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Nothing’s Carved In Stone SPECIAL LIVE REPORT:SPECIAL ONE-MAN LIVE “BEGINNING” 2019/2/27@豊洲PIT

Nothing's Carved In Stone SPECIAL ONE-MAN LIVE “BEGINNING” 2019/2/27@豊洲PIT 

未来へ向けた始まりの日。

 2009年2月27日、Nothing's Carved In Stoneが代官山UNITで行った初のライブの映像がスクリーンに映し出され、会場から大きな歓声が起きる。そのスクリーンの向こう側で4人が放った音がぶつかる。「Bog」でライブは幕を開けた。
 
 
 

 
 
 「Spirit Inspiration」ではG.生形のギターとBa.日向のベースが咆哮してオーディエンスを沸かせ、Dr.大喜多の繰り出すグルーヴで会場を揺らして「Moving In Slow-Motion」「Rendaman」と容赦なく攻め立てる。「Cold Reason」ではVo./G.村松の声が天井の高いPITのフロアを一気に埋め尽くし、ため息にも似た歓声が沸き起こる。
 
 
 

 
 
 「今日はBEGINNING、始まりの日」と村松が高らかに宣言し、「YOUTH City」「Brotherhood」と、まるで一陣の風が吹き抜けるかのようなサウンドを浴びせ、生形の声で始まる「Silent Shades」で会場の至るところから「オオオッ!」と驚きにも似た声があがる。1stアルバム『PARALLEL LIVES』の楽曲が組み込まれたセットであることにオーディエンスが気づき始め、興奮が加速する。
 今まで何度か豊洲PITでのライブを観てきたが、この日の“音”は過去最高だった。そもそもこの会場はギター、ベース、ドラム、楽器それぞれが桁外れに大きく聴こえる印象があったのだが、この日は音の輪郭がはっきりと浮き出ているようなコントラストで、今この瞬間に4人がどのような音を鳴らしているのか、感覚的に伝わってくる。4人が作り出す四角形の中で、全身で音を浴びているような感覚がたまらなく心地いい。
 
 
 

 
 
 生形が美しい旋律を鳴らし始め、村松が曲名を告げる前にフロアが沸き立つ。一音で世界を塗り替える4人と、一音でどの曲かを理解して興奮を沸騰させるオーディエンス。何者にも邪魔できない信頼関係が、ライブを更に熱くしていく。
 
 
 

 
 
 「シナプスの砂浜」「青の雫」と“歌”で魅了し、「Milestone」「きらめきの花」で会場がひとつになり、「エゴの塊のようなこの我々と、同じ感性の人がこんなに集まってくれるなんて。すごく幸せです」と村松が喜びをあらわにする。そしてこの日にワンマンライブを開催した理由を「今日はもう一度、初期衝動を持ってみんなの前に立ちたかった」と告げる。
 
 
 

 
 
 必然性をもって鳴らされた「Isolation」からオーディエンスの興奮は更に上昇し、ステージ上の4人が向き合って音をぶつけ合う最強のフォーメーションで放つ「Shimmer Song」で会場を埋め尽くす歓声のヴォリュームも、そして会場の熱もピークに到達。本編最後は「Same Circle」。そしてアンコールは「Sleepless Youth」。本編からアンコールにつながる格別な2曲で始まりの日を飾った後、新曲「BEGINNING」を披露。ザクザクとしたギターと畳み掛けるようなヴォーカル、凶暴なサウンドで作り出す生命力溢れる展開と青さを感じさせるエモーショナルなメロディ。Nothing's Carved In Stoneの新たな“始まり”を祝福する新曲が鳴り響き、ダブルアンコールでは未来を掴むための「In Future」。村松が「これからも未来を掴んでいきたいと思います」と高らかに宣言してワンマンを締め括った。
 
 
 

 
 
 
TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:TAKAHIRO TAKINAMI
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Nothing’s Carved In Stone 全メンバーインタビュー:大海へと進路をとった4人が目指すのは、水平線の先にある景色。

 
 
 

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