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【ライブレポート】ircleがIvy to Fraudulent Game、Halo at 四畳半とのスリーマンをO-Crestで開催。


 
 大分出身の4ピースロックバンド・ircleが、TSUTAYA O-Crestにて、4/27に「HUMANisM 三つ巴編 2018」としてIvy to Fraudulent GameとHalo at 四畳半とのスリーマン、翌日4/28に「HUMANisM 大乱闘編 2018」として全11組による大規模イベントを2日間連続で開催した。
 今回レポートするのは初日の三つ巴編。Ivy to Fraudulent GameとHalo at 四畳半は同じ事務所の所属バンドという縁あっての対バンだったが、そこに馴れ合いは一切無し。2バンドとも先輩であるircleを敬いながらも、闘志剥き出しのまま自分の出せる最大限のカラーを出し切った全力のアクトを繰り広げていた。
 

 
 そんな2バンドとフロアの絶大な期待で満ちた会場に堂々たる様子で現れた河内健悟(G./Vo.)、仲道良(G./Cho.)、伊井宏介(Ba./Cho.)、ショウダケイト(Dr.)の4人は、河内の“お待たせー! バッキバキでいくよー!”との宣戦布告から「HUMANisM」をぶっ放し、さらに伊井のシャウトが突き刺さる「ベニ」や「ノーリタイア」とゴリゴリのロックチューンを連投!
 序盤からぎらつく彼らの狂気めいた気迫はこちらがたじろいでしまうほどで、その攻めたアクトに彼らの気合いの入りっぷりをまざまざと感じた。それは河内の“俺は音楽で感動していたいから、自分がワクワクせんようなバンドには声掛けん”との言葉通り、前2バンドの最高のアクトに感化されたからこそ生み出された相乗効果の賜物なのだろうし、だからこそこういったバチバチの対バンは面白いなと思えた。
 

 
 その後「風の中で君を見たんだ」やベースソロに心躍る「桃源郷 ex.ニヒルガール」などをプレイし、前半とはまた違った疾走感のある明るさで会場を盛り上げた彼らは、“例えば自分自身のことでも人のことでも、真剣に向き合うっていうのはそう簡単なことじゃない。まぁでも、絶対に忘れちゃいかんよな”と語り、5/2にリリースとなるミニアルバム『CLASSIC』から「わかりあうこと」を披露した。
 ライブを観ていると稀に、自分とは全く別箇の人間から生み出された言葉なのにも関わらず、まるで自分の胸中を全て見透かされたのではないかと錯覚するほど完璧に音楽と自分がシンクロすることがある。その瞬間は泣くでも叫ぶでもなく時間が止まったかのようにただただ身体が動かなくなるのだが、この曲はまさにその作用を引き起こす引き金になったし、あの時間は確かにフロアの時間は止まったように静かだった。
 この曲だけでなく、ircleの全ての音楽の絶対的根源にある“自分を誤魔化さない”というそういった想いは、続く「あふれだす」や“あんたの想いもいつか全部消えるよ。だから、今焼き付けるしかないんだよ。あんたの思うように生きればいい”と力強く叫んだ「セブンティーン」、ラストを飾った新曲「なんにもない」に至るまで、深く強く観客の胸を打ち続けた。
 

 
 そして再度熱望されたアンコールでは“ガキの頃から歌っている捻くれたラブソングを!”と「本当の事」、さらにダブルアンコールでは「未来」を熱演! 最後に“これからもこの3バンドを末永くお願いします! アイビーとハロとircleとCrestでした!”と事務所の長男としてしっかりと言葉を残し、4人はステージを後にした。
(Text:峯岸利恵 / Photo:FUJIKAWA MASANORI)
 

 
 
■セットリスト
1 HUMANisM
2 ベニ
3 ノーリタイア
4 風の中で君を見たんだ
5 ダイバーコール
6 桃源郷 ex.ニヒルガール
7 わかりあうこと
8 あふれだす
9 瞬
10 セブンティーン
11 なんにもない
 
En 1 本当の事
En 2 未来
 
 
■ライブ情報
ircle New Mini Album「CLASSIC」リリースツアー “心の真ん中に何がある”

7/13(金) 渋谷CLUB QUATTRO(※ワンマン)
 
 
■WEB
ircle Official Site

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