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【ライブレポート掲載】上北健、2度目の韓国ソウル単独公演は大熱狂。自身の過去を語る舞台でも観客を魅了。


 
上北健の自身2度目となる韓国ワンマン公演「KEN KAMIKITA LIVE/SECRET in SEOUL 2018」が、6/2・6/3の2日間に渡ってソウル・弘大(ホンデ)で開催された。
 
昨年10月に開催された初ライブでも大いに盛り上がったソウル公演だが、今回はそれをさらに上回る熱量だった。
初日はバンド編成で全19曲を演奏し、1曲目の「ビューティフル」から終始、楽曲を飲み込んでしまうほどの観客の大合唱が巻き起こる。
全編日本語の詞で歌われる楽曲。それでもステージに立つ上北に自らの言葉を伝えようと、鳴り止まない歌声は大きな塊になった。
 
ライブ中盤の「上昇」はライブアレンジされ、約3分追加されたイントロでは上北が観客を煽り立てる。
──こうしてみんなに歌を届けることができて僕は本当にいつも救われている。もし皆が同じように僕の音楽で、救われる、嬉しい楽しい、もう少し頑張ろう、苦しいことがあってもまた明日は次の自分で、新しい自分で生きていこうと思えるのなら、僕はこれからも歌っていこうと思う。そのために、韓国から日本に力を送り届けてほしい──
会場が割れんばかりの歓声に包まれると、再び「上昇」の大合唱が始まった。
 

 
韓国での知名度が高まるきっかけになったであろう「それがあなたの幸せとしても」は、上北が歌い手“KK”として歌唱した楽曲だ。今回は新たなアレンジで披露され、歌い出しの第一声を聴き涙を見せる観客も。
そして続く「ミスト」は上北健としての代表曲。その日、最も大きな歌声が会場を覆い尽くすと、上北は両手を天にかざし、観客の声に呼応するように渾身の歌声を張り上げる。
 
本編最後には、ライブ直前に配信リリースされた「ラストワン」を韓国で初披露。一般公開から2週間も経たない楽曲だが、それでもサビでは観客との歌声の掛け合いが起こる。
曲が終わろうとしたその時、オリジナルにはないパートが追加される。大熱狂のライブが終演するのを惜しむかのように、観客と「エイエー」の掛け声を投げ合う。
この公演を象徴する、熱くそして温かい、全ての思いが凝結した最高のクライマックスだった。
 

 
さらに翌日、同会場は着席形式に装いを変え、上北演出によるコンセプトライブ「Biography」を開催。自身の生い立ちを振り返る、約6,500字に渡るストーリーを執筆し、朗読。
セットリストは特にそれらの物語と関係の深い楽曲がラインナップされ、弾き語りとアコースティック編成で演奏された。
 
上北は全身白の衣装で登場すると、舞台中央で一礼。前日とは打って変わった雰囲気の様相に、観客は拍手で応える。舞台後方、地面に座り込む上北。手には一冊の本が握られている。
おもむろにそのページを開くと、舞台上のスクリーンにはとある松林を写した映像が流れ始める。そして上北は訥々と語り始める。左手は空をつかむような仕草で、ゆっくりと噛みしめるように言葉を紡ぐ。
映像には、まるで字幕映画のようにハングルが写し出され、観客は食い入るようにそれらに集中する。
 
物語に一区切りがつくと、上北は立ち上がり、アコースティックギターを肩にかける。弾き語りで「心分け」を熱唱。観客はただ涙しながらその歌声に耳を傾ける。
会場には上北の声だけが響きわたり、歌声そして言葉の力がダイレクトに感じられる。
 

 
繰り返し、繰り返し、物語の朗読と歌唱を続ける。上北は過去それぞれの時間を辿っているかのようで、会場はその世界に吸い込まれていく。
気がつけば、スクリーンは歩道橋の上の映像を写し出していた。上北は徐々に語気を強めながら、物語の結びに向かっている。幼少期そして少年から青年を生きた物語は、最後に「つまり、これまで話してきたことは、誰にでも成し得ることなのだ。僕はそれを伝えたかった」という言葉で締めくくられた。
その後、再び一人舞台中央に座り、「ビューティフル」を弾き語りで歌唱。全てを出し切った歌声の最後に「ありがとう」と呟くと、会場からは全てを包み込む拍手が送られた。
 
アンコールで上北は語った。
──僕がなぜ歌を歌っているか、それを少しでもわかって欲しかった。話せてよかったです──
そして最後は、上北も「僕が韓国で一番大好きな景色」と話す会場の大合唱を促し、「笑って咲いて」を演奏。歌声と心が一体になった会場は、大きな感動とその余韻を残し、2日間に渡った本公演が締めくくられた。
海を渡った上北健の歌声は、生きる力と強い絆を生み出していた。
 
なお、ライブ映像の一部が上北健オフィシャルインスタグラムにて公開中である。
 
 
■上北健「KEN KAMIKITA LIVE in SEOUL 2018」2018年6月2日 セットリスト
01. ビューティフル
02. クロス・ストリート
03. false color
04. Fly Fly Fly
05. 緑閃光
06. 新しい日
07. 上昇 -Live ver.-
08. 約束
09. 心分け
10. 月が綺麗 -First Quarter Remix-
11. メグル
12. それがあなたの幸せとしても -Look Back Again ver.-
13. ミスト
14. log
15. COMPASS
16. DIARY
17. ラストワン
en 01. ブルータウン
en 02. 笑って咲いて
 
 
■上北健「KEN KAMIKITA SECRET in SEOUL 2018」2018年6月3日 セットリスト
01. Monologue -1-
02. 心分け -弾き語り-
03. Monologue -2-
04. GROWAING POINT -弾き語り-
05. DIARY -Guitar Session-
06. Monologue -3-
07. アイニイキル -Acoustic Edition-
08. Monologue -4-
09. 心根 -弾き語り-
10. 約束 -Guitar Session-
11. Monologue -5-
12. ミスト -Acoustic Edition-
13. 本音の手紙
14. Monologue -6-
15. ビューティフル -弾き語り-
en 01. 笑って咲いて
 
 
■リリース情報
配信シングル「ラストワン」配信中

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