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京都大作戦2019参戦後記(2週目)

京都大作戦2019参戦後記(2週目)

京都大作戦2019〜倍返しです! 喰らいな祭〜
2019/6/29(土)、6/30(日)、7/6(土)、7/7(日)
京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

 
 

 
 
 
 
1週目の参戦後記はこちら
 
 
 
 

2019/7/06(土)

 曇空の下、ほんの少しぱらついた雨も止み、MOBSTYLES田原氏の開幕宣言でスタート。2週目となる“京都大作戦2019”が始まった。
 
 
 
 

 「おはようございます! 3年ぶりのキュウソネコカミです!」とVo./G.ヤマサキセイヤが大きな声で挨拶してライブスタート。「MEGA SHAKE IT!」で早朝から詰めかけた観客の意識をシャッキリと覚醒させ、爆裂的な盛り上がりを作り出す。「3年のうちに完全にヤバイTシャツ屋さんにポジションを奪われた。だけど俺たちはこれからも“京都大作戦”に出たい!」と叫んで笑いを誘いつつ、気持ちを込めた音でオーディエンスの心に着火していく。客席で大きなサークルが起こった「ビビった」、「バンドもフェスも一生続きますように!」と熱い想いを爆発させた「The band」と、まだ午前中にも関わらず数えきれないダイバーを生み出し、「俺、“京都大作戦”でめちゃくちゃやって帰りたいから、他のバンドがやらなさそうなことをやって帰ります!」と“俺の街! 住みやすい!”というキャッチーな歌詞と勢いのあるサウンドが印象的な新曲を初披露。めちゃくちゃ気合いが入っているトップバッターの狂宴、最高の幕開けだ。
 
 
 
 

 Vo. Monteroが牛若ノ舞台の客席に身を乗り出し、全身全霊から繰り出すスカパンクにオーディエンスが熱狂したFive State Drive。源氏ノ舞台に登場したGLIM SPANKYはG.亀本の胸を焦がすようなギターと、Vo./G.松尾の唯一無二の歌声で魅了する。「怒りをくれよ」では疾走感のあるメロディに合わせ、腕を振り上げて多くのオーディエンスが一緒に歌う。緑が濃い大自然に包まれた太陽が丘に馴染みまくるロックサウンド、爆音を浴びる快感を全身で堪能する。
 
 
 
 

 力を帯びたエネルギッシュな日本語の歌、そしてツボを突きまくるアレンジに大興奮したKOTORI。タイトかつパワフルなステージでオーディエンスが感情を爆発させたBUZZ THE BEARS。同バンドのVo./Ba.越智が「BUZZ(THE BEARS)に任せといたら大丈夫やから」とTAKUMAにショートメールで言われたエピソードを話し、「俺らに任せといたら大丈夫!」と頼もしいステージで更にオーディエンスを沸かせる。
 
 

 SPARK!!SOUND!!SHOW!!は低く重い音でガンガンに観客を揺さぶり、THE FOREVER YOUNGはとてつもない熱量を帯びたパフォーマンスと音でこの日は涼しい風が吹き抜ける太陽が丘だったが、温度を一気に上げる。ライブハウス・牛若ノ舞台も負けていない。出演者全員が普段の120%で突き進む圧倒的な瞬間の連続だ。
 
 
 
 

 Vo./G. JESSEが両腕を大きく広げ、ゆっくりと客席を眺めまわす。「一緒に遊ぼうぜ京都!!」と巨大な“BONEZコール”に包まれてThe BONEZのライブがスタート。「今日はお前らの日だからな!」と「Adam & Eve」でいきなりJESSEが客席最前の柵上に立ってバンバン客を引っ張っていく。
 
 
 「去年開催されなかったからこそ、今年倍楽しいし、逆に雨が降っても問題ないヤツしか集まってない。雨が降ろうが、槍が降ろうが、最後までロックであり続ける…関東代表The BONEZ、よろしくお願いします」と名乗りを上げ、更に勢いを増していく。エグいテンションのオーディエンスの声が全方向から響き渡った「Thread & Needle」を経て、最後は「SUNTOWN」。今年のThe BONEZも最高にロックだった。
 
 
 
 

 「ええねん」の曲中にVo./G.トータス松本が「“京都大作戦”ありがとう!」と叫んだウルフルズ。まさかウルフルズを“京都大作戦”で観ることができるとは思わなかっただけに、出演が発表されてから心待ちにしていたこの瞬間。3人が繰り出すファンキーかつロックなサウンドに酔いしれつつ、10-FEETの3人も参加した「バンザイ 〜好きでよかった〜」、そして締めの「ガッツだぜ!!」ではまるで自分がヴォーカルと言わんばかりの大きな声で2万人が大合唱。
 
 
 
 


 過去の“京都大作戦”でカバー経験のある「under the umber shine」でDragon Ashがライブを始めたときには思わず歓喜の声をあげてしまったが、まさか2曲目も「2%」という10-FEETカバー。2週連続皆勤出演、Dragon Ashの“京都大作戦”への想いがビッシビシと伝わる愛のあるステージに胸を熱くする。「The Live」ではBa. KenKenがスラップの後に空を指さして「晴れたねー!」と叫び、「百合の咲く場所で」ではKjが「ケガすんじゃねーぞ。ロックフェスはお前らのものだからな」と客席に向かって叫ぶ。そう、きっと“京都大作戦”は参加する全員が「ロックフェスはお前らのもの」と思っていて、更に言うと「ロックフェスはここに集まった全員のもの」と思っている。その1人1人の気持ちで成り立っている。つくづく、不思議な空間だ。
 
 
 10-FEETメンバーだけではなく他の出演者たちも乱入した「Fantasista」で盛り上げ、最後は「Lily」で締め括ったと思いきや、まだ時間があったのか四星球の「時間がないときのRIVER(10-FEETのカバー)」をカバー。そこでなんとSiMのMAHが「先週の借りを返しに来たぜ!」とステージに登場し、Kjを客席へ投入してTAKUMAが乱入した「RIVER」で終演。倍返しまみれの“京都大作戦2019”、いったいどれだけ楽しませれば(そして驚かせれば)、バンドマンたちの気が済むのだろうか。
 
 
 
 

 Vo.渋谷が客席を睨めまわすようにして登場したSUPER BEAVER。イントロが鳴った瞬間に歓喜の声が上がった「27」でライブスタートし、「始めようぜ、ライブハウスからやってきました、俺たちがSUPER BEAVERです」と渋谷が口上を述べる。渋谷は更に「“京都大作戦”、このステージでは1秒たりとも気を抜かない」とヒリヒリとした緊張感をまとって「閃光」。そしてここで彼らは、我々の心に残る言葉を述べた。
 
 
 「このステージに立ってみて、1つだけやりたいことを見つけました。本日、MAN WITH A MISSION先輩を挟んであの3人にバトンが渡るんですよね? …俺たち、直接渡したいんです。やりてえんならしっかり続けないと叶わないってこと、このステージで見せてやる」
 
 
 まるで自らを鼓舞するように、そしてバンドの未来を宣言するかのように。1週目の四星球のMCもそうだが、有言実行の覚悟を決めたバンドマンの言葉は、深く深く突き刺さる。やっぱりバンドって最高だ。
 
 

 SUPER BEAVERが最後の「ありがとう」で源氏ノ舞台を揺らした直後、牛若ノ舞台で割れんばかりの大歓声に包まれていたのはEGG BRAIN。Vo./G.ジョーイが「“京都大作戦”ただいまー!」と喜びを爆発させ、「CROSS THE SKY」から「SEVENTEEN」まで、客席がくちゃくちゃになるほど暴れまくる。
 
 
 
 

 “京都大作戦”に出演するときのMAN WITH A MISSIONは、毎回大掛かりな仕込みを要する登場で我々の度肝を抜くが、今回はキュウソネコカミのヤマサキセイヤ、Dragon AshのKj、10-FEETのBa./Vo. NAOKI、The BONEZのDr. Zax、Xmas EileenのNO NAME(DJ)がオオカミの衣装で登場。Kj(扮するG./Vo.RAP. Jean-Ken Johnny)が「今マデ嘘ツイテゴメンナサイ」と謝ったところで本物のオオカミたちが登場してニセモノを追い出すという寸劇を経て、「FLY AGAIN 2019」でライブ開始。とにかく楽曲の破壊力が尋常ではなく、源氏ノ舞台は前から後方丘の上までびっしりと埋め尽くすオーディエンスが大盛り上がり。お父さんに肩車してもらっている小さな女の子も両腕を振り上げてノリノリ。楽しいことがどれだけ素晴らしいことか、その光景を見て改めて痛感する。
 
 
 Jean-Ken Johnnyが「今日モスゲー景色アリガトウゴザイマス!」と叫び、「マダマダ足リネーナ京都!」と散々暴れまくり&踊りまくっているオーディエンスのキッズ魂に更にガソリンを投入し、最後の「Emotions」で無数のダイバーが舞って終演。10-FEETへと最高のバトンを繋いでいった。
 
 
 
 

 「優勝しに来たぞ!」とVo./Ba.アカマが叫んで牛若ノ舞台に登場したHOTSQUALL。1日目のG-FREAK FACTORY、2日目のTHE冠、そして3日目のHOTSQUALL。10-FEETが牛若ノ舞台のトリを任せた面々は、どれも歴戦の猛者ばかり。数えきれないほどのダイバーが殺到したHOTSQUALLのライブは、「Laugh at life」で無数の笑顔を作り出して終了。ステージの3人も、客席を埋め尽くすオーディエンスも汗まみれ。源氏ノ舞台のトリを飾る10-FEETへと想いを託す。
 
 
 
 

 丘の上まで隙間なくタオルが埋め尽くす。TAKUMAが「ケガする寸前までいくぞ! でもケガすんなよ!」と気合いをつけ、ギターを掻き鳴らして「ヒトリセカイ」。泣きながら歌いながらダイブし、泣きながら歌いながら笑顔で走って客席エリアに戻る女性客。同曲は特に女性に突き刺さるのか、3人連続で女性ダイバーが客席エリアの横で観ていた筆者の目の前を走りすぎていく。
 
 

 TAKUMAが「友達1人2人呼んでいいかな? いや、友達を1匹2匹呼んでいいかな?」と言えば大歓声、「super stomper」でMAN WITH A MISSIONのJean-Ken JohnnyとVo. Tokyo Tanakaが飛び入り。みんなでジャンプし、牙をむいて噛み付くほど盛り上がった後、「1 size FITS ALL」を経て“京都大作戦2019”3度目となる新曲「ハローフィクサー」。軽やかなイントロからヘヴィになるダイナミックな展開に、観客も3回目で楽曲が身体に入っているのだろう、一緒に歌ったりコールしつつ、拳を振り上げる。
 
 
 TAKUMAが「今日はドキドキするくらい、膝がガクガクするくらいいきたいと思います」と言ってKjが参加した「RIVER」へ。ここでKjが「金払って汗まみれになってるロックキッズの灯だけで1曲やりましょう」と言い、大サビでは演奏も止めて大合唱。夜空に響き渡る2万人の歌声…そのときは会場を包み込むライブの雰囲気に没頭していたが、よく考えると奇跡のような出来事だ。
 
 

 そしてアンコールではNAOKIがギター、TAKUMAがベースを手に「2%」というスペシャルな展開に大興奮し、1日中はしゃぎまわって蓄積しているはずの疲れを吹き飛ばすダイバーの嵐。そして最後は「今日あいつら来とったな」と「その向こうへ」。ヘルメットをかぶったROTTENGRAFFTYのNOBUYAとN∀OKIが登場し(※後から聞いたら終演後の撤収の準備をしていた裏方に扮していたとのこと)、「その向こうへ」で終演。3日目を無事終えた“京都大作戦2019”、その向こうにはどんな景色が待っているのだろうか。
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2019/07/07(日)

 ついに晴れた。青空の下で開幕宣言された“京都大作戦2019”最終日。クラップの海の中で登場したサンボマスターは、Vo./G.山口が勝手に梅雨明け宣言してオーディエンスの気持ちをあげにあげて「世界をかえさせておくれよ」を大合唱するという最高の幕開け。矢継ぎ早に「おめぇらやる気あんのか?」「最終日だぞ」「サボってんじゃねーぞ」と全然サボってないオーディエンスの熱を一気に最高値にまで引き上げる。
 
 
 全員優勝コールからダイバーが溢れかえるというミラクルな光景を作り出した「ミラクルをキミとおこしたいんです」、「甦った“京都大作戦”に捧げるぞ、10-FEETに捧げるぞ、おめーらに捧げるぞ、新しい道を選んだモンゴル800の儀間崇くんに捧げるぞ、令和に間に合わなった松原くん(パインフィールズ/610inc.元代表)に捧げるぞ」という言葉で胸を熱くした「ロックンロール イズ ノットデッド」。そして山口が「おい10-FEET、おめぇらまだ気づかねーのか。サンボマスターはおめぇら1人1人のこと、出てくれてるバンド、スタッフ、セキュリティ…初めて会ったときから…とっても輝いて見えているんです」と言って「輝きだして走ってく」で終演。1秒たりとも胸が熱くならない瞬間がない、沸騰しっぱなしのライブ。今まで何度も思ったことだが、サンボマスターはやっぱり化物だった。
 
 
 
 

 ライブハウスを背負って来たというその覚悟と重みをヒシヒシと感じさせるステージで魅了したKUZIRA、硬派なロック魂をそのステージで思う存分炸裂させたWOMCADOLE、レゲエサウンドに乗せた超絶高速早口というパフォーマンスで一瞬にしてオーディエンスを虜にしたJ-REXXX。ジャンルは違えど“ライブ”で持てる力を存分に発揮して魅了する猛者たちが集った牛若ノ舞台、ヘトヘトになりながらダイブとモッシュを繰り返すキッズもライブハウスの猛者たちばかりだ。
 
 
 
 

 大歓声に包まれて源氏ノ舞台に登場した04 LIMITED SAZABYS。dustboxのロングTに身を包んだBa./Vo. GENは「考えるな、感じろ。自分自身に生まれ変われ!」と叫んで「Squall」、そして「馬鹿になる準備出来てますか?」と「Kitchen」「swim」と一聴しただけで暴れ出したくなるキラーチューン連発。客席はと目を向けると、オーディエンスの“最終日全力感”が桁外れ。音に乗り、身を乗り出し、感情をむき出しにして、笑顔で歌い、体力を一切残すもんかと暴れ狂う。
 
 
 「誰かの代わりにはなれないけれど、少しでもみんなの心に残るようなライブをしたい」とステージの4人は残る力を振り絞って突っ走り、そのライブを「Remember」でお祭り騒ぎにして締め括る。ダイバー、そしてサークルの数が尋常ではない。GENは「少しでも…」と言ったがまったく少しではなく、みんなの心の奥底にブスリと突き刺さる激しく楽しいステージで魅了した。
 
 
 
 

 “京都大作戦”皆勤出演の雄、みんな大好きdustboxは、1曲目「Right Now」から気合いが凄まじかった。「Riot」の軽やかなメロディに乗ってクラップの海を泳ぐダイバーたちの気合いも凄まじく、ステージの3人が曲を重ねる毎にそのボルテージを上げていく。SUGAが「もう今日しかねえんだよ!」と叫んで「Here Comes A Miracle」、会場は大きなコール、モッシュ、サークル、ダイブが一切途切れない確変モードに突入し、10-FEETの3人も参加して「ヒトリセカイ」をカバーし、「最後の1分間に賭けます」と「Just One Minute」でトドメの一撃、爆発的な盛り上がりのままライブを終えた。
 
 
 
 

 昨日のウルフルズもそうだが、まさか太陽が丘でBEGINのライブを観れるとは思ってもみなかった。「俺ら“京都大作戦”に縁起を付けにきました」とVo./G.比嘉が言い、「海の声」「三線の花」とまさに“BIGEN節”で魅了する。ロックフェスのノリに照準を合わせようと思ったのか、MCで比嘉は「バカヤロー!」と連呼して沸かせ、そして3曲目にして最後の曲は「マルシャメドレー」。「365歩のマーチ」や「お嫁においで」そして自身の「島人ぬ宝」を極上のグルーヴにアレンジしたメドレーで心ゆくまで楽しませた。
 
 
 
 

 牛若ノ舞台でヒリヒリとしたオルタナティブなロックをスパークさせたAge Factory。土煙がもうもうと巻き上がるほどの巨大なサークルが沸き起こったCrystal Lake。まるで贅沢なご馳走のような極上のサウンドで最後の「MAKIN' MAGIC」までオーディエンスを楽しませ尽くしたLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS。
 
 
 
 

 「丘のいちばん後ろまで! 丘の向こうまで!!」とVo./G.椎木が叫び、勢いよく音を放って「アフターア
ワー」でライブを始めたMy Hair is Bad。「自分らしくやれるように、100%を出して帰ります。2015年、そのときの10-FEETは虹色に見えました。あれから4年経って、今日は俺らが虹色を見せに来ました!」と溢れんばかりの想いを叫ぶ。ライブで初めて演るという新曲「君が海」を披露し、「クリサンセマム」「元彼氏として」と続け、「クソ食らえだ!」とその場で生まれた様々な想いを言葉として吐き出してギターを掻き鳴らし、「フロムナウオン」「告白」で終了。椎木がライブ中に「圧倒的な高揚感とこんな緊張感のあるフェスは他にありません」と言ったように、圧倒的な高揚感とヒリヒリとした緊張感に包まれた、凄みを感じさせるステージだった。
 
 
 
 

 灼熱の太陽がジリジリと照りつける中、SiMが源氏ノ舞台に君臨する。「DiAMOND」から「WHO'S NEXT」とどんどんダイバーの数が増え、MAHの「予定通り7/7開催できていることのありがたみを噛み締めながら、最後まで思い切り楽しんでいきましょう」という言葉に大きな大きな歓声が沸き起こる。更にHEY-SMITHのG./Vo.猪狩が出演できなくなったことを受けて「どれだけ気合いを入れてこの日を待っていたか、俺がいちばんわかってます」と言い、しんみりするかと思いきや「猪狩、見守っててくれよ。来世では一緒にバンド組もうな」と笑わせて10-FEETの「RIVER」のレゲエバージョンカバーから「Blah Blah Blah」。隙間なく埋め尽くされた客席エリアはカオスと化し、「今年“倍返し”ということはまだ俺のターンだよね?」と昨日出演のKjを探したが帰ったとのことで、10-FEETのKOUICHIを客席に投入し、まさに悪魔のごとく暴れまくって「f.a.i.t.h」で締め括った。
 
 
 
 






 4日目のハイライトの1つは間違いなくここだっただろう。前述したように猪狩が肺気胸による入院で急遽出演できなくなったにも関わらず、HEY-SMITHは仲間の力を借りて堂々とステージに立った。coldrainのG. SUGIとG.Y.K.Cを従えて登場した彼らは、Ba./Vo. YUJIが「今日は猪狩さんが居ないけど最高の仲間のおかげでここに立てました。1曲目、猪狩さんのために歌ってくれ!」と「Don't Worry My Friend」が鳴った瞬間にもう涙腺崩壊。続く「True Yourself」ではMAHがヴォーカルとして参加し、「California」では出演していないにも関わらず4日間観に来ていたcoldrainのVo. Masatoが参加。
 
 
 更に04 Limited SazabysのGENとG./Cho. RYU-TAが入った贅沢な編成の「I’m In Dream」で会場を沸かせ、dustboxのSUGAがギターを努めた「Goodbye To Say Hello」、そして最後の「Come Back My Dog」ではSiMのG. SHOW-HATEがギターを手にして大団円でライブを終えてトリの10-FEETに繋ぐと見せかけ、TAKUMAとNAOKIがギターとベースを担って本日2回目の「Come Back My Dog」で会場の興奮は大爆発。ステージ上のMAHがスマホで病室の猪狩に繋ぎ、仲間たちの愛に包まれたHEY-SMITHの雄姿を見せた。
 
 
 
 

 牛若ノ舞台トリを飾るのは堺のおっさんことGOOD4NOTHING。4月に新体制になったばかりだというのに、そんなことを気にすることなく10-FEETは彼らに4日目牛若ノ舞台のトリを託したという。
 
 
 ステージに充満している彼らの気迫は客席にも伝わっていたようで、「It's My Paradise」「IN THIS LIFE」と生き様を音にしたかのような極上チューンに、青空の下でダイバー、大合唱、モッシュの雨あられが降り注ぐ。「Cause You're Alive」「One Day I Just」で心ゆくまで暴れさせた後、最後は軽快かつアッパーな「FOUND」で10-FEETにバトンを繋ぐ。
 
 
 
 

 いよいよ4日間の最後を締め括るバンド・10-FEET。3人がステージに現れ、NAOKIとKOUICHIとTAKUMAが手を合わせて声をかける。“どの曲で始まるのか?”と我々が息を呑む中、初っ端から2万人を狂喜させたのは「RIVER」。“流れゆく天の川”という歌詞に歓喜の声が沸き起こり、続く「goes on」では丘の上までびっしりと会場を埋め尽くしたオーディエンスが一斉にジャンプ。こんなにたくさんの人が同時に感情を限界まで爆発させ、汗だく泥まみれの笑顔が溢れている空間は、やっぱりここ太陽が丘でしか味わえない。
 
 

 “京都大作戦2019”4回目となる「ハローフィクサー」では観客はノリノリで、掛け声を上げ、モッシュとダイブで気持ちをスパークさせる。「STONE COLD BREAK」でTAKUMAは曲を一旦止め、サンボマスターの山口の真似でオーディエンスを煽りに煽って再開、サークルとダイバーが乱発する。
 
 
 「優しさは想像力、イメージ、想像、相手の気持ち…」とTAKUMAが言葉を重ね、「相手の力になりたいときは、相手の気持ちになって、役者になって、どうやったら助かるか、どんな言葉をかけてもらえたら嬉しいか、想像して…」と「アンテナラスト」を聴かせ、「男前になること、女前になること、お前の人生なんてひと言で、1アクションで良い方に変えられるねんぞ」と「その向こうへ」。自らを鼓舞するかのように、もっと先の景色を見たいと願うかのように、全身全霊、誠心誠意でライブを展開する3人。「1sec.」ではおそらく4日間中最多のダイバーが舞い、本編を「ヒトリセカイ」で締め括る。
 
 

 最高の気分に包まれた太陽が丘、10-FEETのアンコールがまた大きなハイライトだった。再びステージに登場した3人は、その場でHEY-SMITHの猪狩に電話して「来年出てくれ」とオファー。照れ屋の猪狩は一旦「丁重にお断りします」と言って爆笑を誘ったが、最終的には「ぜひお願いします。バンドやっててよかったです」と10-FEETの熱い想いに応える。そしてライブ再開、「蜃気楼」「VIBES BY VIBES」で残っている体力を燃やし尽くした後、来年へ想いを馳せて「CHERRY BLOSSOM」で終幕。
 
 
 
 

 “京都大作戦2019”、このイベントを誰がどれだけ大切にしているかを改めて思い知った4日間。ここは10-FEETだけのものではなく、オーディエンスだけのものでもない。11回目の開催を無事終え、数えきれないほど多くの出演者、スタッフ、オーディエンスの“想い”が山のように積み重なった太陽が丘。4日間この丘を駆け回り、体力的には限界を越えていたが、大量の音楽で心の奥底まできれいさっぱり洗い流されたかのような清々しい気持ちに包まれた。来年また、この場所で。
 
 

 
 
 
 
TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:HayachiN、宮崎まゆみ、浜野カズシ、青木カズロー、JON...
 
 
 
 

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