ワシントンDCのポストハードコアバンド、FUGAZIの映像作品『INSTRUMENT』が『INSTRUMENT フガジ:インストゥルメント』の邦題で、初の日本語字幕付・フルHDリマスター版にて劇場公開されることが決定した。
本作はUSハードコア・パンクをMINOR THREATで開拓したイアン・マッケイ(Vo./G.)がポスト・ハードコアを実践すべく80年代後半に始めた、ワシントンDCを拠点とするFUGAZIの映像作品だ。
インテリジェンスに富むバンドながら、肉体的な表現が身上であることを示す 1987〜1998年のライブ映像が中心となっている。また、レコーディングのシーンやメンバーのインタビュー映像も収録。
FUGAZIの音楽と同様にプリミティブな撮影によって生々しさが醸し出され、適度に挿入されたモノクロ映像も、本作の彫りの深い仕上がりに一役買っている。
詳細は音楽評論家の行川和彦氏による解説を下記に掲載するので、ぜひ参考にして欲しい。
3/17(土)の新宿K’s cinemaより、全国劇場にて順次公開予定となっている。
■行川和彦(音楽評論家)氏・解説
USハードコア・パンクをMINOR THREATで開拓したイアン・マッケイ(Vo./G.)がポスト・ハードコアを実践すべく80年代後半に始めた、ワシントンDC拠点のFUGAZIの映像作品。
インテリジェンスに富むバンドながら肉体的な表現が身上であることを示す1987〜1998年のライヴが中心で、その様々なシチュエーションにFUGAZIの意思が表れている。
レコーディングのシーンも織り込み、メンバーのインタヴューからは我が道を行く率直なアティテュードが伝わってくる。
“信者”のようなファンも多いが、それ以外の観客を映し出すところも波紋を投げかけるFUGAZIのパンク精神そのものだ。
FUGAZIの音楽と同じくプリミティヴな撮影で生々しさが醸し出され、適度に挿入したモノクロ映像も彫りの深い仕上がりに一役買っている。
発言部分だけでなく歌詞も日本語の字幕付だが、言葉に頼った説明的なドキュメンタリーとは一線を画し、詩情が滲む寡黙な名作である。
なお今回の劇場公開は、DIY姿勢ゆえに音源管理等に厳しいディスコード・レコードが初めて日本にライセンスして実現したものであり、またフルHDリマスター化という点も特筆したい。
■作品情報
『INSTRUMENT フガジ:インストゥルメント』
監督:ジェム・コーエン(『ミュージアム・アワーズ』『ベンジャミン・スモーク』)
配給・宣伝:CURIOUSCOPE
アメリカ / 2003 / 117分 / 英語 / モノクロ・カラー / ドキュメンタリー
(C)1998, 2018 Dischord Records
■WEB
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