【低音用デュアルマイク対決】
今回は、先回ご紹介した2つのマイク「audio-technica AE2500」と「LEWITT DTP640REX」を使用して、実際にバスドラを録ってみます。どちらも元々バスドラやベース用に開発された低音用の特殊なデュアルマイクです。
【audio-technica AE2500】
【LEWITT DTP640REX】
マイクプリにはTUBE-TECH MP1Aを使用します。
どちらのマイクもダイナミックとコンデンサーの2ch仕様になっており、低音用にチューニングされていますが各々キャラが違います。
バスドラのキックを録音してみました。
リリースされて15年以上経つaudio-technica AE2500から試してみましょう。
【ダイナミック部】
同社の名マイクATM25に近いキャラ。スーパーローより少し上の100~250Hzあたりのアタックは、やや硬め。オーソドックスな低音の質感が録れました。
【コンデンサー部】
同社のAE3000の重心が下がった感じ。クリアな低音が魅力的だ。
LEWITT DTP640REXも、同じくバスドラを録音してみます。
【ダイナミック部】
AE2500のダイナミックより重心が下で、スーパーローの上の方ぐらいから録れました。中音から中高音はAE2500ほどソリッドではなく、プレーンといった感じ。
【コンデンサー部】
低音にチューニングされていながらも、クリア&タイト。プライス的にはLEWITTの方が、少しリーズナブルです。
コンデンサーマイクで低音にチューニングされているマイクは、今回ご紹介したこの2つ以外はあまり見かけないので、どちらかを手に入れればキックだけでなく、ベース、スネア、ギターなど幅広く対応できると思います。
【大学生バンドのセルフREC】
前回に続きリバーブについてお話します。リバーブはディレイの集合体で成り立っています。効率的にコントロールするには、まず大本の残響の在り方を知るべきです。
残響音には、大きく分けると2種類あります。
①反射音が窓、床、壁などにぶつかり、ダイレクトに耳に入り込む「初期反射(アーリーリフレクション)」
②反射音が床、窓、壁などに何度もぶつかって耳に入ってくる残響
一般的なリバーブのパラメーターは、初期反射以外をコントロールして設定することがメインとなっています。
当然これにないパラメーターや、呼び方の違うもの、また省略されているものなど、プラグインやハードウエアには様々な仕様があります。上記の基本的なパラメーターがしっかり理解出来ていれば、大体は応用が利くと思います。
【今月のちょいレア】YAMAHA MT-120
現行機種の名機MT-8に通じる、ナチュラルなキャラクター。現在はディスコンであるが、もし中古で状態の良いものが出ていれば是非、ファースト・ヘッドホンにおすすめ。
【今月のMV】cruyff in the bedroom 「FUZZ ME!!!」
ブリットポップ的メロディーと、シューゲイザーの轟音がセンシティブにクロスオーバーする
cruyff in the bedroom代表曲の一つ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Sonic Blew 「 Masquerade 」
ハードロックテイストをフュージョンにぶち込んだ、セミ・ラウド系インストバンドのミニアルバム。卓越した演奏力と、計算されつくしたアレンジに注目。
水鏡 「 水鏡 」
国内を代表する、シンフォニック・プログレバンドの1stアルバム。フランスの大手インディーレーベル「MUSIA」からのリリース。和と洋のテイストの絡みがユニーク。逆輸入盤。
nikiie 「 The swirl of dust 」
ゲス極のベース、休日課長率いるバンドDadalayのボーカルとしても活躍するnikiieのデジタルシングル。エリカ・バドゥがポストロックに手を染めたような、意欲作だ。
RISKY 「 Reborn 」
仙台で活動する、ラウドでメロディアスな正統派ロックバンドのミニアルバム。90年代のアメリカンロックがベースになっており、深みあるボーカルサトルの声が印象的。全国発売中。
paroxtsm 「 paroxtsm 」
福島在住のヒップホップトラックメイカー、兼DJ。海外、特にアメリカでの評価があらゆる面から上がってきている。全国発売中。