CHAPTER H[aus]エンジニア樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第 122回
今回取り上げる機材は、dbxの真空管式チャンネルストリップ系アウトボード「586」です。
586は2chマイクプリとEQを搭載したアウトボードで、1999年の発売当時は定価14万円でリリースされました。
全体的にワイルドでロック向きで「EQで低音を10db以上あげてもダブつかず、がっつり利く」のが特徴です。
がっつり利く割には、位相のズレなどの副作用がかなり少なく、他に類をみない逸品です。
余談ですが、姉妹機にあたる「566」は2chのコンプ系アウトボードで、キャラは586とほぼ同じといって差し支えないと思います。
定番ではない機材を探している方は、是非チェックしてみてください。
【今月のMV】Correkt - For Whom
https://www.youtube.com/watch?v=KkDdlcGd9fc
ハードコア、オルタナ、エモロック、そしてプログレまで昇華したインストユニットのMV。映像のオリジナリティーも秀逸。
【Sight Seeing】
注目度の高いバンド・アーティストのプライベートスタジオをご紹介します。
栃木在住の豊田と申します。
私がエンジニアを担当している「Studio Remy」をご紹介させていただきます。
コントロールルーム+メインブース、写真には写っておりませんがアンプorボーカルブースが2部屋あり、Protools HDXシステムを使用した最大24Chの同時Recが可能です。
現在の録音環境は
-DAW-
Protools Ultimate
-Interface-
MTRX 24in(16line+8mic pre)16out
-HA-
Chandler Limited REDD.47
Universal Audio 6176
AURORA AUDIO GTQ 2
API 3124V
A-Designs PACIFICA
Millennia HV-3C
-Outboard-
Emprical Labs EL-8X
SSL 500 Series E EQ
API 550
McDSP APB-16
モニタースピーカーはニアフィールドにGENELEC 8341AP
ラージモニターとしてGENELEC 1237APを配置しています。同じGENELECですがスタンドに立てた状態と壁に埋め込まれた状態では低域の出方にかなりの差があり、両者を使い分けながらバランスの取れたミックスを目指しています。これ無しでのミックスが急に不安になります(笑)
■Studio Remy HP■
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表
レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター
Whirlpool Records/brittford主宰
専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください
ラジオ川越 第2・4水曜 23:30 ~ 24:00 「Music Translation」放送中
2025年2月分の放送は2月12日(水)26日(水)
出演 樫村治延
番組は「Listen Now(JCBAインターネットサイマルラジオ配信)」でリアルタイム聴取できます
https://www.jcbasimul.com/radiokawagoe
(コミュニティFMなのでRadikoでは聞けません、ご了承ください)
当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します
スナックちゃんみつ「生命線」
90年代後期のハイラインレコーズを彷彿とさせる、アコースティックギターロックユニットの決定盤。バックサウンドは、メジャーを渡り歩いてきた手練れのミュージシャンぞろい。当スタジオでは、パーカッション、アコギ、ボーカルのレコーディングを担当。
SILVER GOAT CLAN 「KINGDOM」
80~90年代にかけてのアメリカンハードロックを基調としたユニットの最新作。定番のハードナンバーを中心に、アコースティックサウンドも程よく絡めている。SAXの存在が目玉となっている。
YAPOOL 「Nouvelle Vague」
今や全国区になりつつあるガレージロックバンドの最新フルアルバム。90~2000年代初頭のエモーショナルな要素に加え、現在に至るまでのgeekな世界観が加味された。
浜小路ヨハン「 PROOF OF BLOOM」
今までの代表作をリテイク、加えて1曲を新録した、浜小路ヨハンの集大成と呼べる意欲作。出身地である茨城県土浦市で大規模サーキットイベントを主催するなど、話題には事欠かない。当スタジオではレコーディングを担当。
ANNULA「ALIEN」
西洋+東洋の国際色豊かなオルタナポップバンドの新作。リズム、音色だけでなく、リフ、メロディー、楽曲の展開まで、絶妙にありそうでないオリジナリティーを感じる。