稲村太佑(アルカラ)
村松拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH)
内田直孝(Rhythmic Toy World)
トップバッターはうっちー(内田直孝)。取材や楽屋などオフステージで話しているときの実直で真面目な印象とは打って変わり、オンステージの彼は、MCでは狂気にも似た“何を秘めているかわからない”ような魅力を溢れさせ、歌い始めたと思ったらどこまでも通る凛とした透明な声で心をぶんぶんと揺さぶられました。
特に「電影少女」は強烈で、彼が話した内容をそのまま鵜呑みには出来ないというか、歌に込められた“純粋性”は間違いなく本物で。インタビュアー/ライターとしては失格ですが、結局のところ“内田直孝”という人間が持つ魅力を、僕はまだ全部掴みきれていないのかもしれません。また彼の歌う姿を観たい、また彼とじっくり話したい…そう思わせられたライブでした。
2番目に登場した拓さん(村松拓)はサービス精神たっぷりと、弾き語り初の「Pendulum」(Nothing's Carved in Stone)のエバーグリーンなメロディーで魅せた後、弾き語り用のソロ曲を2曲披露。特に「他に無いなと思って嬉しかったから聴いてほしかった」と笑って始めた新曲はとてつもなく“村松拓”で、真似しようと思っても絶対に出来ない唯一無二の歌でした。
そして弾き語りの最後に必ず歌う「朱い群青」。今まで何度も弾き語りで聴いてきた同曲は、聴くたびに違う感触で僕の心を鷲掴みにします。彼がなぜ弾き語りでこの曲を最後にやると決めているのか…その理由を彼に訊いたことはありませんが、今日も僕は「朱い群青」を歌っている村松拓から、目と耳を離すことができませんでした。
トリの太佑さん(稲村太佑)は想像以上に規格外でした。反則でした。一瞬でその場の全員を虜にする強烈なステージング。ループマシンを駆使して縦横無尽に跳ね回り、共演者2人(とゲストで観に来ていたTHE BACK HORN山田さん)をいじり倒し、「1人でも出来んねんぞ」と「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」(アルカラ)でズバン!! と観客の心を射抜く狡猾さ。
その上、「今日のために昨晩作った」という曲で単なる観客でしかない僕を泣かせるし、最後の「夕焼けいつか」がまた最高で、イベントを締め括るにふさわしい、心が温かくなって、余韻がずーっと残る名曲で。彼のステージは爆笑の連続なんだけど、歌の素晴らしさで心を持っていかれるし、その奥には真っ直ぐな“愛”をいつも携えていて、心が忙しくてたまりません。あと個人的には、2012年天皇賞(秋)のミルコ・デムーロのモノマネが最高でした。
山田さんが飛び入り参加した最後のセッション「さくら(独唱)」は、まさに奇跡でした。山田さんのマネジメントに怒られるといけないので詳しくは書きませんが、最高でしたよね?
4/5、代官山LOOPに来ていただいたみなさん、出演いただいた太佑さん、拓さん、うっちー、マネージャーの細井さんと長田さん、LOOPスタッフの皆さん、そして山田さん。本当に本当にありがとうございました。
TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:Mogami Yuna
OPENING / CLOSING SE
そこに鳴る「業に燃ゆ」
winnie「dreaming dreaming」
folca「stand by me」
Hermann H.&The Pacemakers「Wake up & Go」
HUSKING BEE「Cosmo」
中村マサトシ「月」
FABLED NUMBER「Up All Night」
HaKU「終末論」
THE PINBALLS「BEAUTIFUL DAY」
眩暈SIREN「ハルシオン」
ROTTENGRAFFTY「アイオイ」
Pay money To my Pain「Rain」
ネクライトーキー「夏の雷鳴」
nothingman「幸せの順番 -The day we be happy-」