Anne-Marie (アン・マリー)、2023年7月28日(金)に新アルバム『UNHEALTHY / アンヘルシー』を発売した。
新アルバム、そして日本への想いについて語る記事と映像を公開!
——今すごくお忙しいと思うので、取材に応じてくれて本当にありがとうございます。
Anne-Marie「こちらこそ!」
——まず、昨年10月に来日公演を実現してくださってありがとうございました。東京と大阪での2公演は、いかがでしたか?
Anne-Marie 「アジアでのツアーの中で、一番盛り上がったショウだったと思う。クレイジーだったよ。日本でのライブは大好き。東京も大阪も大好きだから、また近いうちに日本に戻ってまたショウをやりたいと思ってる」
——そして、ニュー・アルバム『アンヘルシー』の完成、おめでとうございます!このアルバムの全ての曲で、あなたは120%、リアルな自分を出していると感じました。そして今のあなたが、ありのままの自分を本当の意味で受け入れて愛せるようになったことで、これらの新曲がすごく強力でインスパイアリングなものになっているとも思います。あと、曲中とアルバムのアートワークであなたなりのユーモアが見られるところも大好きです。
Anne-Marie「アハハ」
——あなたにとって、『アンヘルシー』はどんな意味を持つアルバムになりましたか?
Anne-Marie「このアルバムでは、とにかく私が作りたい音楽を作って、何も怖がらずに語りたいことを語るっていう自由を持てたんだ。セカンド・アルバムの『セラピー』は、パンデミック中に制作したから、私たちの誰もが奇妙な世界で過ごしてた。その場所から抜け出して、飛行機に乗って世界各地に行ったり、ツアーに出たり、国外に住んでいる人達と一緒に作曲ができて、それって本当に私にとって幸せなことで。私はまた、自由になれたんだ。だから、それが曲の中に聴こえると思う。また作曲できてすごくワクワクしたし、すごく幸せだった。だからみんなをこの幸せの中に引き入れたかったんだ。このアルバムを聴いて、あなた達もハッピーな気分になってくれたらいいなと思ってる」
——ええ、物凄くいい気分になりましたよ。
Anne-Marie「良かった!」
——特に、このアルバム全体の物語の流れが素晴らしかったです。愛する人を失うところから始まるけれど、途中で新しい愛を見つけるという大きなターニングポイントがあって、そして最後に、あなたは新しい人と恋に落ちている上に、かつてないほど自分を愛せるようになりますよね。非常に力をもらえるストーリーでした。そのことについて少し話していただけますか?
Anne-Marie「私は、一続きの物語があるアルバムが大好きなの。曲毎にそれぞれのストーリーを歌っているけれど、アルバム全体を通して意味のある物語にすることが大事だったんだ。だから、あなたの言う通り、前の恋愛の話で始まって、次の恋愛の話に続くんだけど、同時に私はありのままの私を本当の意味で愛することを学んでいったんだよね。誰かを喜ばせるために自分を犠牲にしたり、黙ったりしなくていい、騒がしくて、クレイジーな私を大事にしていい。そんな自分を、ただ愛していいんだって。そういうメッセージがある曲を世に出すのは、大事だと思ってる。私は、本当の意味で自分を愛するってことを大分遅くなってから学んだんだけど、それができるようになってから、私の人生が変わったんだ。だから、私がもっとそのメッセージを曲にして、できるだけ若いうちにみんながそのことを学べたら、そしてなるべく早くみんなが自分を愛せるようになったら、全てが良くなると思ってる」
——ええ、本当に大切なメッセージだと思います。そして、「ネヴァー・ラヴド・エニイワン・ビフォー」は、素晴らしい形でこのアルバムを締めくくっていますね。ものすごくハッピーで希望に溢れた曲で、そのおかげでアルバムを聴き終えた後も、ずっと幸せな気分に浸っていられました。その点を意識してこの曲を最後にしたんですか?
Anne-Marie「うん、その通りよ。そしてこのアルバムを通して、あらゆる感情をみんなに感じて欲しいんだ。みんなに泣いて欲しいし、大声で叫んで欲しいし、幸せな気分になって欲しい。アルバムを聴き終えた時に、全ての感情を出し尽くした気分になって欲しいなと思ってる。それで、一日中、もっと自由な気分を感じて欲しい。それが私の狙いだったと思う」
——その他に私が特に好きになった曲は「アンヘルシー」です。これはカントリー界のレジェンドと言えるシャナイア・トゥエインとのデュエットで、本当に素晴らしくて、今私が一番好きな曲になりました。この曲を思いついた時のことをあなたが語っている取材を見たのですが、面白かったので、それについて教えていただけますか?
Anne-Marie「ロサンゼルスでのレコーディングセッションに向かっていた時に、私がバーガーとかポテトチップスとかアイスクリームとか、とにかく不健康な食べ物を爆食いしてるイメージが頭に浮かんだんだ。バーガーの油とかが顎からだらだら垂れてて、レコーディングで共作者達に「こういうイメージが頭から離れないんだけど!」って言ったら、「オーケー」って驚かれて。そのイメージと一緒に「不健康」ってワードが頭にこびりついてたから、それを基に曲を書き始めたんだ。でもこの曲の内容は、他の人達にいつも色々と意見を言われることについてで。「それ食べちゃダメ、体に悪いよ」とか、「それやっちゃダメ、良くないよ」とかね。そういうことって良く言われるけど、でもしばらくすると、自分を信頼した方がいいって気づくんだよね。だから、あなたがやりたいことなら、やればいい。どんな結果になっても、それが学びになるから。恋愛に関しても同じことで、誰かと出会って、家族や友達に「あの人は良くない」って忠告されても、その人を愛しているなら関係を続けて、それが自分にとって正しいか正しくないかを学べばいい。だから、いつだってあなたがやりたいことをやるべきなんだよ」
——同感です。以前からあなたの曲にはカントリーの雰囲気が入っていることがあるのを感じていて、それが英国出身のアーティストでありながらユニークなサウンドのポップ曲を生み出す要因になっていると思うのですが、カントリーを聴き始めたきっかけは何だったのですか?
Anne-Marie「正直、私はシャナイア・トゥエインを聴いて育ったんだ。彼女が世界的に大ブレイクしたからだと思う。国外に出ないカントリー・アーティストは沢山いるけれど、シャナイアは世界に世界中に彼女の音楽を届けることを実現したから、私達もイギリスで彼女の曲を聴いていて、ずっと大好きだった。カントリーのメロディが大好きだったんだ。カントリーって悲しい物語を歌っていることが多いんだけど、なぜか不思議なことに、幸せな気分をもたらしてくれるんだよね。だから私は昔から、そういう曲を書きたかった。それでこのアルバムの制作時に、「やってみよう」って思って、「アンヘルシー」を作ったんだ」
——私にとっても、シャナイア・トゥエインは日本でカントリーを聴くきっかけになったアーティストだったので、このコラボは本当に夢の共演でした。実現してくれて、ありがとうございます。彼女と一緒にレコーディングをしてみて、どんな気分でした?
Anne-Marie「最高の気分だったよ。一生忘れない。彼女が大興奮してくれて、私も興奮した。それに彼女は音楽を心から愛していて、この仕事を当たり前のことと思っちゃいけないなって再認識させられた。自分の仕事を愛していたら、一生やり続けるんだって思った。彼女は私をそういう気分にさせてくれたんだ」
——電話取材したことがあるのですが、本当に優しい方ですよね。
Anne-Marie「うん、本当にラブリーよ」
——セカンド・シングルの「サイコ」は、“サイコパス”というネガティブな言葉を敢えて自分のものにしてポジティブな曲として打ち出しているのが最高だなと思いました。この曲の作曲についても教えて下さい。
Anne-Marie「私みたいに悪い恋愛関係を経験したことがある人なら、この言葉を何度かぶつけられたことがあるんじゃないかな。そう言われると、別れた後で「自分のせいだ、私が悪かったんだ」って思っちゃうんだよね。でも私は、「違う、私達は悪くない、悪いのはあなたの方」って言うことで、私達が力を取り戻せる曲にしたかった。だから、リスナーがこの言葉を違う視点で見て、自分の強さを感じられる曲にすることが大事だったんだ」
——そして「サイコ」は、レコーディングを終えた後、あなたがすぐにTikTokに動画を投稿した曲なんですよね。しかも、そのTikTok動画に寄せられたコメントを受けて新鋭ラッパーのAitch(エイチ)とのコラボレーションを決めたそうですが。
Anne-Marie「うん、TikTokに動画を投稿したら、みんなが次々に『Aitchがこの曲に参加するべき!』ってコメントしてくれて、「ほんと?」って驚いたんだ。誰もがそのコラボを求めるなんて、クレイジーだなって。でも、私の曲って私が書き終えた後は、みんなのものなんだよね。だから、それがみんなの望みなら、私は反対しないで、みんなに欲しいものをあげるんだ」
——そうやってS N S上であなたがファンと直に交流してくれるのが、とても嬉しいです。ただ、TikTokが新しいヒット曲を生む最大の場の一つになるとは予想もしていなかったのですが、あなたはTikTokのどんな面が気に入っていますか?
Anne-Marie「私が一番好きな点は、TikTokのおかげで、世界中に才能のある人達が凄く沢山いるのが見られること。以前は、シンガーやソングライター、プロデューサーになるためにレーベルと契約をしたり、業界の人と知り合ったりってことが必要だったけど、TikTokでは大勢の才能が見られるから。だから私は色々な人達の動画に目を通して、皆が歌っているのを見るのが大好きなんだ。TikTokはすごくクールな場所だと思う」
——あなた自身も沢山動画を投稿してくれていて、有り難いです。でも、常にアイディアを思いつくのは大変ではないですか?
Anne-Marie「ラッキーなことに、私ってすごく忙しくしてるから、常に何かが起こってるんだよね。だから常に投稿できるんだ。すごく自然にやれてるよ」
——それなら良かったです。話は変わって、あなたは子供の時に空手の国際大会で3度チャンピオンになった経歴をお持ちですよね。それについても教えていただけますか?
Anne-Marie「うん、私は9歳で空手を習い始めたんだ。幼かったから、イギリス国外に旅行に出たことはなかったんだけど、空手が教えてくれた鍛錬が大好きだった。ティーンネージャーになった私にとって、すごく必要なことだったんだ。人々の目に見える技以上の深いことが、空手にはあるんだよね。だから、毎日が学びだった。空手は私の人生でかなり大きな部分を占めてて、本当に愛してるんだ。だから、遂に日本に行けることになった時は、本当に大興奮したよ。それで、いつか日本で空手のレッスンが受けられたらって思ってるんだ。私がイギリスで学んだことと、何か違いがあるか見てみたくて」
——それは、ぜひ見てみたいです。また、あなたは子供の頃、イギリスのブロードウェイであるウエスト・エンド・プロダクションで、ミュージカルのステージにも立っていたんですよね。その経験はあなたの音楽にどんな影響を与えていますか?
Anne-Marie「ミュージカルって、演技だけど、同時に歌うでしょ。すごくエモーショナルで、ストーリーテリングでもある。それで、私が曲作りを始めた時、自動的にエモーショナルになりたいと思ったし、皆に私の人生の全てを語りたい、私の曲の中でリアルになりたいって思った。だから、ストーリーテリングの面で、ミュージカルは私をすごく助けてくれたと思う。それから、ツアーの面でも影響を受けていて、このアルバムのツアーは、かなりシアトリカルなステージになると思ってる。ミュージカルを子供の頃に経験したからこそ、できることなんだよね」
——そうなんですね、『アンヘルシー』を聴いていて、舞台や映画を見ているような気分にもなったので、そういうツアーは最高になると思います!
Anne-Marie「うん、そう願うわ」
——では最後に、日本にいるファンにメッセージをお願いします。
Anne-Marie「日本のファンのみんな、愛してるよ。私に沢山の愛をくれて、ありがとう。私と一緒に大声で歌ってくれて、いつも私のことを歓迎してくれて、どうもありがとう。できる限り早く日本に戻るから、またみんなに会えたらいいな」
■ミュージック・ビデオ
【リリース情報】
■アルバム情報
アーティスト: Anne-Marie / アン・マリー
アルバムタイトル: UNHEALTHY / アンヘルシー
リリース:2023年7月28日(金)
国内盤CD:WPCR-18615 / \2,970(税込み)※ボーナス・トラック収録
<トラックリスト>
1. SUCKS TO BE YOU / サックス・トゥ・ビー・ユー
2. SAD B!TCH / サッド・ビッチ
3. PSYCHO (FT. AITCH) / サイコ(フィーチャリング エイチ)
4. HAUNT YOU / ホウント・ユー
5. TRAINWRECK / トレインレック
6. GRUDGE / グラッジ
7. OBSESSED / オブセッスド
8. KILLS ME TO LOVE YOU / キルズ・ミー・トゥ・ラヴ・ユー
9. UNHEALTHY feat. Shania Twain / アンヘルシー フィーチャリング シャニア・トゥウェイン
10. IRISH GOODBYE / アイリッシュ・グッドバイ
11. CUCKOO / クック―
12. YOU & I (FT. KHALID) / ユー&アイ (フィーチャリング カリド)
13. NEVER LOVED ANYONE BEFORE / ネヴァー・ラヴド・エニワン・ビフォア
14. BETTER OFF / ベター・オフ
15. ICK / ICK
16. EXPECTATIONS (MINNIE, (G)I-DLE) / エクスペクテーションズ(ミンニ、(G)I-DLE)
17. PSYCHO (Acoustic) / サイコ(アコースティック) *
18. SAD B!TCH (Acoustic) / サッド・ビッチ(アコースティック) *
19. UNHEALTHY (Acoustic) / アンヘルシ(アコースティック) *
*・・・Bonus Track
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