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CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の セルフRECはプロRECを越えられるか? 第73回

CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の

セルフRECはプロRECを越えられるか? 第73回


今回取り上げるマスターレコーダーはDENON DN-500Rです。

前回取り上げたDN-F650R同様ソリッドステイトレコーダーの区分に入り、音楽ホールをはじめ様々な商業施設などに導入されています。

レコーディングスタジオやMAスタジオなどでも通用するクオリティーを誇るDN-500R、残念ながら現在は生産完了品となってしまいました。

上位機種にあたるDN-700Rも生産完了となっていますが、シリーズ最上位機種のDN-900Rは現行品であり、Dante搭載ネットワークSD/USBレコーダーとして他社の追随を許さぬ人気を保っています。

DN-500Rは中古市場にて3万円台くらいで目にすることがあります。

DAWの内部バウンスで音質が変わってしまう、とお悩みの方には要チェックの逸品です。


【大学生バンドのセルフREC】

 

機材が出そろったので、いよいよコーラス録音に取り掛かる。

ポップガード KIKUTANI PO-7(新たに入手)

マイク SE Electronic SE2300にポップガードを装着したところ

 

まずモニターバランスを整えるため、1サビコーラスの入る4小節前から流し、モニターを調整しながら軽く歌ってみる。調整がうまくないのか主旋律につられがちになるので、ループレコーディングモードで何度か挑戦。

キューボックス CONISIS

ループレコーディングの中から出来の良かった6回目を採用し、ピッチ修正。

2サビも同じくループレコーディングを行い、出来の良い回を微調整する。

サビごとに歌詞が違うのでコピペは出来ず、1サビ、2サビ、ラスサビ全部を一通り歌うしかない。

ラスサビは運よく一発OKとなり、コーラス録り終了。

【アジカン風ギターロック】は、すべてのパートのRECを完了した。


【今月のちょいレア】OKUTSU DENKOU AIR CABLE UNIVERSE (AIR4-UV)

ピュアオーディオメーカーの重鎮 OKUTSU DENKOUが放つ、究極の電源ケーブル。

情報量と立体感、位相が三位一体となった良さが体感できる一級品。


【今月のMV】深刻なエラー「車窓の月」

フォーキーでポストロック、かつオルタナティブといった多様なファクターが凝縮されている、ファンタスティックな一曲。


【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】

STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。

全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。

スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。

 

当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。

エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!


Slingshot Million2 「広がれ!HAPPYPUNK!」

次世代型とオールドスクールがバランスよく混在した“HAPPY PUNK”バンドのフルアルバム。単なるメロコアでは片づけられない奥深い精神性が整理され、リスナーにストレートに飛び込んでいきそう。当スタジオでは全曲のRECを担当。


East Blue Village 「弐○○弐」

USAヒップホップの影響を多大に受けている2人組ユニット(はやポン、WEMOUN)によるシングル。年代を問わず、ヒップホップリスナーから支持されそうな作品だ。


THE ECHO DEK 「Tiny Little Girl」

リアルタイムでUSチャートに入っていそうな色合いを醸すネオHIPHOPチューン。TOWER RECORDSのYOUTUBEを使ったサブミッションメディア「TOWER DOORS」や、Spotify公式プレイリスト「Edge!」にも曲が選ばれ現在公開されている。


ZERo 「Halluconation Butterfly」

New Wave色、オルタナティブとスタンダードなポップスが絶妙な棲み分けを演出し、独自の世界観を構築している自信作。当スタジオではボーカルRECを担当。


marbh 「Hymn in nothing place」

グランジというジャンルの端から端まで研究しつくしている、ネオグランジバンドのデジタルシングル。サブポップ色と、現在進行形のグランジロックの融合系と呼べそう。

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