2016年に04 Limited Sazabysが地元・愛知県で始めた主催フェス“YON FES”。メロコアシーンで経験を積んできた彼らが、“AIR JAM”や“京都大作戦”に憧れ、1つ上の世代の先輩たちから多くの影響と刺激を受け、バンド結成当初から抱いていた夢を実現し、自らの成長と共に育ててきた大切な場所。今年5年目の開催となる“YON FES 2020”は、もしかしたら同じ場所で開催できるのはこれが最後かもしれないという。開催を目前に控えた今月号では、04 Limited Sazabysの4人に、最前線を突っ走るバンドとして今のシーンをどのように見ているのか、“YON FES”に込めた想いや熱量、そして今年の“YON FES 2020”に対する意気込みを訊いた。
●まず昨年の“YON FES 2019”について振り返ってもらえますか?
KOUHEI:4年目でようやくやりたいことができたというか、納得いくものが作れたと思います。毎回やるたびに運営側の問題点もあり、それを改善しての繰り返しで、そっちに気持ちを取られてしまって。3年目までは自分たちのライブでかませたな、というライブができなかったんですよ。でも4年目の“YON FES 2019”は地に足のついた、しっかりしたライブを2日間ともできた達成感があったんです。ライブを締めなきゃいけないのは僕たちですからね。それを踏まえて、全体を通していいフェスになったなと。
GEN:KOUHEIも言ったように出演者というより、主催者という気持ちの方が大きくて。主催者をずっとやってて、最後に急に出演者になるような感覚なんですよ。いつも出演者としてステージに立つときにあまり余裕がなくて。その点、去年は4年目ということもあり、運営もスムーズだったし、いつもより安心してステージに上がれたんですよ。自信を持ってやれた気がしますね。
RYU-TA:主催者、出演者としての役割がありますが、それに加えて僕は出店者(ラーメン店『麺や おがた』)でもありましたからね。今、やりたいことは全部やれたので、清々しい気持ちになりましたね。あとはできなかったことをもっとよくしていきたいと思ってます。
HIROKAZ:去年の“YON FES”は4年間の中で一番楽しむことが出来ましたね。3年目までは追われるような感覚もあったから。スタッフにもまかせられるようになったし、助けられた部分もありますからね。
GEN:うん、いままでの中で一番楽しめたかもしれない。気候も良かったですし、安心してライブに臨めました。
●僕がバックヤードにいたときにGENくんは積極的に話しかけてくれて…それも余裕の表れだったのかなと。
GEN:いろんな人にめちゃくちゃ話しかけるから、声もガスガスになりますからね(笑)。
●“YON FES 2019”以降、昨年9月に出たシングル『SEED』は缶仕様で発表したり、“YON EXPO”を初開催したり、今はまさにゲストバンドを明かさない“MYSTERY TOUR”の真っ最中ですけど、04 Limited Sazabysはさらにやりたい放題に好きなことをやっている印象を受けるんですが。
GEN:やりたい放題にはやっているんですけど…例えばメジャーデビューする前、フェスに出始めた頃はCDをリリースしたり、イベントを打つときもある層に刺さなきゃという部分が強かったんですよ。今はそこまで考えてなくて、僕たちがこういうことをやっているから、その仲間になってくれたらいいなぐらいの感覚ですね。リリース、ツアーのやり方で僕たちのアティテュードが伝わればいいかなと。
●現段階でそれが伝わっている手応えはあります?
GEN:今回の“MYSTERY TOUR”もみんな面白がってくれてますからね。
KOUHEI:(誰がゲストなのか)すっごく聞かれますけどね。
GEN:頑に教えないですけどね(笑)。闇雲に新しいリスナーを獲得してないからこそ、ほんとに好きなことをやらせてもらってる感じですね。それが自然と広がればいいかなと。
●“MYSTERY TOUR”初日もゲストはクリープハイプが出演して、あのときの観客のリアクションも凄まじかったですよね。
GEN:凄かったですよね! “YON FES”もそうですけど、あれは主催者冥利に尽きる瞬間というか。僕らはロックバンドで、ライブをやることが一番だけど、企画を練って、それがハマッたときの喜びは裏方っぽい感覚なんですよ。それは僕らのスタッフ・チームを含めて、一緒に作ってるような感覚があるので。MCでも言ってるけど、裏方の人を裏方とも思ってないし、チームのみんなで作戦を練ったものがハマッたことが嬉しくて。もちろんメジャーなので売れなきゃいけないけど、ほかのバンドがマネしたくなるような刺激も与えたいですね。
●バンド主催の“YON FES”を最初にやりたいと思ったのはいつ頃になるんですか?
GEN:バンドをやり始めた頃から思ってました。自分たちの企画もやっていたし、当時はメロコアシーンど真ん中で活動していたんです、その頃はメロコア勢で固めないとお客さんが入らなかったんですよ。でも僕らは他ジャンルでやりたかったし、毎回いろんなシーンからバンドを呼んでいたけど、なかなかそれが集客には繋がらなくて。漠然と“AIR JAM”みたいなものができたらいいなと思ったけど、それは夢のまた夢という感覚でした。で、SECRET7LINEが川崎クラブチッタでやっているフェス“THICK FESTIVAL”に出たときにめちゃくちゃ楽しかったんですよ。仲間の集まるフェスはこういう雰囲気になるんだなって。その帰りの車の中で「無理してでもやろうよ!」と話しましたからね。“京都大作戦”もそうだけど、フェスに対する憧れはより強くなりました。coldrainが遂にバンド主催の“BLARE FEST. 2020”を開催したじゃないですか。
●今年の2/1と2/2に開催しましたね。
GEN:当時、HEY-SMITHが“HAZIKETEMAZARE FESTIVAL”、SiMが“DEAD POP FESTiVAL”を開催していたタイミングだったので、名古屋で先にやらなきゃという気持ちがあって。絶対coldrainもやるだろうし、それよりも先に俺らが名古屋でやらなきゃと思ったんです。自分たちもメジャーに行くか行かないかのレベルだったけど「フェスをやりたい!」とやたら周りに言ってましたね。
●coldrainよりも先にやりたかった理由は?
GEN:名古屋の先輩だし、coldrainに先にやられたら、俺らの影は薄くなるだろうから(笑)。僕らも今は上京してますけどまだそのときは名古屋にいて、coldrainは早々と上京していたから、尖った気持ちもありましたからね。coldrainは大好きだけど、俺らが名古屋を背負ってるという、負けん気を発揮してました。
●話が戻りますけど、フェスをやりたいと思った気持ちの根源は“AIR JAM”がきっかけなんですよね?
GEN:僕は完全にそうですね。“AIR JAM”と“京都大作戦”ですね。
●“AIR JAM”は映像で観て?
GEN:そうです。“AIR JAM 2000”をVHSで観て、シビれましたね。バンドが横の繋がりだけで、あの規模のことをやっているから。それがすごくかっこ良かったんですよ。しかも普段はライブハウスでやっている仲間たちとこんなに大きなことをやれるんだって。だから、自分もバンドを始めた頃からいつかやれたらいいなあと妄想してました。
●その夢はバンド内でも共有していたんですか?
RYU-TA:俺も同じ“AIR JAM 2000”のVHSを観て、いつかはやれたらいいなあとは漠然と思ってました。
KOUHEI:僕は想像したことはなかったですね。YouTubeで(“AIR JAM”を)断片的に観たことはありますけど…テレビの中の出来事ぐらいに捉えてました。GENが「フェスをやりたい」と言い出したときは“何を言ってるんだろう?”って。初めてZepp Tokyoに立ったときに“YON FES”を発表したんですけど、その頃に応募が想像を超えてたくさん来ていたら安心していたけど、フェスとなると何万人という規模じゃないですか。だからはじめは“大丈夫かな?”という気持ちはありましたね。“YON FES”の1回目は出てくれたバンドに力を貸してもらえたし、今は“YON FES”をやると告知しただけで売り切れるレベルですからね。ここまで成長するなんて、想像してなかったです。だから、感謝の気持ちがでかいです。
●HIROKAZくんはどうですか?
HIROKAZ:僕もフェスはテレビの向こう側みたいな世界だと思っていました。でも“THICK FESTIVAL”に出て、仲良いバンドしかいない空間は楽しいなと思って、自分たちでフェスをやったらもっと楽しいだろうなと思うようになったんです。
●04 Limited Sazabysにとって“AIR JAM”がテレビの中の世界とするなら、“京都大作戦”は現在進行形で体感できたリアルなフェスだったわけで、より身近に感じることができたんじゃないですか?
GEN:はい。最初にフェスをやるときにもTAKUMAさん(10-FEET)に相談しましたし、猪狩さん(HEY-SMITH)にも相談しました。
●例えばTAKUMAくんにはどんな相談を?
GEN:フェス主催する上での考え方ですかね。人が動いて、開催していること。その根本の部分に自覚的になるというか。主催者なので、大前提としてもてなしの気持ちが必要だし…出てくれるバンド、運営してくれるスタッフ、アルバイトの方たち、そこまで細かく配慮しないとアカンでって。その気持ちがないと、誰も付いてこない、というようなことを教えていただきました。
●主催者としての心構えを教えてもらえたと。
GEN:そうですね。自分たちだけがやってるわけじゃないんだよと。10-FEETはよく「みんなのおかげ」と言うんですけど、“YON FES”をやってみて、本当にその通りだなと思います。“京都大作戦”は毎年続けているし、僕もそこに呼ばれるようになりたいし、若手バンドのモチベーションにもなってますからね。“YON FES”もそうなるべきだろうと。あと、“京都大作戦”はみんな10-FEETに呼ばれているから、バンド側も気持ちが入ってるし、バックヤードの雰囲気も落ち着くというか。当時僕らが出たときは天上人みたいな人がたくさんいて、その人たちがクダけたテンションで会話してる。この空気感を作っている10-FEETは凄いなあと思いました。
●“京都大作戦”は、“AIR JAM”にあった仲間ノリの楽しさみたいな部分は継承してますからね。
GEN:バンドの横の繋がり、縦の繋がりが見えるのも面白いし。10-FEETが呼んだ若手は気になりますからね。すごく理想的なことをやっているなと思います。
RYU-TA:“京都大作戦”は10-FEETと同世代のバンドも多いじゃないですか。あの世代はいいなと思いました。横の繋がりも強いし、人柄も柔らかいですからね。なので、勉強になるし、そこに勝ちたいという気持ちももちろんありますね。
KOUHEI:“京都大作戦”はお客さんの期待値も高いし、それは10-FEETの力だと思うんですよ。あの3人は人間的な魅力もあるので、あの人たちにはなれないなと思いますね。尊敬しているからこそ、自分たちは何ができるかなって考えるようになりました。その答えはまだ出てないんですけど…何度か“京都大作戦”に出演して、持ち帰るものも多かったし、自分の実力のなさでまだ消化できないところもあるんですよ。初心に戻るじゃないけど、いろんな感情を与えてくれるフェスですね。
HIROKAZ:“京都大作戦”というブランドが確立しているし、俺らもそうなりたいなと。04 Limited Sazabysがやってる“YON FES”というより、“YON FES”という名前が先に出るようになりたくて。10-FEETのことを知らなくても街にいる人たちは“京都大作戦”のことを知ってると思うんです。そういう力を身に付けたいと思います。
GEN:うん、僕らも地元に根付くようなフェスにしたいよね。
●“YON FES”も徐々にそうなっているのでは?
GEN:そうなってる気はします。僕らもいろんなお店、行政の方、企業の方を巻き込んでやってますから。何かハプニングやクレームが起きたときも、主催者である僕が挨拶に行っていたら、「あの子たちがやっているフェスね」って、少しイライラも解消されると思うんですよ。去年感動したことがあって、リニモで会場まで行くんですけど、その車掌さんがアナウンスで「本日YON FESに参戦された皆様、お疲れ様でした。車内にタオル、ラババン、大切な思い出など忘れないよう、今1度ご確認ください。素敵な余韻に浸りながら、気をつけてお帰り下さい」みたいな粋なことを言ってくれていたらしいんです。その電車の中も“YON FES”がジャックしていたり、僕らが思っている以上にフェスのことを気にしてくれる人がいて、それはすごく嬉しかったですね。やってることは“京都大作戦”に近づいているのかなと。でもそれとはまた違う色にしなきゃいけないとも思っていて。去年、10-FEETにも初めて出演してもらったのも、出演者としてようやく迎えられる体制が整ったからということも大きくて。
●ちなみに“YON FES”は毎年やろうと決めてスタートしたんですか?
GEN:できたらいいなあという気持ちはありましたけど、初年度を成功させなければ続くはずもないので…どうなるんだろうと思いつつ、成功したから来年も続けようという感じでしたね。
●これまで大きなハプニングはなく?
GEN:開催が危ぶまれるほどのハプニングはないですね。ただ、去年は直前に松原さんが亡くなって、前日も神戸に行っていたので気持ちの整理が難しかった部分はありました。どんな気持ちでステージに立てばいいのかなって。でも暗い雰囲気にしたいわけではないし、それを松原さんも望でいるわけではないと思うから。
●2日目の打ち上げのときにGENくんの「松原さんのおかげで2日間、晴れた」という発言を聞いて、僕は号泣してしまい…。
GEN:ワンワン泣いてましたもんね(笑)。でもほんとにそう思ってます。晴れ方もすごかったから。亡くなった後も、僕らのことを気にしてくれていたのかなと。
●SiM、HEY-SMITH、coldrainの“TRIPLE AXE”世代に関してはどういう風に見ているんですか?
GEN:そうですね、その3バンドは人気が出る前から知ってるわけですよ。みんな最初からかっこ良かったけど、駆け上がってる様も見ているし、お互いにバチバチで相乗効果で上がっている感じは刺激を受けましたからね。ひとつ下の世代として、ああいう人たちに負けたくないという気持ちはあります。だから、“YON FES”をやるときも同世代を中心にやりたいと思ったんです。そこに先輩枠があり、僕らならではの組み合わせ…メロコア勢もいればギターロック系もいて、交わらないようなところを橋渡ししたい気持ちもありました。
●その考え方は、“AIR JAM”や“京都大作戦”とは少し色合いが異なると思うんですが。
GEN:そうですね。“AIR JAM”はアンダーグラウンドの臭いがするかっこいいイベントだし、“京都大作戦”はメロコアを中心に10-FEETと繋がりのあるいろんなバンドが出ているし…僕らはパンクだけど、サブカル的な要素も持っていると思うので。会場の雰囲気を含めて、激しいだけじゃなく、オシャレ感も出したくて。
●04 Limited Sazabysの音楽性そのものがひとつのジャンルに収まるものではないし、そこも大きいんですかね?
GEN:僕らはメロコア・シーンから出つつ、どこにも属さず、いろんなシーンと絶妙にやれてきたバンドだと思うんです。ラウド、歌モノ、ギターロック系と一緒にやってきたから。メロコアの人たちはギターロックを敬遠するところもあるし、ギターロックの人たちは“メロコアは俺たちのことをナメてるだろう”みたいな感じもあって。でも全員バンドマンだし、話せば仲良くなれるし、僕らもそういう経験をしてきたから。僕らならではのブッキングにしなきゃいけないなと。
●壁を作らずに、いろんな人たちと交流しようと。
GEN:“YON FES”で知り合ったことがきっかけとなって、go!go!vanillasのツアーにENTHが出たりとか、交わらないところが交わると僕も嬉しいですからね。
●シーンの流れ的にもジャンルの概念を取っ払うような対バンやイベントが増えてきましたよね。
GEN:昔はジャンルが縦に分かれていたし、壁があったけど、今はバンドマン自体が減ってきているような気もしていて。時代的にもアイドルがチャートを占めるようなり…みんなでディスり合うよりも、手を取り合った方がいいじゃん、という気持ちが強くなったと思うんです。あと、僕らはバンド主催のフェスの方が気持ちが入るし、自分たちのフェスもそうあって欲しいなと。お互いに会心の一撃を出し合って、みんなでプレッシャーを与え合うのが理想のフェスだと思うから。
KOUHEI:こないだの“BLARE FEST.”もそうだったもんね。
GEN:そうだね。coldrainの背負い具合だったり、それを撥ね除けた感じもしたから。本人たちはめちゃくちゃ緊張してましたからね。
●“BLARE FEST.”の2日間はみんな気合いの入ったライブをやってましたからね。
GEN:Pay money To my Painに出るゲストヴォーカルの人たちも「緊張してやりたくねえ!」とか言ってましたからね(笑)。百戦錬磨の人たちがそんなに緊張感を持つこともなかなかないだろうし、バンドマンはそういうときが一番発揮できると思うんですよ。
●KOUHEIくんは“TRIPLE AXE”世代に対してどう見ているんですか?
KOUHEI:同じ力を持つ3バンドが集まって、シーンに風穴を空けに行ってる感じがするんですよ。正直、あの3バンドは斜め上のことをやってくれたり、騒がしてるなと。去年だったら3バンドで束になって色んなフェスに出演したじゃないですか。あの3バンドが揃うと、そのときにしかできないライブをやってくれますからね。そうやって切磋琢磨できる同世代のバンドがいるのは羨ましいです。だから、僕らも同世代のBLUE ENCOUNT、THE ORAL CIGARETTESと一緒にイベントをやりましたけど、それもあの人たちに刺激を受けたからという部分もあって。ずっと先輩でいてくれてるなって。“京都大作戦”、“DEAD POP FESTiVAL”、“HAZIKETEMAZARE FESTIVAL”、“BLARE FEST.”とか、バンド主催のフェスをやってる人たちは、まだ人気がなかったときの気持ちをずっと忘れずに第一線で戦ってますから、そこもかっこいいですよね。
GEN:出演しているバンドも、それぞれがなぜ今回出演しているのか、意味を感じますからね。
●RYU-TAくん、HIROKAZくんはどうですか?
RYU-TA:気になることをやっている3バンドだし、絶対に目を背けさせないことをやってますからね。そういう先輩がいるからこそ、俺らも熱くなれる。「よし頑張ろう!」という気持ちになりますね。
HIROKAZ:僕の勝手な想像ですけど、あの3バンドはあまり利益を考えてないように感じるんです(笑)。大人の遊びというか、派手な遊びをするのが“TRIPLE AXE”のイメージなんですよね。
KOUHEI:海賊みたいだよね! 漫画の『ONE PIECE』みたいな(笑)。
●ははははは、確かに!
HIROKAZ:ワルさが出た3バンドが揃ってるし、魅せ方もかっこいいなと。いろいろ考えてやっているなと思います。
●今年5回目の“YON FES 2020”を迎えますが、どんな気持ちで臨もうと思ってます?
GEN:ジブリパークのこともあり、ひょっとしたらあの場所での開催は今年が最後になる可能性もあるんですよ。
●え、どういうことですか?
GEN:会場的に来年やれるメドが立ってないんですよ。今はジブリパークの工事の真っ最中だし、完成したら完成したで、音の問題もあったりして、いままで使っていた導線も使えなくなる可能性がある。だから来年以降がまだ見えないんです。
KOUHEI:今年も工事を遅らせてもらって、導線を確保させてもらったんですよ。
●そうだったんですか。
GEN:どうしようと思っていたけど、今年は何とか開催できることになったんです。行政がやっていることなので、この会場でやる“YON FES”は最後になる可能性がある…だから今回の出演者はそばにいて欲しい人たちに声をかけたんです。でも友達ばかりを呼んでもちょっと違うと思うし、更に今年は2月に“BLARE FEST.”が名古屋であったので、そのメンツと被り過ぎても違うなと思ったので、色々と方向転換した部分もあります。今年はそのバランスを考えた感じですね。
●今年は“BLARE FEST.”からもらった刺激も大きいんじゃないですか?
GEN:そうですね。あっちは1年目だから「おめでとう!」の空気もあったし、本人たちも超気合いが入ってたし、「伝説の夜を作ろう!」という雰囲気を魅せつけられましたからね。僕らは今年5回目ということもあり、また違った空気になると思うんです。
●04 Limited Sazabysと繋がりの強いバンドが並んで、より濃密な空気ができそうですね。今年、新しい試みみたいなものはあるんですか?
GEN:いやあ、どうだろう。去年完成した手応えがあったから、会場の作り方でいくつか改善したところはあるけど、それ以外に特別に新しい試みはないかもしれないです。今年は「集大成」というと簡単な言葉かもしれないけど、みんなの心に一生残る日にしたいです。それと、“来年以降この場所でできないかもしれないとか意味わからないでしょ!”ってみんなにも思って欲しくて。行政も逆らえないくらいの民意を掴みたいです(笑)。デモが起きるくらいの影響力を与えたい。
KOUHEI:毎年、完成したものを目指してはいるけどどこか先が見えるようなスタンスでやってきているので、今年もちょっと最終回っぽいけど、“また何かあるんでしょ?”と思ってくれたらいいかな。会場の問題はバンドの力だけではどうにもならないから、“YON FES”の第1セクションのターンみたいな気持ちで臨もうと思ってます。
RYU-TA:ジブリパークが味方に付いてくれたらいいんですけどね。
GEN:一緒にやれたらいいね。
KOUHEI:僕らジブリも大好きですからね(笑)。
RYU-TA:今年の“YON FES”は“また続けて欲しい”と思われるフェスにしたいし、忘れさせないし、次があると思わせたいですからね。
HIROKAZ:あと、今年は1日目から事件が起きそうな気がしているんです。久々にCrossfaithが出ますからね。
GEN:…確かに1日目の打ち上げはヒドそうだなぁ(笑)。
●そっちの話ですか(笑)。
GEN:バックヤードを含めて、見張っておかないといけないですね。
KOUHEI:混ぜたら危険な人たちがたくさんいる(笑)。
HIROKAZ:1日目は結構楽しみですね。
GEN:うん、新しさもあるし、それに比べると2日目は落ち着くなあ(笑)。バンドのスケジュールの都合もあるけど、1日目と2日目の色分けも考えたから。
●最後になりますが、“YON FES”を立ち上げる以前と以後ではバンドのメンタル面に変化はありますか?
GEN:最初はやること自体が目的だったけど、それ以降は誰かの手助けをできる可能性も出てきたというか。例えば初年度にSUPER BEAVER、sumikaが出て、両バンドが「愛知の動員が増えた」と言ってくれたんですよ。Survive Said The Prophetにも同じことを言われたんです。あとは若手から「“YON FES”に出たい」という声もたくさんもらうようになって。僕らはいつの間にか後輩から頼られるような存在になってきて、自分たちも先輩になってきたんだな、という責任も感じるようになりました。
●なるほど。
GEN:それと、僕は名古屋がホームだと思っているし、ここを守らなきゃいけないという気持ちが強くなりましたね。ライブで何万人の前で喋ることもあるけど、“YON FES”でMCをするときは緊張感が全然違うんです。それは責任感の重さだと思うんですけど、“YON FES”のライブ前は不安になるんですよね。
●なぜ不安になるんですか?
GEN:みんながいいライブをしてくれるから、主催者としては嬉しい反面、出演者としてはそれを超えなきゃという気持ちが強くなるので。締めなきゃいけないというか、器を試されている気がするんですよ。そういう気持ちの部分が変わったと思います。
●今年の“YON FES”も楽しみですね。
GEN:そうですね。今年はいいライブができると思います。「人生最後の日みたいな気持ちで臨む」みたいな言い方もありますけど、今回は本当にそういう気持ちでステージに立てるかな。だから5回目の“YON FES”というよりも、11年分の04 Limited Sazabysを出せたらいいなと思います。
Interview:荒金良介
Live Photo:ヤマダマサヒロ、ヤオタケシ、浜野カズシ、日吉"JP"純平
“YON FES 2020”
2020/4/4(土)、4/5(日)愛知県 モリコロパーク(愛・地球博記念公園)
4/4(土)
04 Limited Sazabys / BLUE ENCOUNT / Crossfaith / KEYTALK / MAN WITH A MISSION / OKAMOTO'S / Suspended 4th / tricot / キュウソネコカミ / 佐藤千亜妃 / 四星球
4/5(日)
04 Limited Sazabys / go!go!vanillas / My Hair is Bad / NAMBA69 / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / SUPER BEAVER / THE ORAL CIGARETTES / TOTALFAT / Track’s / 東京スカパラダイスオーケストラ / ハルカミライ
04 Limited Sazabys
https://www.04limitedsazabys.com/
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