大阪で初雪を観測したこの日、今年一番の冷え込みの中、1年間温めてきたワンマンライブの日を迎えた。会場の心斎橋BIGCATの客席サイドに展示された、イラストレーター”かとしん”とのコラボ企画のイラストは、強力の様々な表情を子供の視線で捉えた、POPで可愛い作品がオーディエンスを迎える。オープニング曲はセカンドラインの跳ねる軽快なリズム。登場した強力は、タータンチェックのタキシードスタイルだ。日本人離れしたスタイルの良さを際立たせる彼のトレードマークとなっている。日本人では気恥ずかしいスタイルかもしれないが、しっかりと自分のものにしているのが印象的だ。2曲めHEROでは、すでに全員がスタンド・アップ。「メロディ」、「give all of oneself」とつづき、ゲストにオイカゼを迎えての「夢の地図」、「君の聲」はパフォーマンスも際立っていた。オイカゼとは、強力翔とTAaKA(聾者)yossy(聾者)の2名が加わり手話と歌を混合したオリジナルユニット。表現力豊かなステージングが会場の温度をさらに上げていく。そろそろ、後半戦も見えてきたころまたも、全員がスタンド・アップ。「rise up」、「応援そんぐ」ではタオルが振り回される。「明日天気になぁれ」のサビでは会場全体のコーラスがホールに響きわたり、アンコールの「あの星のように」で、またもオイカゼが登場。MC終わりでは、オーディエンスとの集合写真が撮られたのだが、マネージャーの奥田氏が会場内に見当たらず、自然と奥田コールが湧き上がる。アンコールラストの「THANK YOU」の前に”サインシンガーとしてもっと大きな景色も見たいし、もっと手話を広げていきたい”と涙ぐんで声をつまらせる強力。会場からは、温かい励ましの声、翔コールがかけられた。多くの人に支えられての活動に感謝し、関西屈指のライブホールBIGCATでのワンマンライブを実現させた彼は、確実に進化を示し夢を醸成させていくであろう。バンドメンバー全員での最後の挨拶は、会場にいたすべての人の心を一つにした。翔ワールドの住人たちは、今日からまた、全員で新たな夢のスタートをきることになる。
TEXT:PJ
PHOTO:髙橋とんこ