平均年齢24歳の4人組ロックバンド・BUZZRAPTOR(バズラプター)が、2/17に吉祥寺Planet Kで初の主催イベント“I WANTED SEE YOU AGAIN”を開催する。トリリンガルのメンバーも擁する彼らは、2018年8月より活動を開始。同年12/1に現名義に変更して本格的に始動した中で主催する初企画に、幼少期から憧れていたバンドだというシュノーケルの出演が決定した。自分たちの憧れだったバンドと“もう一度出会う”という夢を叶える形となった本イベントの開催を前に、両バンドによるスペシャルな対談が実現!
●今回、BUZZRAPTOR側のオファーで2/17に吉祥寺Planet Kでシュノーケルとの対バンが実現したそうですが、どういう経緯なんでしょうか?
坂本:根本的なところから話すと、僕がバンドを始めるキッカケになったのがシュノーケルなんですよ。
山田:えっ、マジですか…?
西村:僕らが人生を変えちゃったのか〜。
KABA_3:親御さんに謝りに行かないと…。
坂本:いやいや(笑)、本当に人生を変えてくれたバンドなんです。
西村:嬉しい! ありがとうございます。
●それはいつ頃のこと?
坂本:高校生の頃にアニメ『NARUTO -ナルト-』でシュノーケルの「波風サテライト」(2006年)を聴いて、“バンドがやりたい”となって。クラスの友だちに“シュノーケルのコピーバンドをやりたいから、一緒にバンドをやって!”と頼み込んだんです。それで高校1年生の時に初めてライブで「波風サテライト」と「エスパー」と「パントマイム」(※全て1stアルバム『SNOWKEL SNORKEL』収録)を演奏しました。
KABA_3:おおっ! 嬉しいですね。
●他のメンバーはどうでしょう?
萩谷:私も『NARUTO -ナルト-』のアニメを見ていたので、リアルタイムで聴いていました。
中嶋:僕も一番最初に買ったCDが、シュノーケルのベストアルバム(『Best+』)だったんです。
西村:人生で初めて買ったCDが僕らっていうのは、すごいことですね。
●『NARUTO -ナルト-』をキッカケに、みんな知ったんですね。
西村:僕らにとっても、初めて決まった大型タイアップだったんですよ。初オンエアの日はちょうどSHIBUYA-AXでのイベント出演だったので、楽屋のテレビで見て“おお〜!”となったのを覚えていますね。
●シュノーケルにとっても大きな出来事だったと。
西村:あれがみんなに知ってもらえる、初めての大きな機会でしたね。そこから『NARUTO -ナルト-』が世界中にどんどん広まっていくにつれて、僕らも世界中で知ってもらえるようになって。あの時もし別のバンドに決まっていたら、僕らは今頃住む家もなかったかもしれないわけで…。
KABA_3:ギターも質屋に入れてしまってね…。
西村:自分で手拍子しながら歌っていたかもしれないんですよ。
山田:そこまで行ったら、もう解散しろよ(笑)!
一同:ハハハハハ(笑)。
●冗談はさておき(笑)、本当に大きなキッカケだった。
西村:そのおかげで今でもブラジルやチリに行かせて頂いていますからね。
坂本:僕もYouTubeでブラジルでのライブ映像を見させて頂いて。ツアー中にご飯を食べたり、ビールを飲んでいるシーンがすごく面白かったです(笑)。
KABA_3:めっちゃ見てくれていますね。嬉しい!
坂本:本当にただのファンなんです(笑)。
●実際にライブを観たこともあるんですか?
坂本:シュノーケルが活動休止を発表した直後のツアー初日、渋谷CHELSEA HOTEL(2010年2月11日)に当時のバンドメンバーと観に行ったんですよ。実は何も知らずに行ったんですけど、その日のMCで活動休止することを知って“ええ〜!”となって。それでライブが終わった後に物販スタッフの方と話して、“僕もバンドをめちゃくちゃ頑張るので、いつかシュノーケルさんと対バンさせて下さい”と伝えて頂いたんです。
●スタッフさんを通じて、想いを伝えたと。
坂本:実際にその方がメンバーさんにも伝えて下さって、その時に西村さんが使っていたアコースティックギター用のピックとシュノーケルのロゴ入りピックを頂いたんですよ。それは今でも実家に飾ってあります。
西村:良い話だな〜。でも確かに当時、そういう話を聞いた記憶はあります。その時はまだ休止を決めたばかりだったから、“いや、(対バンは)やらねぇよ!”と思ったんですけど(笑)。
一同:ハハハ(笑)。
坂本:それはそうですよね(笑)。
KABA_3:当時はまだ活動再開のメドも全くないまま、休止したから…。
西村:活動休止を発表したばかりで、“これまでやってきたことをここで締めくくる”というモードに入ったライブでしたね。でもその話を聴いて嬉しかったことは何となく覚えています。
坂本:嬉しいです…!
●その時の夢が今回、遂に叶うわけですね。対バンのオファーを出す時は、勇気が必要だったのでは?
坂本:今回のスリーマンイベントをするとなった時にラクルイノヨルニは先に決まっていたんですけど、あと1組をどうしようかと考えていて。その中で“そういえば、あれから10年経ったな…”と思ったんです。そこからすぐにシュノーケルのホームページに行って、連絡先を調べて。メールの送信ボタンを押す時は、めっちゃ手が震えていましたけどね(笑)。それでメールを送ったら、2日後くらいにすぐ返事が来たんですよ。
山田:メールの言葉からすごく熱いものを感じたので、すぐメンバーにも共有して。その中にさっき話してもらったエピソードも書いてあったんです。
KABA_3:実際、そこに動かされた部分はありますね。
●メールの文面からも本気度が伝わったから、オファーを受けたんでしょうね。
KABA_3:本当にそうだと思います。
中嶋:ちなみに僕たちメンバーは、(坂本がシュノーケルにオファーしたことを)知らなかったんですよ。
●えっ、そうなんですか?
大川:坂本が勝手に決めてきた話なので…。
中嶋:僕らも最初にスタジオで聞いた時は“ええっ、シュノーケル…!”という感じで全員震えていました(笑)。
萩谷:本当に“ええっ!”っていう感じでした。
KABA_3:でもバンドのリーダーは、それくらいが良いよね。僕らのデビューが決まったオーディションに関しても、後で(西村から)“応募したから”と言われたから。
●メンバーに相談はなかったと(笑)。
西村:もっと言えば、まだ結成もしていなかったんですよ。“受かったらバンドで出るかもしれません”と書いて応募したら、デモテープ審査に受かっちゃって。
KABA_3:そのあたりでバンド結成となりました。
●応募の過程で結成(笑)。
西村:そこからライブ審査があったので、3人で(指定された)スタジオに行って、レコード会社の人たちを前に演奏したんです。その結果、決勝にも残って、優勝してデビューという流れだったんです。
KABA_3:スタジオに行った時はまだバンドとして、人前で演奏するのも2回目くらいだったんですけどね。
中嶋:すごい…!
●本当にすごいエピソードですね(笑)。
西村:ただ、“シュノーケル”という名前自体は1人で活動していた時から名乗っていたんですよ。3人で名乗るようになったのは、オーディションを通過して“ちゃんとやらなきゃな”という感じになってからでしたね。1人でライブをやっていた時代から、(現メンバーの)2人は観にきてくれていて。
KABA_3:後ろのほうでビールを飲みながら、“この音楽は伝わるのか…?”という話を2人でしていました(笑)。
●それはどういう理由から?
西村:自分の頭の中では、ドラムもベースも鳴っていて。1人でそれを全部やっているつもりになっていたんですけど、周りには全然伝わっていなかったんですよ。でもKABA_3には僕が1人で作った音源も聴かせていたから、(本当はどういうアレンジなのか)知っていたんです。
KABA_3:僕は本来のギターソロを知っていたので、“伝わらないんだろうな…”と思っていたんですよ。
●頭の中で鳴っている音を具現化できていなかった。
西村:そこで彼は元々ギタリストだったんですけど、“俺がベースを弾くから、バンドにしようよ”と言ってくれたんです。山田に関しても彼が前にやっていたバンドに、サポートギターとして僕が参加していたというつながりがあって。あと、僕がその当時アルバイトしていたレンタルビデオ屋によく山田は借りに来ていたんですよ。だからお店のレジ越しに、“ドラムを叩いてくれないかな?”とお願いしました(笑)。
●レジ越しに勧誘(笑)。ちなみにBUZZRAPTORは、どういう経緯で結成したんでしょうか?
坂本:実は今と同じメンバーでやっていたバンドを一度、僕は辞めてしまっているんですよ。そこから1〜2年くらい活動をしていなかったんですけど、もう一度バンドがやりたいと思った時にみんな(※現メンバー)のことが浮かんで。それで“もう一度君に会いたかった”というバンドを組んだんです。
●バンド名にするくらい、このメンバーと一緒にやりたい想いが強かったんですね。
坂本:でもその願いは、もう完結しちゃったんですよね。それに前のバンド名は音楽性と噛み合っていない感じもしていたので、現メンバーが揃って本格始動するにあたって“BUZZRAPTOR”という名前に変えたんです。僕も元から洋楽が好きだったので英詞にして、王道のロックバンドを目指そうということになりました。
●ここに至るまでに紆余曲折もあった。
坂本:やっぱり憧れのバンドと、自分自身ができることって全然違っていて。憧れはいったん置いておいて、自分ができることで、かつメンバーみんなが楽しめるものをやっていかないといけないことに気付いたんですよね。だから今のスタイルになってからシュノーケルともう一度会えたことは、僕にとってもバンドにとってもすごく幸せなことだと思っています。
大川:今のスタイルになって、前よりもすごく良くなったなと僕らも感じていて。
KABA_3:バンド名が変わったことへの想いをTwitterでつぶやいているのを読ませて頂いて。坂本くんが1人で演奏している音源は聴かせてもらったんですけど、BUZZRAPTORというバンドとしては今度のイベントが初対面になるのでとても楽しみにしています。
●BUZZRAPTOR側も夢が叶うライブということで、本当に楽しみなのでは?
坂本:僕らは絶対的にライブバンドだと思っているので、そこに関しては自信があって。自分たちのライブを観て、どう思ってもらえるのか楽しみにしています。あとはもう…死ぬ気で練習するしかないですね。
大川:2月のイベントでは“倒す”勢いで向かっていきますので、よろしくお願いします!
西村:良いですね!
中嶋:ちなみに対バンの日は「波風サテライト」をやったりするんでしょうか…? もちろん聴きたい気持ちもありつつ、ライブで聴いた時に自分がどうなってしまうのか不安な気持ちもあって…。
KABA_3:じゃあ、やめておこうかな…(笑)。でも基本的に「波風サテライト」をやらないライブはないんですよ。だから、その日もやると思います。
●ますます楽しみですね。
KABA_3:何なら最後にやりましょうか?
中嶋:その後に僕らが出てきて、ライブをするっていうことですよね…ヤバいヤバい! 本当に聴けたら、もう泣きながらステージに立っているかもしれませんけど、よろしくお願いします(笑)。
●萩谷さんはどんな気持ちで臨みますか?
萩谷:本当に偶然なんですけど、その日は私の誕生日なんですよ。だから大きすぎるプレゼントをもらいに行きたいなと思っています。
山田:頑張ります! 今日は皆さんからたくさんの気持ちを頂いたので、僕らも改めて気が引き締まったというか。
●当日に向けて、お互いに気持ちが高まった。
西村:本当に活動を再開して良かったなと思います。10年前に“対バンしたい”と言ってくれた坂本くんに、“あの時の自分は間違っていなかったな”と思ってもらえるライブをしたいですね。
坂本:あの時から10年経って、僕は1バンドマンとして“夢は叶えられる”ということを証明するような日にしたいんです。BUZZRAPTORというバンドが自分たちに憧れて活動を始めたということを、シュノーケルの皆さんにいつか自慢してもらえるような存在になりたいと思っていて。そういうライブができるように、しっかりとトリを務めさせて頂きます!
Interview:IMAI
BUZZRAPTOR pre. “I WANTED SEE YOU AGAIN”
2/17(日) 東京・吉祥寺Planet K
出演:BUZZRAPTOR / シュノーケル / ラクルイノヨルニ / PANDAHEAD(O.A)