CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第77回
今回も、国内を代表するハイエンドケーブル&オーディオアクセサリーメーカー Acoustic Reviveの電源ケーブルをご紹介します。
【POWER STANDARD Triple-C FM】
前回取り上げたAC2.0 Tripleの上位モデルにあたり、音楽的なフラットさを醸し出すキャラクターを踏襲しながら、さらにワイドレンジにパワーアップした製品です。
レコーディング機器はもとより、ギターアンプ、ベースアンプ、エフェクターやシミュレーターまでオールマイティーに使用することが出来て、全く死角が見当たりません。
販売価格は新品で3万円台前半。システム全体のサウンドクオリティーを上げたいのであれば、メイン機材にこのPOWER STANDARD Triple-C FMを使用することをおすすめします。
【大学生バンドのセルフREC】
前回に引き続きミスチル風バラードのコーラス録り。
【曲の構成】
サビの上ハモ録りは全部終了したのだが、さらに上ハモのダブリングを入れる。
まずサビ1の上ハモダブリングから。
少しキャラクターを変えるため、マイクはSHURE KSM44/SLを使う。
【モニターバランス】
サビ1の上ハモダブリングは、モニターバランスをとった後、各サビごとに3回ずつ歌ってみる。
3回分のいいところ取りをして、ピッチを修正し、予想の半分くらいの時間で終了した。
次回は各サビの下ハモ、下ハモダブリングの予定だ。
【今月のちょいレア】
Avid Protools専用キーボード
Protoolsオペレーションに特化した、Mac用キーボード。カラフルにデザインされた様々なショートカットキーが、創作意欲を掻き立ててくれる。
【今月のMV】
日々かりめろ「蜜源(ライブ動画)」
https://www.youtube.com/watch?v=9HbCSYHc2M8
新作フルアルバムのリーディングトラック「蜜源」のライブ動画。京都LIVE SPOT RAGで収録された。音源と全く変わらない高い演奏力、ライブ感が一体となり曲の魅力を一層引き立てている。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
日々かりめろ 「115(ヒビゴー)」
結成5年目、5作目となるフルアルバム。単なる節目を飛び越えた濃密な内容で構成されながら、肩ひじ張らずに聴きこめる。ゲストミュージシャンの参加により、絶妙なマジックが堪能できるのもポイント。2021年6月全国発売。
The echo dek ft.LEO and 綱彦 「EVERYBODY IS MY FRIEND.」
ゲストにkroiのLEO、Dreamcastの綱彦を迎えた新世代ダンスミュージック。もはや「ロックとヒップホップの融合」といったキーワードが古く感じてしまう、現在進行形でDeepな挑戦作となった。
sunnyside suicide 「ホワイトスランバー」
ちょっとサイケでオルタード、少しポップなグッドメロディーを捉えたロックバンドのデジタルシングル。アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの中間を堂々と表現する頼もしい音楽性に今後も期待する。
RIVER BABY 「it’s up to you」
トラップとトリップホップの要素がふんだんに盛り込まれたヒップホップサウンド。トロピカルハウスのエッセンスも微量ながら感じられ、ラップとの絡みに良い意味での化学反応が起きている作品。
深刻なエラー「車窓の月」
シューゲイザーとギターロックの中間を攻める、オルタナバンドのシングル。一聴するところUKプロジェクト系サウンドとも言えそうだが、最新洋楽テイストがギターフレーズからにじみ出ている。