今回もライブ用ボーカルマイクのおすすめをご紹介します。
【AKG P5】
オーストリアの名門ブランドAKG社製のダイナミックマイク。
コンデンサーマイクにおいてドイツのNEUMANN(ノイマン)と双璧を成すAKGですが、このダイナミックマイクにおいても「耳に痛くないハイの抜け具合」と「タイトな太さ」が際立っています。守備範囲の広い秀逸なマイク。
【SENNHEISER E835】
ドイツのブランドSENNHEISER(ゼンハイザー)は中音域のリッチさがトレードマーク。ミドルランクに位置するこのE835は上位モデルのキャラクターに50%相似、残り50%で独自のキャラクターに仕上がっています。男性ボーカル、女性ボーカルどちらにもすんなり使えます。
【大学生バンドのセルフREC】
(前回の続き)バッキングギター低音域とベースの中音域のダブつきを解消していきましょう。
上図のバッキングギターの赤い部分(低音域)を思い切って削ります。
出来れば「パラメトリックEQ、4バンド以上」あるプラグインを使うといいでしょう。
ハードウエア、プラグインを問わずEQについて注意すべきは、シェルビングタイプ(ある周波数以上、または以下をごっそり増減させる)をいきなり使わずに、ピーキングタイプ(ピンポイントで上下できる)から使ってみることです。
【シェルビング】
【ピーキング】
ピーキングタイプのプラグインでQ(振り幅)を狭くして動かしていき、自分のイメージに近いところで一旦止めます。その後Qを細めに設定し、ダブつくポイントを大胆にカットします。
もしカットしすぎてギターの音が細くなってしまったら、少しずつカットした成分を戻しましょう。
自分のイメージに近いポイントが見つかったら、この作業は一旦OKです。
【今月のちょいレア】Antelope Audio 10MX(ルビシウムマスタークロック)
デジタル機器同士のピントを合わせ、音質のクオリティーを引き上げるワードクロックの最高峰といえる製品。前後左右の位相がビシッと揃うだけでなく、音像の奥行き感の明瞭感がリアルに増幅する。本来のサウンドスケープが手に取るように分かりやすくなる逸品。
【今月のMV】フトイーズ「地団駄フェスティバル」
ミドルエイジのサラリーマンの本質、悲哀を端的かつユニークに表現するバンドのMV。振り切ったエモーションが実に潔く、サラリーマン諸兄の共感を呼んでいる。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
NEIGHBOURHOOD 「 Good Behaviour 」
オルタナティブというジャンルを広い範囲で再解釈し、ニューウエーブ、サイケ、ネオアコ的エッセンスが至る所ににじみ出ている。この新作はあらゆる意味で彼らの最高傑作と言えよう。
maruiro 「 強くない人。 」
「心の角をまあるく染める」をキャッチフレーズに、リスナーに優しく寄り添うような世界観を築く3人組バンドのフルアルバム。磨きのかかったオリジナリティーに包まれた自信作となった。全国発売中。
菜の葉。「 存在理由 」
ギターロック、エモロック、パワーポップのいいとこ取りしたトリオバンドのシングル。Vo.サヤカの倍音豊かな声質をとりまくビビッドなロックサウンドが、彩りと力強さを着実に届けてくれる。
星野由美子 「 All The Way 」
ジャズボーカリスト、ピアニスト星野由美子5年ぶりのフルアルバム。ジャズスタンダードを中心とした楽曲のセレクトと、インテリジェンスなリハーモナイズ、リズムアレンジとのコントラストが素晴らしい。2020年9月全国発売。
marbh 「 Aptitude 」
グランジロックの中枢をえぐるようなパンチのあるサウンドが轟くデジタルシングル。作品を発表するたびに、シアトル系グランジとの距離感が「良い意味で」離れてきている点に、オリジナリティーを十二分に感じる。