人々はいつから現実の向こう側と戯れる踊りを忘れてしまっただろう。そしてこの音楽は奮闘している、かつて踊る行為が儀式的だった頃に手にしていた非現実を取り戻すべく。日常の音から音楽が生まれていく、日常の音が重力から解放されて四方を彷徨っている。それではこの音楽は日常の再構築かと問われれば、違う、と私は答えるだろう。この音たちはあなたを容易に嘲り笑う。これは日常の再認識を促す音楽であり、挑発だ。
あなたは路上にいる、しかし立ってはいない、音楽の中で浮遊しているのだ。かつて詩人は言った、決してやって来ない人を待つのがパワーなんだ、と。そしてそこで確かにこの音楽の声を聴 く、この超現実の中で、あなたがやって来るのを待っている、と。あなたは決してやって来ない人の役割を回避できるかもしれない。その実、あなたはいつだって踊れるのだから、自由なステップで。shall we dance?
■リリース情報
Salvaged Tapes
SVTP-005
¥3,000+税
2018/5/2 Release