音楽メディア・フリーマガジン

CULTURES’ BackPacker vol.15「音楽稼業七変化〜音楽作家編〜」

 世間はGWを明けて、春を馴らし、夏へと屈伸しているように見受けられます。あたしは夏や秋の作品をせっせとこしらえている今日この頃です。これまでの作品からまた飛躍して、いよいよ直近の集大成を出しますので、どうぞお楽しみにしていてくださいませ。

 "音楽稼業七変化"シリーズ、前回の番外編""タイアップ編"からの今回は、第5段"音楽作家編"と題してお送りします。

 自身の音楽活動とは異なる、作家スイッチを入れたこの顔は、伝統芸能家でありポップスアーティストとしての知見に期待をしてくださる方が多いお陰で、これまで実は、多種多様な作品を書き下ろし提供してきました。

 

【作品一覧※YouTubeに投稿されているもののみ】

https://youtube.com/playlist?list=PLE7hBiVpvMrybIx70mejmuGM7a20m8mbr&si=kQIkwTVJnS5FdPbr

 

 アイドル、エレクトロスウィング、ミュージカル劇伴、演歌、ソウルフルなポップユニット、フォーキーなシンガーソングライターなど、自身が歌うタイアップソングとも違う、まさにクライアントに向けて書き下ろす世界に一つだけの作品たち。

 また最近は、シューゲイザーアイドル×津軽民謡をミクスチャーした楽曲の作品制作およびディレクションも行い、巷で大好評いただき嬉しい限りです。

https://youtu.be/fiL6zw7A2Dw?si=K02jLqRfa0rIj0-N

 

 たとえば仲の良いポップスシーンだと、宮野弦士くんや沖井礼二さんら作編曲家としても活躍しているこの二人は、カラーはさまざまに、しかしどこを切り取っても彼らの音楽の魔法がかかって、作家の顔がはっきり見えると日々感じています。

 作家カラーを出そうとせずとも、否が応にも作品にそのカラーが色鮮やかに出ているのは、聴いてきた音楽への敬意や、良い意味での好き嫌いがはっきりしているからではないでしょうか。

 もちろんカラーを出すまでのボーダーラインというものは少なからず存在しているはずで、そのボーダーを超えることを赦されるには、自分を信じて作り続けてきた作曲数も ものを言うと思うのです。

 反対にカメレオン作家として、何でも作ります!という作家も多い中、どちらが作家人生において幸せかなんて人それぞれですが、個性を売るか、畑をあまり問わず従順な柔軟性を売るか、という悩みは売上と共に誰もが一度は悩んでいると思います。(とはいえ、後者は相当な実力と音楽的知見が無ければ生き残っていけないでしょう。)

 あたしは間違いなく前者ですが、得意分野がいくつかあるという自負があります。

 あたしが作家として求められるタイミングは、その畑に信頼し合える知人がいて、彼ら彼女らが作りたいものにただただピュアに応え続けていたら、このようなごった煮な作品リストになっていました。

 アイドルオタク仲間からであったり、共演相手からであったり、東京藝大邦楽科や民謡界隈などの伝統芸能まわり、そこから派生してミュージカルシーンや自治体関連であったり、とにかくあたしの作品の根幹には素晴らしい知人が居るのです。

 忘れてはいけないのは、そんな知人がいるからこそ、居心地の良い界隈や好きで追いかけ聴いていた音楽があることで、スイッチを無理やり捻り変えずとも、根底には既にルーツとしてアイドルやエレクトロスウィング、演歌にソウルにフォーク、そしてサントラ含む劇伴への興味と知見があるから、毎度楽しく音楽を産むことができてきたということです。

 しかし、信頼や可能性を見出されないことにはこのチャンスは、あたしのようなポップメーカーにはなかなか出会いの無いことなのです。

 ポップメーカーの作る多種多様な作品たち、どこかしらに川嶋志乃舞/CHiLi GiRLのカラーがじんわりでも顕れていたら、大変嬉しく思います。

 2024.5.10

Shinobu Kawashima著


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