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reGretGirl

いつまでも消えてくれないあの頃の記憶が、 心震わせる名曲をまた生み出し続けていく。

大阪発を拠点に活動する次世代センチメンタルギターロックバンド・reGretGirlが、2ndミニアルバム『take』を10/17にリリースする。昨年12月にリリースした前作の1stミニアルバム『my』に収録していた「ホワイトアウト」のMVが現時点(※2018年10月)で450万回以上再生されるなど今、大きな注目を集め始めている彼ら。Vo./G.平部の実体験を元にした、切なくも女々しい歌詞とキャッチーなメロディが多くの人の共感を呼んでいるのは間違いないだろう。フェスや大型イベントへの出演も続々決まり、ネクストブレイクの期待が高まる中でのスペシャル・インタビュー。

 

「心に残っているのは前の彼女だということもあって、結局はそういう歌詞になっちゃうんですよね。今後もし新しい恋人ができても、たぶん“この子のことを書くんだろうな”とは思っています」

●昨年12月にリリースした前作の1stミニアルバム『my』に収録していた「ホワイトアウト」のMVが現時点(※2018年10月)で450万回以上再生されていますが、そこまでの反響があると思っていましたか?

平部:いや、全然思っていなかったので、自分が一番驚いています。でもそれだけ共感してもらえているんやなと思うと、すごくありがたいですね。

●YouTubeのコメントを見ると、男性だけではなく女性からも共感されているのが興味深かったです。

平部:女の子も意外と多いですよね。一概に失恋を引きずるのは男だけとは言えないんやなと最近思いました。男女問わず共感してもらえているのも、本当にありがたいです。

●あと、“Tik Tok”というアプリで楽曲を多数使用されている関係で、そこから十代の人たちにも拡散しているようですね。

平部:僕自身も全然知らなかったんですけど、中高生とかティーン世代の間で流行っているアプリらしくて。人から聞いて調べてみたら、めちゃくちゃ再生されていたんです。そういうところでも僕らの名前を知ってもらえるのは良いことだなと思います。

●自分より若い世代にも共感されている。

平部:“誰が好き”とか“誰が嫌い”とか、そういうのに一番敏感な時期なのかなって。多感な思春期の中にいる人たちに、reGretGirlは響くのかなと思っています。

●実際に平部くんが歌っているのも、その時代のことが多いですよね?

平部:作品にもよるんですけど、reGretGirlを始めた頃がちょうど18〜19歳くらいで。“大人と子どもの間”くらいの時期やったんです。その時期にフラれたところから始まったバンドなので、そう考えると今の反響の仕方も納得がいきますね。

●その世代に共感されやすい内容というか。

平部:僕自身、そんなに特別な恋愛をしてきたわけじゃなくて。本当にありきたりなんですけど、だからこそ共感を呼べるのかなと思っています。

●前作では実際に失恋した経験を元に歌詞を書いていたわけですが、今回もそこは変わらない?

平部:M-5「よわむし」は女の子目線の曲なので、それだけはちょっと別ですね。でもそれ以外の曲は全部、同じ女の子に向けて書いています。

●「よわむし」は、女の子目線で書いた曲なんですね。

平部:“自分以外のことも歌えるんだぞ”というのをアピールしたかったというか(笑)。女友だちから“彼氏が浮気している”という話を聞いた時に、“こういうのも曲になりそうやな”と思って作ってみたのが「よわむし」なんです。この曲とM-3「(L)ONLY」は、デビュー前に自主盤で出した音源からの再録なんですよね。reGretGirlとしての新しい要素が欲しくて、今作に持ってきました。

●自分以外のことを歌っている曲は珍しい?

平部:かなり珍しいですね。でもそういうことも今後は歌っていきたいと思っていたんです。その第1弾みたいな形で、今回出せたのは良かったですね。

●それ以外は全て同じ相手に対して歌っているのは、あえてそうしたんですか?

平部:自分の場合は日頃から曲を作り続けているので、あまり作品を意識して作るという感じではなくて。心に残っているのは前の彼女だということもあって、結局はそういう歌詞になっちゃうんですよね。今後もし新しい恋人ができても、たぶん“この子のことを書くんだろうな”とは思っています(笑)。

●もし新しい恋人ができても、その子のことを歌い続けられる…?

平部:よく訊かれるんですけど、これからも問題なく歌えると思います。別に新しい彼女ができたからといって、今までの歌が歌えなくなるかといえば、絶対にそんなことはないと思うから。実際、前の彼女と付き合っていた時も既にreGretGirlをやっていたので、その時は“前の前の彼女”のことを歌っていたわけで。

●当時の彼女は嫌がらなかった?

平部:前の彼女は、割りきってくれていましたね。ライブも観に来てくれていたし、嫌だと言われたことはなかったです。僕がバンドをしていることにも理解があったからじゃないかな。

●M-4「イズミフチュウ」(=和泉府中)やM-7「黒鳥山公園」は地名だと思いますが、実際に彼女とそういう場所に行っていた?

平部:そうですね。僕が昔の恋人と過ごした場所を名前に付けたくて、タイトルにしました。いつも彼女を和泉府中駅まで、車で迎えに行っていたんですよ。「イズミフチュウ」は、僕の家から駅まで送っていく車中でのことを歌っているんです。

●そういうことだったんですね。これまでの歌詞を見ていると、平部くんは恋人に“もっと構って欲しかった”と言われがちなのかなと…。

平部:失恋してからはめちゃくちゃ落ち込んで女々しくなるくせに、付き合っている時はわりと淡白なんですよ。意外に思われるんですけど、あまり重たくないというか。“付き合っている”という安心感みたいなものが出てきてしまうので、束縛もしなくて。結局、フラれてから後悔する…というのがお決まりのパターンです(笑)。

●“大事なものは失って初めてわかる”みたいな感じですね(笑)。

平部:全くそのとおりです(笑)。結局フラれてから“ああしておけば良かったな”と思うことばかりで。それが曲になっていくんですよね。

●M-1「Shunari」では最後に“「また僕を好きになりますように」と願っているだけ”と歌っていますが、それは前の彼女に対して“いつか戻ってきて欲しい”という想いがあるということ?

平部:やっぱり…そう思っていますね。フラれてすぐ“次に行こう”なんて気持ちには僕はなれないので、戻ってきてくれるなら万々歳じゃないですか。だから、最後にそういう言葉が来ているのかなと思います。

●フラれても、相手のことを嫌いになったりしないんですか?

平部:やっぱりすごく良い子やったんで…。たとえフラれたとしても、嫌いにはなれないですね。

●相手に対して良い子だという想いがあるから、逆に自分の悪かったところを思い返して後悔してしまうのでは?

平部:ああ〜、そうかもしれない。逆にあんまり悪い子と付き合ったことがないので、そうなった時のことはわからないですけどね(笑)。

●もし悪女と付き合って騙されていたら、こんな良い歌にはならないと思いますが(笑)。

平部:でも僕にバレていなければ、それでも良いんですよ。結局は全て美化してしまいそうな気もします。

●ある意味、ポジティブな考え方ですよね。

平部:変にポジティブなところは出ているかもしれないですね。色んなものが美化された結果、曲がこういう形になっているのかなと思います。

●たとえば「Shunari」で“手を繋ぐだけで鼓動が高鳴っていたあの頃に”と歌っている部分も、相手も本当にそうなっていたかはわからないというか。

平部:確かに…。あんまり気にしたことはなかったですけど、そうですね(笑)。でも僕が高鳴っていたということは、向こうも高鳴ってくれていたと思います。その当時は付き合っていたわけだから。

●付き合う前のときめきみたいなものもありません?

平部:「Shunari」は、ちょうどその境目くらいの時期ですね。お互いに好きとわかっているけど、まだ付き合ってはいないっていう、一番楽しい時期のことを歌っていて。それこそ手を繋ぐだけでドキッとするような“あの頃”に戻ろうという歌ではあります。

●恋愛って結局、一番楽しいのはその時期な気もしますね。

平部:そうなんですよね…認めたくないですけど。

●認めたくないんだ(笑)。

平部:やっぱり“付き合ってからが楽しい”と言いたいじゃないですか。でも結局、その付き合うか付き合わないかの境目の時期が一番楽しいですよね。

●「(L)ONLY」で結婚のことまで妄想している描写も、付き合いたての時期ならではという気がします。

平部:そうですね。これは付き合ったばかりの初期衝動的な、舞い上がっている時の感じを歌っています。

●実際にそこまで思い描いたりする?

平部:誇張している部分はあるんですけど、そういうところまで考えてしまうフシはありますね。付き合って間もないのに“もし結婚したら、どうなるんやろう? 相手の両親とも上手くいくかな?”とか(笑)、そういう無駄なことまで考えてしまうクセがあって。そういうニュアンスを出したのが「(L)ONLY」かな。

●そういうことを考えてしまう性格なのかなと。

平部:付き合ってからは淡白だとか言っていますけど、結局そういう余計なことまで考えているのかもしれないです。それゆえに失った時のショックも大きいのかなと思います。

●付き合い始めると淡白というのは、M-2「replay」の“「そんな風じゃなかった一緒になる前は」”といった部分にも出ている?

平部:完全にそうですね。でも自分としては、全然そんなつもりじゃないんですよ。僕と付き合ったからといって、相手のことを制限するのは申し訳ないと思っているから、そういうスタンスでいて。でも向こうは“もっと構って欲しい。何なら束縛してくれるくらいでも良いのに”みたいな感じで、関係がギクシャクしたこともあったんです。それが「replay」には出ているのかな。

●ちなみにM-6「ピアス」で“「お前のだけやけに光って見える」ってニヤけていた日々は”と出てきますが、これはRADWIMPSの「ふたりごと」(『RADWIMPS 4〜おかずのごはん〜』収録)のオマージュでしょうか?

平部:これはちょっとした遊び心というか。僕自身もRADWIMPSを聴いてきた世代だから、リスペクトの意味もあって。カップルって同じところにピアスが開いていたりしたら、絶対に1回はそういうことを言っていると思うんですよ(笑)。RADWIMPSを好きな人なら“おおっ”となるかなと思って、ここに入れてみました。

●付き合っていた頃の良い思い出を重ねているというか。ここまで色んな曲を作ってきて、今もまだ別れた恋人に対して歌いきれていない想いがたくさんある?

平部:今ちょうど作っている曲もあるんですけど、それもその子のことを歌っているから…まだまだ行けますね。日頃からふとした瞬間に彼女のことを思い出して、歌詞のためにメモをとることが今でもあるんです。結局、ずっと自分の中に残っているんだなとは思います。

●「よわむし」以外は歌詞の内容的に前作の延長線上にある気がするのは、対象が同じ人だから?

平部:たぶん、そうやと思いますね。曲になっている人は変わっていないので、言ってしまえば『my 2』みたいな感じにはなっていると思います。

●歌詞を書いている時に、その子のことを思い出して悲しくなったりしない?

平部:最近はなくなってきましたね。バンドを始めたばかりの頃は、歌詞を書く度にしんどくなったりしていました。今でも歌詞を書いていて感傷的にはなりますけど、落ち込むことはないですね。

●「ホワイトアウト」がたくさんの人の共感されているように、歌にして発表することで自分だけのものではなくなるわけじゃないですか。それによって、気持ちが消化されている部分もあるのかなと。

平部:確かにそうですね。「ホワイトアウト」を出すまではずっと“自分のもの”だったところから、みんなに聴かれるようになったことで新しい消化の仕方をしているのかもしれない。あんまり自分で意識したことはなかったけど、言われてみたらそうかもしれないです。

●今回もさらに共感してくれる層を広げられる作品になったのでは?

平部:さっきも話したように『my 2』みたいなところもあるので、前作を気に入ってくれたら、今回も気に入ってもらえるような作品にはなっていると思います。

●前作を聴いて気に入ってくれた人を、裏切らないものになっている。

平部:そうですね。ただ、前回と全く同じではダメなので、アレンジ面や演奏面では進化もしていて。自分たち自身もレベルが上がってきているので、自然と全体のクオリティは上がっていると思います。

●リリース後にはツアーもありますが、音源だけではなくライブを観て欲しい気持ちも強い?

平部:音源や歌詞を取り上げられがちなんですけど、意外と僕らはライブバンドなんですよ。音源で聴いてもらっていた曲にライブでは感情がさらに乗るので、ぜひ観に来て欲しいなと思います。より一層、切なくなるはずだから。

Interview:IMAI

 

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