音楽メディア・フリーマガジン

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第113回

Sight Seeing

注目度の高いバンド・アーティストの音楽スタジオをご紹介します。


群馬県館林市に在住している、植木嘉朗(ウエキヨシロウ)といいます。

陽のあたる隠れ音楽スタジオ「flower pot studio」を家族と一緒に運営しつつ

作曲~マスタリングまでを自分1人で行う形で楽曲制作、アーティスト活動もしています。

現在は、楽曲完成のクオリティがようやく納得いくレベルになってきたので

バンド活動、ソロ活動も含めて、模索しつつ制作をする日々を送っています。

 

<音楽スタジオ+録音機材>

 

1階にある、貸出もしている音楽スタジオです。

オーソドックスな機材ですが、それぞれのパートが聴きやすいように調整しています。

自分で演奏し、レコーディングを行う際は、ここで録音する事が多いです。

録音機器はTASCAM Model24やfostex vf160exを使うことが多く

中継地点にTASCAM MIDISTUDIO 644(カセットMTR)を使用する事もあります。

 

プリアンプは下から

focusriteのvoicemaster

tc electronicのgold channel

ベリンガーのコンポーザーを挟んで

dbx 376

joemeek threeQ

grace designのm101です。

その上はスプリングリバーブです。

ミックスマスタリングルームにあるGoldMikeも使用することがあります。

 

<ミックスマスタリング部屋、電源>

 

ミックスマスタリングルームでは、スタジオチャプターハウスにならって

メインのスピーカーとサブスピーカー、ラジカセとヘッドホン、という

4つの聴き方ができるように調整しています。

下で紹介しますが

「LUNA(DAW)→Model24→BBEやMixmaster×2+その他→TASCAM sx-1→TASCAM SS-CDR200」

という流れでのルーティングが多いです。

 また、MTR好きなので棚に沢山並んでいます。

電源には現在はアイソレーショントランスを使用しています。

ノイズを一旦熱に変える方式でノイズレスにしつつ、私独自の方法で電磁波対策も行っています。

 

<機材ルーティング>

機材ルーティングを再度説明します。

まずMACにて「LUNA」のDAWに音源をトラック毎に送ります。

UAD apolloをサブDSPとして使用しつつModel24を外部ミキサーとして使用します。

この際USBが良くないと音の生気がなくなってしまうため

アコースティックリバイブのUSBを使用しています。

次にBBEを通して調整したあと、focusriteのMixmasterを2台通してマスタリング前半を行います。

場合によってGoldchannelを通して真空管要素を入れたりもします。

マスタリング後半はTASCAM sx-1。

チャプターハウスより譲り受けた品です。

ここで最終的なEQやコンプ処理を追加してSS-CDR200に送って終了です。

レッドブックを作る際はSX-1で終わります。

 

<マイク類  

ひとつひとつの説明は割愛しますが

マイク類については、個人的にリボンマイクが「自然に録音する」という意味だけで言えば

コンデンサーよりも上を行っていると感じているため

リボンマイクをアンビエンスとして使用する場面が多いです。

メインのマイクはsamaraudioのVL37。

これが上記にあった「自然な音」という意味では、持っている限りで最も優秀です。

全体の音を自然に録音した上で、補完したい部分をコンデンサーやダイナミックを使用して録音しています。

 

<その他>

最後に、その他という事で機材を幾つか紹介します。

 

左からIzotope spire、ピーターソンのチューナー、アマテラスブランドのトランスとファンタム電源です。

あとはエフェクター。

Izotope spireは、気軽にどこでもある程度のデモを録る事のできる近代型MTRのようなものですが

その際のエフェクトが飛び道具として優秀なため、録音の際に一緒に並べたりしています。

ピーターソンは、チューナーの中では同価格帯で最も精度が高いと感じています。

純正律にも対応するくらい、ひとつひとつのテンプレートもしっかり設定されています。

高品位なプリアンプには、トランスや優秀なファンタムが必ず搭載されており

それが聴いた際の心地良さや音同士の混ざりやすさを促進します。

アマテラスブランドは「高品位な機材からトランスやファンタムだけを抜き取ったような商品」を

作ってくれていますので、こちらも重宝して使わせて頂いています。

電源環境のためにパッシブタイプの使用です。

これがあるのとないのでは大分違います。

 

■ueki/OH MY GODDESS!!

→fostex vf160exのみで14トラックで制作した原曲音源です。

Model24での本制作は現在進めています。

https://on.soundcloud.com/r5HKQWNY4AYncBUs8

■Flower Pot Studio ホームページ

https://flowerpotmusic.com

■Instagram

https://www.instagram.com/flowerpotst.art


PUSH UP INSTRUMENT

TASCAM DV-RA 1000HD

DV-RA1000HDは、マスターレコーダーの名機と言われたDV-RA1000(20年程前にリリース)の後継機です。

現在主流となっているDAWソフト内のバウンスでマスターを制作する方法ですが、音像が平面的になるのが欠点です。その欠点を補うのが、DV-RA1000HDなどのマスターレコーダーです。

中位クラス以上のマスターレコーダーを使用してマスターを制作すれば、立体感はそのままのファイルが作れます。電源、ケーブルを強化すれば、一層効果的です。

更にこのDV-RA1000HDは、AD/DAコンバーターとしても非常に優秀です。

上位クラスのオーディオインターフェースと比較しても、同等かそれ以上の実力を発揮するだけでなく、内蔵されているマスタリング系エフェクトは、最新のプラグインでも成し得ない秀逸さをもっています。

加えて、PMCフォーマットのみならずDSDフォーマットにも対応しており、全く隙が見当たりません。

(注)DSDの場合、内蔵エフェクトは使用できません

主な接続例↓


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表

レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター

Whirlpool Records/brittford主宰

専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください

ラジオ川越 第2・4水曜 23:30 ~ 24:00 「Music Translation」放送中

5月分の放送は5月8日(水)22日(水)

出演 樫村治延 サイエンスライター荒舩良孝氏 フリーアナウンサー荒舩裕子氏

番組は「Listen Now(JCBAインターネットサイマルラジオ配信)」でリアルタイム聴取できます

https://www.jcbasimul.com/radiokawagoe

(コミュニティFMなのでRadikoでは聞けません、ご了承ください)

当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します


 

THE PENNY13Cookiee

USとUKのいいとこどりしている4ピースロックバンドのデジタルシングル。

洋楽が好きだという気持ちが至る所から感じられる。逆輸入的な思考が伝わるナイスサウンドだ。


 

みねのりか「時のカケラ」

童謡meetsジャズとでも呼べそうな新感覚ジャンルを追求する「みねのりか」の音源。

絵本作家でもある彼女の世界観が広がる作品。

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