音楽メディア・フリーマガジン

沖縄ファイル Vol.17

【レポ1】『ライブギノワン2012』

この季節が来ると、同じ話からスタートするので聞き飽きた人もいるかもしれないが、「ライブギノワン」が始まって18年目。その初回にはカッコイイ先輩バンド勢揃いで感動して、その後は企画委員と審査員、司会として関わらせてもらって16年目。審査でいろんな音楽に出会えるのが毎年楽しみ。宜野湾市最大の「はごろも祭り」と同時開催で、数々の大物もライブした屋外劇場の大ステージで、こんな素晴らしい音楽表現の場を作ってくれる事にも感謝、宜野湾市民としても誇りに思っている。それが今年は特にテープ審査の時から例年よりもワクワクさせてもらった。毎年、応募されて来る音源の中でもヒイキ目抜きにして、やはり日頃からライブが良いバンドが勝ち残って行くのだが、今回の特徴は、見た事ないバンドの中からも、楽曲の説得力やライブ感などが音源から滲み出ていて「見たい!」と思ったり、トリを飾れるバンドも複数組いた事は、長年関わる者として嬉しかった。まず地元真志喜中の女子バン「voice」が元気&カワイイ&堂々とした演奏で幕を開け、身近な兄ちゃん的雰囲気が馴染みやすい「キャッツパークラリアットボーイズ」、演奏はまだ青臭いがそれも楽曲のスパイスとなる「The Sheep」、久々に骨太なメロコア3P「THE INFINITY STAR-WORLD」、さわやかなポップロック「LiM」、AUのCMにも起用された歌のうまい男子2人組「GOLD RUSH」など初登場組も暑い時間帯の日射しに負けない熱いライブだった。バンド歴の長いボーカルのソロバンド「メカルジン」「ヨシムラタカシ」は存分に彼らの歌詞&メロディの良さを表現。過去にも出演した「NAUTILUS」「AUDIENCE」は楽曲も演奏も安定感。そして初登場にしてトリ前は女性ドラム&ギター含む3P、「空観日和」、こちらも噂には聞いていたが、儚さ脆さと強さの絶妙バランス! そして大トリは双子を中心に息の合った4人組「Nuchi」、10代の子達のエイサーも加わり、最後は花火とのコラボで幕を閉じた! そりゃー打ち上げも盛り上がりましたとさ! このメンツでまたイベントやりたいと思いました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※KEN子のpodcast番組で全バンド入りのオムニバスをプレゼント!※
http://podcast.uruma.jp/program/11/

 

【レポ2】『1000年の歴史、祝島の神舞』

ついに行ってきました! 瀬戸内海に浮かぶ神の島「祝島」(いわいしま)で4年に一度、1200年続く祭り、「神舞」(かんまい)! 沖縄のハーリー船にも似た「櫂伝馬」(かいでんま)、口承で受け継がれてきた歌に合わせて皆で漕ぐ。歌が船を導く。島の男子達がその舳先で伝統的な舞を踊る。島の産物で作る「仮神殿」に大分からの神様を招いて5日間、奉納の舞が続く。
2009年に出会ってからまだ何度目かの訪問だけど、2010年には公民館で歌わせてもらったり、ひじき収穫のお手伝いをしたり、濃密なお付き合いをさせてもらって来た。この島からたった4kmの対岸に「上関原発」予定地。それに対して30年近く補償金も受け取らず反対を続けて来た島の人達。原発問題がなければ、漁業と農業で豊かで穏やかな島の人達が抗議の為に船を出し、辺野古と同じようにカヤック隊が非暴力で抵抗していた事で、基地問題と原発問題の根っこが同じだと気付かせてくれた。
島の高台に登ればビワ畑と、平さんのじいちゃんが一代で築き上げた棚田。豊かさとは? 子孫への愛情とは? そしてこの島の魅力を知ってほしくて、沖縄の話と併せて全国で神舞の映像を上映してきた。その映像でしか見た事なかった神舞を、生で見れたばかりか、映像では知ってる人がいなかったのに、今年はほとんどの人の名前が分かる間柄なのがとても嬉しい!
沖縄にも様々な魅力たっぷりの伝統芸能や祭りがあるけど、県民こそ近すぎてなかなか足を運ばないのもモッタイナイ。祭りには必ず音楽がある。今後もっと、そういう視点での沖縄の祭りレポも書きたいなと思ったのでした!

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