渋谷を中心に月間数10本のペースでライブを重ねてきた渋谷系ガールズロックユニット・CANDY GO!GO!。ロックサウンドを基調とし、楽曲によってリードヴォーカル及び作詞者が変わり、ライブではバンドメンバーを従えて熱く激しいステージを繰り広げる、まさにロックアイドルの体現者。様々な背景とキャリアを持つメンバーが「ここが私の生きる場所」という覚悟を込めてミニアルバム『IDOROCK-beyond-』を完成させた。
「“GO!GO!”が付いているので55周年ライブが卒業のタイミングだと思っていて。そのとき、いちばん年上のメンバーは74歳になっているんですけど、そこが節目かなって」
●CANDY GO!GO!は楽曲によって誰かがリードヴォーカルになり、そして歌詞もメンバーが書き、バンドメンバーと一緒にライブをする、というのが基本ですが、もともとこういうスタイルだったんですか?
なぎさ:昔とは全然違いますね。名前に“CANDY”と付いている通り、昔はスイーツ系アイドルだったんですよ。
●なにそれ。
一同:ハハハ(笑)。
なぎさ:いま現在は“アイドルとロックの架け橋=「IDOROCK」”をコンセプトにしているんですが、昔は“とろけちゃうくらい甘くてかわいいスイーツ系アイドル”がコンセプトだったんです。
●そこからどういう経緯で現在のように?
なぎさ:昔はかわいい感じの曲ばかりやっていたんですけど、ライブで1曲だけロック色の強いカヴァー曲をやっていて、それがいちばん自分たちにしっくりくる感じがあって。ライブでもいちばん盛り上がるし。それでだんだんロック色が強くなってきたんです。
●現在のメンバー6人は加入された時期がバラバラですが、それぞれどういう経緯でCANDY GO!GO!に加入されたんですか?
なぎさ:私はCANDY GO!GO!が結成して4ヶ月後くらいに加入したんですが、もともと中学校のときの友達が初期メンバーで、その繋がりで誘われて入ったんです。
葉月:もともと私は2010年からアイドルユニットに入っていたんですが、2年くらいで卒業して。実は当時からそのユニットでCANDY GO!GO!とよく対バンしていて、スタッフさんとも知り合いで誘われたんです。でも当時私が知っていたCANDY GO!GO!はさっき言っていたように甘くてかわいい感じで、自分にはちょっと合っていないというか、もうかわいい感じはやりたくないなと思ったからしばらく保留したんです。でも今後はロック寄りになっていくという話を聞いて、それだったらやりたいと思って加入しました。
●なるほど。
磯野:私はもともとグラビアと舞台をやっていたんですけど、そもそもこの世界に入るきっかけは音楽をやりたかったからで、事務所の社長にも「歌いたい」という話をしていて。
●磯野さんはCANDY GO!GO!とは別の事務所に所属しているんですよね?
磯野:そうなんです。それで私の事務所の社長とCANDY GO!GO!の事務所の社長が知り合いで紹介していただいて、最初は“私にアイドルなんてできるかな?”と思っていたんですけど、ライブを観に行ったらロックですごくかっこよくて「ぜひ!」とお願いして加入しました。
杉本:私も別の事務所なんですが、私はもともと舞台から始まって1年ほどやっていたんですけど、当時の事務所から「アイドルをやってみないか?」と提案されて。最初は別のユニットで活動していたんですが、そのユニットが活動しなくなって、当時のマネージャーの繋がりでCANDY GO!GO!を紹介していただいたんです。
永瀬:私はもともとダンス&ボーカルグループを5年くらいやっていたんですけど、活動が休止になって、でも歌は続けたいなと思っていて。それでネットで「バンドのヴォーカル募集」みたいなサイトを見ていたら、そこで「CANDY GO!GO!メンバー募集」というのを見つけて、最初は「え? アイドル?」と思ったんですけど、ライブはバンドと一緒にやるし、ダンスも踊るらしいので“私もやりたい!”と思って応募したんです。
●夏井さんは?
夏井:私はアイドルになるためのダンスと歌のレッスンを受けていたんですけど、そこでCANDY GO!GO!の社長から声をかけていただいたんです。
●なるほど。話を聞いていて思ったんですけど、みなさん「CANDY GO!GO!でやりたい」という自分の意志で加入したというのが共通点なのかなと。事務所に言われたから仕方なくアイドルやってます、とかではなくて。
なぎさ:逆に、アイドルだと思ってCANDY GO!GO!のライブの見学に来た子たちが「あ、ちょっと違いました」と言われることもよくあります。
●普通のアイドルではないという自覚がある?
磯野:すごくありますね。まず楽曲がかっこいい系なので他のアイドルとは違うし、ライブのスタイルというかやり方も、私たちの場合は全員でバーッと煽りに行くんですよ。そういうことも普通のアイドルはやらないだろうなと思います。
●もう1度メンバーそれぞれに聞きたいんですが、自分にとってCANDY GO!GO!はどういう場所なんですか?
なぎさ:私の場合、自分をさらけ出す場所ですね。私、性格が結構イカれてるんですが…。
●え(笑)。
なぎさ:サイコパス気質というか(笑)。アイドルって写真はかわいい顔で撮るじゃないですか。私は全然かわいい顔の写真とか無くて、それでも「かっこいい」と応援してもらえるので、自分にとっては生きがいというか、私を生かしてくれる感じ。
●なるほど。
葉月:私の場合、CANDY GO!GO!はがんばればがんばるほど認めてくれる場所だと思っていて。もともと最初に所属していたユニット自体、がんばっても評価されないというか、アイドルっぽい子にスポットライトが当たる感じだったんです。でもCANDY GO!GO!はチャンスを与えてくれる。
●磯野さんはどうですか?
磯野:私は今までいろんなことをやってきたんですけど、CANDY GO!GO!は私にとっての最終地点ですね。ここでいくしかない! っていう。それくらいの気持ちでやってます。
杉本:私は、まだ加入して2年も経っていないんですけど、ここは挑戦し続けることができる場所だと思っていて。今年24歳になるんですけど、いままで挑戦しようと思ってもなかなか踏み出せなかったことがあって。でもCANDY GO!GO!は挑戦させてくれる。例えば他のアイドルだったらメンバーの生誕祭とかも対バン形式のイベントが多いんですが、姉さん(なぎさ)とかはソロのワンマンで生誕祭をしたり。
●え。ソロのワンマン?
なぎさ:全部自分で準備してやります。
●大変ですね(笑)。
杉本:いちばん大変なんですけど、でもやりがいがあることで。それに個人の活動も尊重してくれるし、メンバーも助けてくれるし。のびのびといろんなことに挑戦できるんです。
●なるほど。永瀬さんはどうですか?
永瀬:夢が叶う場所ですね。私は小学生のときから歌手になりたくて、いままでたくさん挫折も経験してきたんですけど、CANDY GO!GO!に入ってからはテレビに出たりとか、地方でライブができたりとか、今回CDもリリースすることができるし…全部小学生の頃から憧れていたことなんです。それは全部、いままで9年間CANDY GO!GO!の先輩たちががんばってきてくれたおかげだから、私もこれからがんばって夢を叶えて、CANDY GO!GO!を大きくしていけたらなって思います。
●夏井さんはどうですか?
夏井:私の場合は、自分でも知らなかった自分を見つけることができる場所だと思っていて。いままでロックとは無縁の生活を送ってきたんですが、CANDY GO!GO!でロックの楽しさを知ることができたし、ロックを楽しんでいる自分を知ることができたんです。
●今回、6/19にリリースとなるミニアルバム『IDOROCK-beyond-』は書き下ろしの新曲が3曲で、再録が3曲の合計6曲収録ですが、新曲ではM-1「Dahlia」は葉月さん、M-5「Kiss me more」は杉本さんがそれぞれリードヴォーカル及び作詞を担当されていますよね。誰がリードヴォーカル及び作詞をするかは、どうやって決めるんですか?
なぎさ:私たちの場合、曲は社長が作っていて、イメージで「この曲はこのメンバーだ」みたいなオファーがあるんです。リードで歌う人が作詞をした方が気持ちが絶対に入るので、リードヴォーカルと作詞はセットになっているんですが。
なぎさ:悲しげな曲は私の場合が多いんですが(笑)。
磯野:私はパワー系なので勢いのある曲が多いです。
●誰がどの曲をメインで歌っているかで判断すると、メンバーの性格が見えてくるという。
葉月:そうかもしれないです(笑)。
●「Dahlia」は葉月さんがリード&作詞を担当していますが、どういう経緯で作ったんですか?
葉月:曲ができあがってきた段階でタイトルは既に決まっていて、デモの段階から歌詞の中には“Dahlia”という言葉も入っていたんです。そういう縛りの中で歌詞を作り始めたんですけど、いろいろと悩んだ結果、ここまで何度も同じ言葉が曲の中に出てくるので、ちょっと重い女が荒んだ愛を叫ぶけれど、反応してもらえない悔しさや虚しさを描いたんです。
●歌詞には自分を投影することもあるんですか?
葉月:私の場合はそうですね。経験っていうか、自分にあったようなことを書いたほうが、歌っているときにリアルに気持ちが込められるので。
●CANDY GO!GO!の表現としては、おそらくそういう感情を出した方がいいんでしょうね。
葉月:そうですね。もちろん全部がリアルじゃなくて物語の部分もありますけど、既に「Dahlia」はライブで演っていて好評なので、そういう歌詞にしてよかったなと思います。
●もう1曲の新曲「Kiss me more」はどうだったんですか?
杉本:「Kiss me more」もタイトルが先に決まっていて。たまたまだと思うんですけど、今までのCANDY GO!GO!の曲はバッドエンドの曲が多かったんですよ。
なぎさ:それは明らかに私のせいです(笑)。
一同:ハハハ(笑)。
杉本:かといって、全面的にハッピーな曲もCANDY GO!GO!には合わないし。最終的には、1人の女性の中でいろいろと考えながら、最終的にひとつの舞台にたどり着く内容にしたんです。
●なるほど。そしてリリース日には9周年記念イベント“9th anniversary GIGS in TOKYO”が開催されますが、バンドと一緒に演るライブは楽しいですか?
6人:めっちゃ楽しいです。
●全員即答した。
葉月:オケよりも、やっぱりバンドと一緒にライブをした方が気持ちが入るんです。テンションが上がった状態でライブができる。
磯野:バンドってその場で変えることができるじゃないですか。ウチのバンドメンバーは、アレンジを加えてきたりしてくれるんです。そういうときにめちゃくちゃかっこいいことをやってくれるので、こっちも「ウオーッ!」ってテンションが上がりますね。
●6/19はどういう感じになりそうですか?
磯野:やっていることの集大成にはなると思います。ただ、私たちはいつも全力でやっているので、ワンマンだから特別っていう感覚ではないんです。
なぎさ:9周年だからといって、泣かせたり感動させたり、そういうことには頼らないでおこうと思っていて。昔から応援してくれている人も、最近知ってくれた人も、初めて観てくれる人も、熱さが伝わって「CANDY GO!GO!いいな」と思ってもらえるように、今回は8人でがんばろうと思っています。
●8人?
夏井:正規メンバー6人と研修生2人、今は合計8人でライブを演っているんです。
●あ、そうか。
なぎさ:9年間の中でメンバーもいろいろと代わったんですが、6/19のワンマンは今の8人でベストなライブをやろうと思っていて。それに来年10周年じゃないですか。だから今は10周年に向けて1つ1つの活動をがんばって、10周年に大きなところでやりたいという目標があって。それができるかどうかっていうのは、6/19の結果次第なんです。だから全力でがんばります。
●話を聞いてると、年齢やプロフィールを隠してもないし、各メンバーはよくアイドルグループにありがちな「◯◯色担当」とかじゃなくて個々の性格がそのまま表現に繋がっているし、かなり素のままやっているんですね。
葉月:そうなんです。私は今年28歳なんですけど、お客さんに年齢のこともツッコまれるし。「いつまでやるの?」とか聞かれて「体力の続く限りやる」って答えてて(笑)。
なぎさ:ユニット名に“GO!GO!”が付いているので55周年ライブが卒業のタイミングだと思っていて。そのとき、いちばん年上のメンバーは74歳になっているんですけど、そこが節目かなって。
一同:アハハハ(笑)。
interview:Takeshi.Yamanaka
Mini Alubm
『IDOROCK-beyond-』
ONEtoONE RECORDS
OTOR-2019
¥1,111+税
2019/6/19 Release
“9th anniversary GIGS in TOKYO”
6/19(水)渋谷 TSUTAYA O-WEST
※その他のスケジュールはオフィシャルHPをチェック!!
http://candygogo.jp