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GANG PARADE 限界に挑み続ける彼女たちが真新しい道を行進していく。

GANG PARADE 限界に挑み続ける彼女たちが真新しい道を行進していく。


“みんなの遊び場”をコンセプトに活動する9人組アイドルグループ、GANG PARADE(略称:ギャンパレ)が遂にメジャーデビューを果たす。2014年に結成された前身ユニットのプラニメから始まり、2度の改名と複数回に及ぶメンバーの増減を経て2018年4月に現体制での活動をスタート。単に“紆余曲折”という言葉だけでは言い表せないような道を歩んできた彼女たちは、苦難を乗り越えた分だけ強さと勢いを増してきた。昨年9月には自身最大規模のワンマンライブをZepp Tokyoで成功させ、2019年1月には現在の9人体制で初のフルアルバム『LAST GANG PARADE』をリリース。そこからわずか3ヶ月にして4/17に発売される今回のシングル『ブランニューパレード』で、ワーナーミュージック・ジャパン内の新レーベル“FUELED BY MENTAIKO”から、まさに満を持してのメジャーデビューを迎える。リリース後の5月には大阪と東京の野外音楽堂での“CHALLENGE the LIMIT TOUR”も控えるが、彼女たちはこれからも常に限界を突き破りながら進んでいくことは間違いない。新たなる行進を始めたギャンパレを祝して、表紙&1万字超ロングインタビューが実現!

Cover & Interview:GANG PARADE #1 


「過去にはもちろん大変なことがあったり、落ち込んだりもしただろうけど、あまり過去に囚われすぎずに“今”と“その先”を見るような空気がギャンパレにはあるのかなと思います」


 

●まずはメジャーデビューおめでとうございます!
 
全員:ありがとうございます!
 
●メジャーデビューが決まった時は、どんな気持ちでしたか?
 
マイカ:最初は、すごくさらっと言われたんですよ。よくある感じのメンバー全員が集められて“ちょっとお知らせが…”みたいなことを想像していたんですけど、本当にさらっと言われて…。何かの“ついで”に伝えられるくらいのテンションだったので、その時は“本当に…?”みたいな感じでした。
 
ドクソン:二度見しちゃう感じでしたね。“ああ〜、…えっ!?”っていう(笑)。
 
●それくらい普通のテンションで伝えられたと(笑)。メジャーデビューしたいという想いは、前からあったんでしょうか?
 
ユア:もちろん、ありました。
 
ココ:他のグループよりも、そういう気持ちが強いかもしれない。私は旧BiSにサキちゃんが入ったくらい(※2013年5月)から見ていたんですけど、その時点ではもうavexからメジャーデビューしていて(※2012年7月にメジャーデビュー)。BiSHもわりと早い段階からメジャーデビューしていたし、EMPiREも最初からメジャーだったので、“WACK(の所属グループ)はすぐにメジャーデビューできるのかな”と正直思っていたんです。
 
●最初はそういうイメージがあった。
 
ココ:でも後々でやっぱりみんなそれぞれのタイミングがあって、メジャーデビューしていることもわかって。もちろん簡単なことではなかったけれど、自分たちは今のタイミングだったのかなと思っています。(活動の)歴史が長いというのもあって、それぞれに人一倍強い想いがあるんじゃないかな。
 
●初期から在籍しているミキさんとユアさんは、特にそういう想いが強いのでは?
 
ミキ:そうですね。事務所の中でも“ギャンパレだけ、なかなか話が来ないね”とは社長の渡辺さん(※渡辺淳之介/WACK代表)からも言われていたし、自分たち自身もずっと思ってはいて…。
 

ヤママチミキ

 
ユア:WACKの中で言えばインディーズ時代が長いのかもしれないけど、音楽業界全体で見れば特に長いわけではないと私は思っていて。でも一番身近にあるWACKというものの中で、比べてしまう日もありましたね。“自分たちに何が足りなくて、他のグループと何が違うんだろう?”と思い悩んだ日もありました。でも今この9人という形になって、メンバーはもちろんお客さんもスタッフさんも周りにいる人みんなでメジャーデビューを喜べる環境に今いられることがすごく嬉しいなと思っています。

 

ユメノユア

 
●この9人が揃った今だからこそ、というのもあるわけですね。
 
ミキ:GANG PARADEとして、今この9人がピッタリ合っているからメジャーデビューというお話を頂けたのかなと思いました。
 
●新加入の2人からすると、加入から約1年でのメジャーデビューになるわけですが。
 
月ノ:メジャーデビューの日はちょうど私たちのお披露目の日と重なっていて(※2018年4月17日@東京・Zepp DiverCity TOKYOワンマン)。だから、本当にちょうど1年ですね。
 
●1年はあっという間だった?
 
月ノ:あっという間でした。それもあって、他のみんなほど“やっとだな”という気持ちはないというか。めまぐるしい1年を経て、メジャーデビューできるということのありがたさを感じています。自分自身の嬉しさよりも、みんなへの感謝のほうが大きいですね。
 
●メンバーへの感謝が大きい。
 
月ノ:まだ1年しか活動していないので、自分でメジャーデビューを勝ち取ったという気持ちは全くなくて。メジャーデビューを発表した時にあれだけ喜んでくれる人たちがいたのも、前からいてくれたメンバー7人やずっと支えてきてくれたファンのみなさんのおかげなので、そこへの感謝と祝福の気持ちのほうが私は大きかったです。発表した日(※2019年1月10日@川崎CLUB CITTA' “Going Going WACK TOUR”初日)は客席で泣いている人もいるのを見て、改めて“ありがとう”と“おめでとう”と思いました。
 
●ハルナさんはどうでしたか?
 
ハルナ:1年前に入った時は自分がGANG PARADEでメジャーデビューすることまで想像できていなかったので、素直に嬉しかったです。でもやっぱり私はまだ活動歴が浅いので、これからの未来に向けて頑張ろうという気持ちになりました。“ここからのスタートを頑張ろう!”と思っています。
 
●グループとしての歴史が長い分、9人それぞれに加入した経緯も違うわけですよね。そういう意味では、元SiSの3人も…。
 
ユウカ:SiSが解散した時にはもう自分は上京しちゃっていて、先も何も見えない中で後戻りもできなくて…。そんな状況だった自分がGANG PARADEとしてステージに立たせてもらって、まさかメジャーデビューまでさせてもらえるなんて全く想像がつかなかったです。私も後から入った人間なので、前からいるメンバーがずっと作ってきてくれたものに対する感謝の気持ちが大きいですね。あと、“受け入れてくれて、ありがとう”という気持ちもあります。
 
●確かに加入時期とは関係なく、同じメンバーとして9人がいるような空気感がギャンパレにはあるように感じます。
 
ドクソン:初期からいるメンバーは特に大変な時期が長かったはずなのに、それを本人たちは全然出さないんですよ。過去にはもちろん大変なことがあったり、落ち込んだりもしただろうけど、あまり過去に囚われすぎずに“今”と“その先”を見るような空気がギャンパレにはあるのかなと思います。それがあるから、どのメンバーがいつ入ったかもあまり気にならないのかなって。
 
●過去ではなく、今と未来を見つめる空気がある。
 
ドクソン:それも漠然と見ているんじゃなくて、みんなが同じところを見据えられるようになってきているのかなって思います。
 
ミキ:それこそ3人で活動していた時(※サキ&ミキ&ユア)は、過去のことを見ているヒマがなかったというか。本当に前だけを見ていないと、3人とも立っていられないくらいの状況だったから…。後から入ってきてくれたメンバーも前向きに頑張る子ばかりだったので、そこにつられるようにみんながそういう思考に変わっていったんじゃないかな。
 
月ノ:前を向くことが当たり前だったから、私たちも入ってからそれ以外することがなかったんです。前を見続けることが自分の中で当たり前になったことが、今となっては良かったなと思います。
 
●新たに入ってきたメンバーのおかげもあって、過去のことをあまり考えないようになっていったというか。
 
サキ:過去を思い出してもしょうがないことが結構あったので…。
 
ドクソン:サキちゃんが言うと、重みがある…。
 
一同:ハハハ(笑)。
 
●一番、色んな歴史を経験している人ですからね(笑)。
 
サキ:たとえば過去に自分が起こしてしまったことに関しては“本当に申し訳ございません”という感じなんですけど(笑)、それ以外のことについて色々と思い返しても何も先につながらないというか。“今”を見たほうが良いと思うし、わざわざ過去のことを思い出す必要はないなって思うから。でも新たに入ってきた月ノとハルナは、過去に起きたこともちゃんと受け止めてくれている感覚がすごくあって。それは(自分が)言わないからこそなのかなと思います。
 
●実際にそういうところがある?
 
月ノ:私たちが、みんなの過去を敬うのは当たり前だと思うんですよ。やっぱり先輩だから。でもそれと同じくらい、みんなが新メンバーという存在を敬ってくれるというか。お互いに敬い合う関係があったことを、今になってすごく感じていて。だからこそ私たちも新メンバーとして、のびのびとやらせてもらえたんだなとすごく感じています。
 
●月ノさんはアイドルになる以前のことがもはや思い出せないそうですが。
 
月ノ:合宿(※“WACK合同オーディション2018”)が終わった直後くらいから、もうそれ以前のことが思い出せなくなって。合宿の記憶がすごく大きかったし、そこからお披露目までの1ヶ月間もすごく濃かったから。この1年をめまぐるしく活動させて頂いたことで、アイドルになる前のことを本当に思い出せないんですよね。
 

月ノウサギ

 
●ハルナさんも同じですか?
 
ハルナ:私はアイドルになる前の、つらかったことを今でも思い出せます。“あの時のほうがつらかったな”と思って頑張れることが結構あるので、私は逆かもしれない。過去を思い出して、頑張れるタイプですね。
 

ハルナ・バッ・チーン

 
●なるほど。初期メンバーもつらいことや大変なことをそのまま真に受けていたら、ここまで歩んでこれなかったのかなとも思います。
 
ミキ:まあ、真に受けてはいたけど…(笑)。
 
サキ:真に受けてはいましたけど、“倒れたら終わり”みたいな感覚でずっといたのかもしれないですね。
 
●過去の大変だった記憶も、自分を前進させるエネルギーになっているのでは?
 
サキ:それもありますし、過去の出来事に対して今になって感謝できるんだなと知れたことも強みになっているというか。過去の色んな出来事を思い出すことで、自分がこれから先に進んでいく理由が1つ増えるような感覚はありますね。進んでいく理由はいくつもありますけど、その1つとして自分の経験してきたことが土台になっている気はします。
 
●ファンの方もそういうギャンパレの歴史を知っているからこそ、一緒になって喜んでくれているんでしょうね。
 
サキ:プラニメがデビューした当初は、色んなグループのメジャーデビューがよくニュースになっていた時期で。その当時、自分たちは“みんなに祝福してもらえるメジャーデビューがしたい”と言っていたのを最近思い出したんです。みんなに納得してもらった上で“おめでとう”と言ってもらえるメジャーデビューがしたかったんですよね。それを(発表した)1/10に実感できたというか。みんなの反応をSNSで見て“ここまでメジャーデビューを祝福してくれるんだ!”と実感できたことは、すごく嬉しかったです。
 
●SNSでの盛り上がりもすごかったです。
 
サキ:メジャーデビューを発表した時は、たぶんギャンパレのことをそんなに知らない人も“マジか!?”と言っていたんじゃないかと思いますね(笑)。ギャンパレはみんなの中で密かに、水面下にいた存在ではあったんだろうなと思うんですよ。それがメジャーデビューということをキッカケに、みんなの意識の中に“ポーン!”と急浮上したんじゃないかなって。
 
●実際にファンが増えていることを実感できている?
 
ドクソン:前は握手会やチェキ会に来てくれる人がみんな誰だかわかったんですけど、最近は初めて来てくれる人が増えているのを肌で感じています。
 
ユウカ:SNSを見ていると、野音(※“CHALLENGE the LIMIT TOUR”)で初めてGANG PARADEを観るという人たちも結構いるみたいで。今まで、そんなことはあまりなかったんですよ。ツアーで客席を見ても、ほぼ知っている人ばかりで…。
 
ココ:“ほぼ知っている”ってすごいな(笑)。じわじわ増えていった感じですね。今まで応援してくれていた人たちが、どんどん広げていってくれた感じがあって。
 
●爆発的に広がったというよりは、じわじわとファン層を拡大してきたからこそ、昔ながらのファンもずっと応援し続けてくれているのかなと。
 
ココ:確かにそうですね。ウチらの“にわかファン”って、あまり見ない気がする(笑)。
 
ユウカ:好きになった歴史が浅い人でも、愛がめちゃくちゃ深いんですよ。だから“最近来るようになった人”だとは、私たちも思わないんです。メジャーデビュー発表の時もめちゃくちゃ泣いている人と話してみたら“まだギャンパレを知って半年なんです”と言われて、“えっ! そんなに短かったっけ?”みたいなこともあって。そう感じられるくらいの愛の深さがあるなと思います。
 
●順風満帆な歩みではなかったがゆえに、同じような人生を送っている多くの人が共感できるのかなと思います。
 
月ノ:自分ができなかった“青春”を、私たちに重ねて見ている人が多いように感じていて。私たちの歩んでいる“アイドル”という道に、自分の青春を重ねているというか。そういうふうに感じてもらえるのも歴史があってこそだし、それがGANG PARADEの色なんだろうなと思いますね。
 
ココ:他のグループに比べて、共感性は高いかもしれない。歌詞や歴史とかに自分たちの何かを重ねることで、より深い愛情や想いを私たちに返してくれる人が多いように感じています。
 
●そんな中でメジャーデビューすることに、プレッシャーを感じてはいない?
 
マイカ:プレッシャーは日々、感じていますね。関わってくれる人の数も目に見えて違いますし、自分たちも頑張らなきゃいけないなと思っています。
 
ミキ:プレッシャーはどんどん積み重なってきているんですけど、それが別に悪いものにはなっていなくて。期待に応えようというよりは、それを超えていこうという気持ちでどんどんやっていけば、結果も自ずとついてくると思うから。あまり重く捉えすぎず、良い緊張感のままでずっと進んでいけたら良いなと思っています。
 
●良い緊張感を持ち続けることも大事。
 
ミキ:やっぱりスタートダッシュをちゃんと決めなきゃいけないわけで。初っ端から転んでいたら、この先どうなるかも見えなくなってしまうから。スピード感も大事だけど、まずは自分たちにできることを着実にやっていかないといけないなという気持ちが今は強いですね。
 
 
 
 
 
 

Cover & Interview:GANG PARADE #2 


「誰かが特別に秀でていて、1人で何かをやっているという感覚がないんですよね。みんながそれぞれ絞り出そうとしてくれるので、結果的に良いものが生まれるんだなと感じていて」


 
●今回の表題曲「ブランニューパレード」はスタートダッシュをかけるにふさわしい曲だと感じましたが、メンバー自身が最初に聴いた印象はいかがでしたか?
 
サキ:まさにメジャーデビュー1発目にふさわしい、爽快なロックチューンだなと思いました。松隈さんも“これはバカロックばい”と言っていましたね(笑)。歌っている内容も、自分たちを紹介しているようなところがあって。ここから知ってくれた人がさらに深くGANG PARADEを知りたくなるような曲にもなっているし、入り口が広がる感じがしています。
 
●ギャンパレへの“入り口”のような曲になっている。
 
サキ:グループのことを知って頂いた上で歌詞を見て楽しんで頂くこともできると思うんですけど、グループのことを全く知らずに聴いても普通に“応援ソング”として聴いてもらえるというか。色んなシチュエーションの方に当てはまる曲なんじゃないかなと思っています。
 
●今の話にも出ましたが、みんなで歌う箇所が多いので“応援歌“的な印象を受けました。
 
ユア:振り付けについてみんなで意見を出し合った時も、そういうイメージは出ていましたね。実際の振り付けは違うんですけど、最初に考えたものは応援をイメージしていたんですよ。だから、インスピレーションの1つにはなっています。
 
ドクソン:私は“お城”のイメージでした。
 
●お城?
 
ドクソン:イントロを聴いた時にお城の中で幕が5枚くらい順番に開いていって、そこから物語が始まるというイメージが浮かんだんです。『ドラクエ』(※『ドラゴンクエスト』)とかでも王様に命を受けて、お城から物語が始まるシーンがあるじゃないですか。この曲を聴いた時に、私はそういうイメージがビビッと浮かびましたね。
 
マイカ:イントロは、お城っぽいですよね。そこの部分の振り付けはドク(※ドクソン)の言っていたイメージを元に、私が考えました。
 
ドクソン:お城での行進シーンみたいな感じになっています。

ユイ・ガ・ドクソン


 
●そのイメージも活かされていると。他にはどんなイメージが浮かんでいましたか?
 
ユア:私は土日の朝8時台にやっているアニメのオープニング映像みたいなイメージがあって。
 
サキ:キャラクターが1人1人出てきて、技を繰り出していく感じだよね。
 
ユア:そうそう。昔そういうアニメを見ていた感じを思い出したので、そのイメージがすごく合うなと思っていました。
 
ドクソン:オープニング映像のコマ割りが明確にイメージできます。
 
●画面がどんどん切り替わっていく感じですよね。
 
サキ:この曲は勢いがものすごいんですよ。フィナーレに近づくにつれて、最高の盛り上がりを生み出していくような構成になっているんです。
 
ドクソン:1回も息ができないです。
 
●それは死ぬでしょ(笑)。
 
ドクソン:でも本当なんです。1曲を通して実際にやると、1回も息ができなくて…。
 
ココ:わかるわかる(笑)。
 
●息継ぎする間もないくらいの展開をしていくというか。
 
サキ:私の中では、『スイミー』みたいなイメージがあります。1匹1匹は小さな魚が集まって大きな魚のふりをして泳ぐことで(自分たちを食べようとする)マグロを追い払うっていうお話なんですけど、この曲では1人1人の展開が多いと思いきや、最後にみんなで1匹の大きな魚になるような展開が待っていて。9人が1つになる“見せ場”の振り付けがあって、そこからラスサビに行くという流れですね。
 
●そういうイメージの振り付けを考えた?
 
サキ:いや、今思い付きました(笑)。でもそんな感じですね。9人での見せ場もあれば、1人1人の展開の速さもあって。とにかく展開がめっちゃ速いんです。
 
ドクソン:今までで一番速い!
 
ユア:ヤバいよね。
 
ココ:普通は落ちサビとかでいったん落ち着いて、その時に呼吸を整えたりするんですけど、この曲はそういうタイミングが全くないんですよ。逆に(展開が速すぎて)見逃しちゃって、絶対に1回では全てを見きれないので、何回も見たくなると思います。
 
●1回では全てを把握できないくらい、展開が速い。
 
ユア:歌割りがこんなに変わる曲は、今までになくて。3行くらいを3人で分けて歌うことはあったけど、このテンポで8行を1人1行で変わっていくというのは今までにないからめっちゃ忙しいというか。でも見ていて楽しい振り付けを2人(※サキ&マイカ)が作ってくれて、ある意味で新しいギャンパレを見せられるものになった気がします。
 
サキ:“ここからの勢い”を感じてもらえるような曲構成になっているなと思いますね。
 
●振り付けはサキさんとマイカさんが考えたんですね。
 
サキ:マイカと一緒に考えました。でも今回は事件があって…。
 
マイカ:最初のアイデア出しをみんなでやった後に、土台作りを私たち2人でやって。いざみんなに伝えてから細部を詰めていくとなった時に突然、私がぎっくり腰になっちゃったんです…。
 
一同:ハハハ(笑)。
 
●そんなトラブルがあったとは(笑)。
 
マイカ:だから最終的な完成形に持っていってくれたのは、サキちゃんなんです。“みんなに教えるぞ!”っていう日に練習が始まって、まずイントロの部分をやろうかという瞬間にぎっくり腰になって…。
ココ:各メンバーがそれぞれの位置について、“さあ(曲を)鳴らすよ”というところで急にマイカが“うっ…!”となって。様子がおかしいので、ヤバいなと思いました(笑)。

キャン・GP・マイカ


 
●周りにも伝わるくらいだった。
 
マイカ:もう冷や汗が…。人生初のぎっくり腰でした。
 
ココ:でも治って良かったです。
 
ユア:再発しないようにしないと…。
 
サキ:この曲は大技が2つくらいあるんですけど、そのうちの1つはメンバー2人の身体に重い負荷がかかるので、そこにマイカは絶対に入れられないと思って外しました(笑)。
 
●そんな大技もあるんですね。
 
マイカ:振り付けを考える時に毎回、目玉の見せ場となるものは考えていて。「FOUL」でみんながドクを囲んで拝む振り付けを考えた時から、そういうものが始まった感じですね。
 
サキ:それもギャンパレならではだなと思っていて。ここまで積み重ねてきたことで、グループ全員で1つの振り付けをやるというのが良い特色になったなと思います。
 
ココ:2年くらい続けてきたら、グループの良い色になりましたね。何か“技”を決めがちっていう(笑)。
 
●歌も振り付けも、9人全員がいないと成立しないものになっている。
 
ユア:成立しないですね。9人の気持ちが揃わないと成功しないという意味で、過去最高の難易度だと思います。
 
ココ:Aメロは特にバトンタッチするような速さになっていて。しかも歌割りも均等にAメロからBメロまであるので、そこも面白いですね。
 
サキ:踊っていても楽しいです。
 
ハルナ:楽しい!
 
ドクソン:みんなに早く見せたいです。
 
●ギャンパレならではという意味では“正解何回だって 絞り出す!!”という歌詞も、らしいなと思いました。
 
ココ:確かにウチらは毎回、絞り出していますね(笑)。振り付けに関しても(サキとマイカの)2人が私たちにも意見を訊いてくれるので、やっぱり9人で絞り出している感じはあるのかなと思います。
 
サキ:ライブに関しても納得いくまでみんなで話し合っているし、誰かが特別に秀でていて、1人で何かをやっているという感覚がないんですよね。みんながそれぞれ絞り出そうとしてくれるので、結果的に良いものが生まれるんだなと感じていて。1人で作れば濃いものはできるのかもしれないけど、みんなに意見をもらったほうが自分だけでは生まれてこないようなものにまでつながっていく気がするから。そういうところも、ギャンパレの強みだなと思っています。

カミヤサキ


 
●なるほど。表題曲が明るいのに比べて、カップリングの「Dreamer」はダークな感じがしますよね。こちらは歌詞をユウカさんが担当されていますが、どんなイメージで書いたんですか?
 
ユウカ:これは自分がなりたくない人のことを書いたんです。人ってありのままでいすぎると“わがまま”になっちゃうけど、そういう人もいるじゃないですか。でもその人も心の底からそうしたいわけじゃなくて、コンプレックスや上手くいかないことがあるからだと思うんですよ。そういう網にかかってしまった中でもがきつつ、そこから抜け出そうとしているイメージで書きました。
 
●メジャーデビューシングルのカップリング曲ということも踏まえた上で、この歌詞を書いたんでしょうか?
 
ユウカ:はい。最初は“メジャーデビューのことを意識したほうが良いのかな?”と迷ったんですけど、曲を聴いたら“そういう感じでもないな”と思って。表題曲のほうは渡辺さんが歌詞を書くということで、絶対に今伝えるべきことを書いて下さるだろうと思ったので、こちらに関しては完全に曲を聴いたイメージのまま書きました。
 
●とはいえ、最後の“ありったけの期待を たんと込めて理想遠くて 超えたくて駆けたんです”あたりは、今の心境にも通じるのでは?
 
ユウカ:確かにそうですね。期待してもらっていると思うんですけど、自分たちはそれを超えていかないといけないから。“期待通り”とは言われたくないなという想いもあります。

テラシマユウカ


 
●突き抜けて明るい表題曲に加えて、カップリングでこういうダークな曲調を持ってくるのもギャンパレの振り幅を表しているのかなと思います。
 
ユウカ:こんなにダークな曲は私たちの中でも珍しいと思うので、最初に聴いた時はビックリしました。もっと明るい系の曲が来ると思っていたんですよ。
 
ココ:ヘンテコリンなやつとかね(笑)。
 
●「とろいくらうに食べたい」(※シングル『BREA- KING THE ROAD』収録)のような変化球ではなかったと(笑)。
 
ココ:ここ1年くらいは、そういう流れがありましたからね。
 
ユウカ:私も「来了」(※シングル『GANG 2』収録)みたいな変な曲が来るのかと思っていたら、めちゃくちゃカッコ良い曲が来たので、ちょっと興奮しました。また違う方向でフックの利いた曲が来たというか…、「とろいくらうに食べたい」も良い曲なんですけどね(笑)。
 
●ファンからも人気のある曲ですからね。色んなタイプの曲を表現できるのも、ギャンパレの持ち味というか。
 
ココ:私たちは“方向性が定まっていない”と、昔はよく言われていたんですよ。でも別に定まっていないわけではなくて、“全部ができている”というふうに解釈していて。受け取った曲を、その時の私たちなりに最高な曲に育てていくという方向性なんです。
 
ドクソン:音楽的にすごいことをしているアーティストって意外とジャンルが決まっていなくて、色んなものを取り入れていると思うんですよ。それによって苦労もしているんでしょうけど、結果的には面白いと言われたり、歴史を作ったりしてきているから。私たちもそういう存在になりたいし、まだ誰も聴いたことのない音楽を作れるところにまで至りたいんです。
 
ココ:オリジナルのジャンルを作っちゃう感じですね。今回のメジャーの1発目でこういう明るい曲が来たからといって、それをずっと続けていくというわけではなくて。色々とその時の自分たちに合ったものに挑戦して、幅を広げ続けたいなと思っています。止まることなく、色んなものに挑戦していきたいですね。

ココ・パーティン・ココ

 
●そういう想いがまさに“限界に挑む”という意味のタイトルを冠した“CHALLENGE the LIMIT TOUR”にもつながっている?
 
サキ:今までは目の前にあることに必死になりすぎて、“広げていく”よりも強引に“突き破っていく”感じだったというか。まっすぐな槍を突き続けている感じだったんです。でもこれからは“広げていく”ことができるところにまで、やっと来られたなと思っていて。
 
●槍で突き続けることで開けた風穴を、これからはどんどん広げていく作業なのかなと思います。 
サキ:確かにそうですね。今回の“CHALLENGE the LIMIT TOUR”ができるのも、1つステップアップできた証拠でもあるなと思うんです。ステップアップして限界を広げた先にあるものを、今後はちゃんと作っていきたいなと思っています。
 
●それでは最後にハルナさんから、ツアーへの意気込みをお願いします!
 
ハルナ:絶対に後悔はさせないので、大阪と東京での野音公演をぜひ観に来て欲しいです。来て下さった皆さんを幸せにします! これは…私からのプロポーズですね。
 
一同:パチパチパチ(拍手)!
 
Interview:IMAI

Member
カミヤサキ
ヤママチミキ
ユメノユア
キャン・GP・マイカ
ココ・パーティン・ココ
テラシマユウカ
ユイ・ガ・ドクソン
月ノウサギ
ハルナ・バッ・チーン

リリース情報
Major Debut Single
『ブランニューパレード』

WARNER MUSIC JAPAN /
FUELED BY MENTAIKO
WPCL-13035
¥1,000+税
2019/4/17 Release

ライブ情報
“CHALLENGE the LIMIT TOUR”
5/19(日) 大阪・大阪城野外音楽堂
5/26(日) 東京・日比谷野外音楽堂

more info→
https://www.gangparade.com/

 
 
 

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