photo by 湯ノ浦ユウ(https://twitter.com/yunourayuno?s=21)
【Cuicks(クイックス)】
写真左より、ノハラユーキ[vox,Guitar,computer] ニシノヒロト[Guitar]
【プロフィール】
2011年よりノハラユーキ(vox,guitar,computer)のソロユニットとして始動。
2013年 「blue sonic ep.」をリリース。
2016年 全国流通盤1stアルバム「warp」をリリース。
2017年 ニシノヒロト(G)が加入し、現在の編成になる。
2019年 配信シングル「neo teenagers」
同年12/4 全国発売 V.A「Sunday Monday」に「indie pop fan club」収録。
2021年1月より、3ヶ月連続シングル配信リリース中
音楽的進化を目指し、シューゲイザー、エレポップ、ネオアコ・渋谷系ギターポップ、アンビエント等を独自の実験精神のフィルターを通して消化し、 breakbeats pop/neo-abstract/post-neo acousticのキーワードを掲げ、他の追随を許さぬ作品づくりに注力している。
全作品にレコーディングエンジニアとして関わり、所属レーベルWHIRLPOOL RECORDSのオーナーでもあるSTUDIO Chapter H[aus]樫村治延が、彼らの本音を聞き出してみた。
①Cuicksの名前の由来、コンセプトを教えてください。
中学生の頃までは音楽以上にゲームが好きで、しょっちゅう地元のゲームショップに通っていました。
その中で、日本のビデオゲーム黎明期の「クイックス」というタイトルが初代プレステソフトとして移植されていまして、そのソフトを店頭で見つけたとき「なんとなく響きが好きだな。いつかバンド活動を始めるとしたらこの名前が良い」とぼんやり考え、採用しました。本来はスペルが「QIX」らしいのですが、オリジナリティを考慮したのか、いつしか「Cuicks」という綴りになってました。
コンセプトとしては、楽曲としても形態としても「邦楽的なフォーマットからいかに遠ざかりながら、ポップソングとしてアウトプットするか」という事です。
broken social sceneやThe Go!Teamのような、アルバムによって編成や音楽性の異なる自由な発想で打ち出してゆくのが理想です。
②対バンしたい欧米のバンド、ユニットを教えてください(いくつでも可)。
MGMT、fleeting joys、stereolab、The Rah Band、Animal Collective、looper、postal service、SPC-Eco (ノハラ)
東欧ではありますが、ウクライナのポストパンクバンドのMADEとか、ポストパンクにとどまらずシューゲイザーやエレクトロを取り入れてたりして、Cuicksと共通点もあり対バンが盛り上がるかなと思います。
ドイツのNiki Neunとか、シューゲイザー要素が強いのですがしっかり男らしい感じでかつグランジ派生な感じもしない、っていうのも珍しいと思うので、ぜひ対バンしてみたかったりします。
UKやUS以外とのバンドとの対バンは(ヨーロッパ・アメリカに限って言うと)あまり聞かないし、実現できたら新鮮な刺激を得られそうだと思っています。(ニシノ)
③野原さんは、数年前単独でロンドンへ行かれたと聞いています。
その際「ロンドンと日本の音楽シーンのギャップ」について、何か感じたことはありましたか。
日常に、自然と音楽が登場する場面が圧倒的に多いという点です。
地下鉄構内の通路を歩いていて驚いたのが、"このエリアはパフォーマンスの場所です by ロンドン市長"と床面に染め抜かれた箇所があったのは印象的でした。
僕らの国では公共の場で音楽などの表現活動をした場合、迷惑行為に該当するか、もしくは予め禁止表示があって出来ないようになっている場所が多いと感じます。
表現活動を「やるのが普通」と捉えるのと「生活必需品ではない娯楽」と捉える違いを感じました。
日本でもそういった壁が無くなってくると良いなと思います。
日本の方が優れていると感じた点は、中古レコード・CDショップのクオリティです。ラインナップの豊富さ・衛生面・そしてなによりショップ側の中古品の扱い方が、日本の方が遥かに上だと感じました。日本のサービス業は世界トップクラスだと、改めて感じました。
photo by 湯ノ浦ユウ(https://twitter.com/yunourayuno?s=21)
④ 国内外の音楽シーンについて、これからどうなれば理想的だとお考えですか。
一つ目に考えるのは、アーティスト・DJ・音楽関係者など、音楽を発信する側の人間が、国外の音楽文化について積極的にインタビューやSNSなどでも言及し、広い視野を次世代にも伝えて欲しいという点です。
自分の場合、10代の頃に夢中で聴いていた日本のアーティストのインタビューから「日本以外の音楽もフラットに聴く」という感覚を得ました。
SUPERCARのインタビューでJesus and Mary Chainを、pre-schoolからはblurを、 POLYSICSからはDEVOやGANG OF FOURを、GOING UNDER GROUNDからはweezerの存在を知りました。
そういった事が、最近の国内フェスのメインステージ級のアーティストの口からはあまり語られないように感じます。
これだけ色んな情報が簡単に手に入る世の中なので、SNSアカウントをお持ちのアーティストさんには特に、自撮りや食べ物の写真だけでなく、文化的なレンジの広さで次の世代にも多様性を発信して頂きたいものです。
二つめは、音楽などの表現活動を良くも悪くも特別なものだと捉えるような意識的な壁がなくなる事です。
先ほどのロンドンの話にも繋がりますが、日本のサラリーマンが週末にゴルフやパチンコに興じるというのは昔からよくある話ですが、絵画や音楽制作をしてると言うと「変わった趣味だね」といった反応をされるといった話をよく聞きます。
なので、本業をやりつつもそういった活動を並行して行う事がスタンダードになれば、国全体としての文化的な底上げに繋がるのではないかとずっと考えてます。
「利益にならないから・これ一本では食っていけないから、辞める」ではなく「周りがどうこうではなく、純粋に突き詰めたいものがあるから、生業とは別のカテゴリと捉えながら続ける」スタンスって、これからの時代の表現活動に最も重要な原動力だと信じています。(ノハラ)
各種配信などで、国内外の音楽を聴くハードルが低くなっているのにも関わらず、私の好きなインストなどについて話せる友達がまだまだ少ないので、地域だけでなく「音楽のジャンル」などもボーダレスに聴かれるようになればいいなと思っています。(ニシノ)
⑤ 今後のCuicksの展望についてお聞かせください。
フリッパーズキター「ヘッド博士の世界塔」や、くるり「TEAM ROCK」のような、20年後・30年後に初めて聴いた人に
「これがそんなに昔のものだとは信じられない!」といったカルチャーショックを与えられるような、音楽的にディープなところからキャッチーにアウトプットしたような作品を、時間をかけて制作してゆきたいです。(ノハラ)
2021年1月から3月の3ヶ月間、シングルを1曲リリースし続けるという企画を行い、どれもキャラクターの違う楽曲制作にトライしましたが、一つのジャンルにとらわれず、自由に柔軟に遊び心を入れて今後もどんどん新しいキャラクターの楽曲を作りたいなと思いました。
自粛期間中でライブの予定が潰れたので、演奏に緊張感もたせた曲を作っていざライブするときに、見る方も我々もカタルシスを得られるようにする。というのも新しいチャレンジになるかなと考えたりします。(ニシノ)
photo by 湯ノ浦ユウ(https://twitter.com/yunourayuno?s=21)
【リリース情報】
2021年1月より、3ヶ月連続シングルリリース中
第1弾「indie pop fan club[guitar pop version]」
MV 【PV】Cuicks - indie pop fan club[guitar pop version] - YouTube
第2弾「Chinese Disko」
MV https://youtu.be/wZ8lvwS81ng
各サブスクリプションにて配信中
第3弾「midi glide」2021/3/31リリース
official site
https://twitter.com/cuicks_info?s=21