを中心に南大阪出身者で固められた、今や日本の誇るマージービート・バンドTHE NEATBEATSだ。“この会場付近には昔よくナンパしに来たよ”のMCで会場をなごませ身内ネタもちらほら。そのステージングはエンターテイメントそのもの。真のロックンロール・バンドとしての貫禄すら感じられるライブとなった。
近畿のおまけと揶揄される和歌山だが江戸時代は徳川御三家として、日本の中枢を担う役割を果たしてきた歴史ある土地柄。海も山も豊かで、しかも大阪から1時間というロケーションは、これからもっと注目されてもいいのではと強く感じた今回のフェス参戦だった。このフェスの発起人・運営は和歌山のライブハウスCLUB GATEの店長であるヘイゴ(山野)氏だが、地元バンドとの人間関係を活かした配慮もこのフェスの魅力だと思う。フードは全て地元の実店舗を持って営業する若手経営者が出店。どの店も味にこだわりがあり旨いものが揃っていた。音楽とフェスめし、綺麗な芝生。料金もリーズナブル。来年はぜひ多くの音楽ファンに集ってほしいものです。特に和歌山ラーメンは、絶品!! ご賞味あれ!!
JUNGLE☆LIFE PJ