有限会社からついに株式会社へ。そして、上場企業を目指す!!
●「アイスラッガー」「ハイグラビティー」「(有)サイトウキカク」と、関西・中京で活躍していたグループが前身ですが、メジャー流通を期に「(株)サイトウキカク」になり、何を企み、いや、何を目論んでるんですか?
慎太郎:目論んでいると言うか(笑)。2009年に急遽バンドが終わってしまって、丁度ワンマンをステップアップしている段階でして。
●ハイグラビティは急遽終わったの?
慎太郎:いえ、その前の「アイスラッガー」です。
●ほうほう。
慎太郎:僕たちは尼崎Deepaって言う所を拠点にずっと活動してたんですけど、「100人ワンマンやって、200人やって、300人やって」みたいに500人ワンマンぐらいまではやろうって流れで動いていたんですけど、“コイツ”(タツヤ)が結婚したので終わりました。
●“コイツ”と言うのが?
タツヤ:タツヤナイスガイです。
●タツヤナイスガイが結婚した。
慎太郎:ある日突然スタジオに来なくて「やめます」って言う連絡がきてたんで、「ヤバイ子どもができたぞ」って。
●ストーリー的には面白いですよね。
慎太郎:揉めてました(笑)
一同:ハハハ(笑)
●ライブには来たの?
慎太郎:急遽ラストツアーになりましたね。ヤツは2本しか来なかったけどな。
タツヤ:出産費を稼がないといけなかったので。
●本来なら「お前ふざけんな!」って話ですよね(笑)。
慎太郎:そのことを思い出すと腹が立ちますけどね(笑)でも「幸せになれよ!絶対離婚とかすんなよ」って言ってたんですけど…
タツヤ:ちょっと無理やったっすね…
●ナイスガイの事件があり、間にハイグラビティーというバンドを挟んで、今の(株)サイトウキカクに繋がる感じですね。
慎太郎:そうですね。
●今の“3MC1DJ”のスタイルになったのは必然的な話なんですか。
慎太郎:ハイグラビティーもユニットの形態で、楽器を弾いていない期間が長過ぎて、弾けなくなりました。
●弾けなくなった!?
慎太郎:なんか…こう…そこそこの年齢で人前で弾いて「あいつら下手くそやな!」って言われるの嫌やなって思って(笑)。
タツヤ:「指痛い」って言ってたもんな(笑)。
一同:ハハハ(笑)。
●ゴールデンボンバー的なとこまでは行かずに二枚目な路線で?
慎太郎:打倒ゴールデンボンバーって言いたいですね(笑)確か同い年なんで。
●そうなんだ。
慎太郎:アイスラッガーの時からゴールデンボンバーって名前はちょくちょく聞いてたんで。対バンする事は無かったんですけど。
●若干被るところはあった?
慎太郎:そうですね。期間的には同じ時期だと思います。神戸の変なシーンで戦ってたアーティストですね(笑)。
●神戸で。
慎太郎:神戸のスタークラブって言うライブハウスに出てた時に「ゴールデンボンバーとやったらええのに」って話はあったんですけどできなかったですね。僕らが出てるようなシーンはやっぱり若い人達が多くて、特にダンスボーカルユニットとかが多いですね。
●だから若い芽を摘んでやる的な(笑)。
慎太郎:いやいや、どっちかって言うと若い子に頑張ってもらって僕らも引き上げてもらおかな的な(笑)。
一同:ハハハ(笑)
●タツヤも全然ナイスガイちゃうやん(笑)。
慎太郎:だいぶこすいよな(笑)。
タツヤ:名前が先行してるとこありますね(笑)。
●メロディについては?
慎太郎:僕らの曲はループ系のものが多いので、印象に残り易いのかなっていうのがありますね。口ずさみ易いと言うか。
●影響された音楽はあリます?
慎太郎:19とかロードオブメジャーとかですね。
●なるほど。ライブが盛況だと聞いておりますが。
慎太郎:ありがとうございます! 先日も主催してるイベントでしたが、集客も増えて来ています。
●なぜか名古屋で人気があるとも聞いてるんですが。
慎太郎:拠点が名古屋なんですよね。
●なんで?(笑)
慎太郎:(有)サイトウキカクを組んだ時に、僕と名古屋のライブハウスの人で「ミュージックトリップ」と言うイベントをずっとレギュラーイベントとしてやってるんですけど、そのイベントが軸にあって、そのために(有)サイトウキカクを作ったようなもんなんで。
●でも慎太郎は大阪に住んでますよね?
慎太郎:なんやったらメンバー全員大阪です。
●それで名古屋からスタートした。
タツヤ:一発目も名古屋でしたね。
慎太郎:毎月名古屋には行ってますね。
●やっぱり大阪が嫌いなんだ(笑)。
慎太郎:そうっすね、いやいやそんなことないです(笑)。
●なんで音楽業界へ?
慎太郎:僕らは大学の同級生なんですよ。
タツヤ:アイスラッガーの時、僕はスタッフやったんです。
慎太郎:昔、テレビ朝日に「THESTREET FIGHTERS」って言う番組があって、面白いバンドがいるって事で、一日ガッツリ特集をしてもらいまして。その時にスタッフだったタツヤがめっちゃ気に入られたんですよ。パフォーマンスが面白いって!
タツヤ:表に出ちゃうタイプのスタッフだったんです。
●なるほどね。それで目立ったと。
慎太郎:チアガールとかブルマで出てきたりするんですよ。
●はあ?…
タツヤ:後のタツヤナイスガイです(笑)。
●それがTVウケしたと。
慎太郎:そうですね。SNSもまだ全然ない時代の話なんで、TVキッカケで東京とか名古屋とかにファンもできました。あとは先輩達がプッシュしてくれたおかげで色々な場所でライブが出来るようになりましたね。
●タツヤナイスガイ的には当時の印象はどうやったの?
タツヤ:僕の出演時間が30秒とかなんですけど、スタジオの練習代は同じように払ってたんで…
●そこはメンバーとして分割されてるんだ(笑)。
タツヤ:チケットノルマとかも頑張ってましたね。なんでやろと思いながら(笑)
●そこからメンバーになったと。
タツヤ:そうですね。
●それから、音楽はずっと続けていたんですか?
慎太郎:タツヤナイスガイは就職してちょっと間が空いてますね。
タツヤ:今は、仕事をしながら活動してます。
●なるほど。30代のお二人から見て今のインディーシーンはどうですか?
タツヤ:若っ! って感じで、ギャップはやっぱりありますね。年齢的な序列でみんな敬語を使ってくれるんですけど、僕は業界を離れていて、離れる前は敬語を使ってた側だったのでそこもまだ慣れてないですね(笑)。
慎太郎:バンドのシーンはあまりよく分からないんですが…
●あれ? クラブシーンでしたっけ?
慎太郎:そうですね。僕らクラブシーンなんです。対バンとかもラッパーの方とかだったりなんで。
●マジか! ごめん見た目でクラブではないと思ってた(笑)。
慎太郎:かなり言われますけどね(笑)。レゲェの人とかとおったらやっぱ見た目全然違うんで。
タツヤ:逆にそこで違い出してる見たいな(笑)。
●歌詞の世界観に特徴が。
慎太郎:みんなの背中を押してあげれる様な前向きな曲を歌いたいなって思ってます。
●いきものがかり的な?
タツヤ:もうちょっとひねくれてますね(笑)。
●どんな感じに?
タツヤ:僕らも色々あったけど頑張って来たんで、みんなも頑張りや!見たいな(笑)。
慎太郎:そんな透明感はないですね(笑)。苦労をみんなで分かち合う感じの“背中押す曲”ですね(笑)。
●みんな同じやと思うからこそ背中を押すという。
慎太郎:そうですね。みんな仕事があったり学校があったりすると思うんです。僕も普段は仕事してますし。そこで一つの音楽というカテゴリーでちょっとでも楽しんで明日から頑張ろうって思ってもらえれば嬉しいなと思ってます。
●今回はメジャー流通になりますが。
慎太郎:やっぱりメジャーは僕らの中でもずっと目標で、個人的には10代から持ってた目標だったんです。年齢とかじゃなく、諦めなければチャンスがあるかもしれない、見せていけるかなとも思ってます。
●なるほど。見え方が違ってくるもんね。
慎太郎:本当にそうですね。
●曲は誰が作ってるの?
慎太郎:僕が作ってます。歌詞はタツヤナイスガイと一緒に書いて、メロディは僕がって感じですね。他2人はなんもしてないっす(笑)。
●ハハハ(笑)。ここにいないからって(笑)。
一同:ハハハ(笑)。
●これから全国での展開に伴って露出も多くなると思うんですけど、これからやっていきたい事などありますか。
慎太郎:インストアライブや、路上ライブとかを今まであんまりやってこなかった部分があるんで、そこを新しく挑戦したいですね。
●うんうん。
慎太郎:僕らを初めて見た人にもちゃんと届けて、CDを手に取ってもらえるようにって思ってます。あとは小規模でもいいんで全国でワンマンライブが出来るように展開したいですね。
●行った事のない所からオファーがきたりはする?
慎太郎:前に福岡のアーティストから初めてオファーがあって、イベントに参加したんですけど、そこでお客さんが結構増えたんです。そこから3回目ぐらいで福岡ワンマンやりましたね。
●なるほど。目標にしてるフェスとかってあるんですか?
慎太郎:フェスは特にないですね。「サマーソニック出なよ!」って言われたら出たいですけど…
タツヤ:そら、もちろん。
慎太郎:フェス願望はって聞かれると今はないですね。もっとスキルアップして、実力を兼ね備えてから出たいなって思います。どちらかと言うとメディアとかに出ていきたいなと。
●スキルアップとは。
慎太郎:もっとエンタメ性を磨いていきたいです。神戸のシーンでずっとやってたんですけど、神戸ってエンタメの文化が強いじゃないですか。
●ちょっと変わってるけどね。
慎太郎:確かに変わってるんですけど、僕らが見てきた先輩達は面白かったし楽しいライブをしてたんで、原点に返ってそういうところを目指していきたいなと。
●なるほど。今回のアルバム『サイトウキカク3』なんですが、注目すべきところはありますか?
慎太郎:今回は1曲だけカバー曲を入れてるんです。少年カミカゼの「MUSIC VIBE」って曲を。10代の時から追いかけてきたメジャーバンドの先輩でもあるんで、僕らのCDにも入れてちょっとでも恩返し出来ればと思ってます。あとはアイスラッガーの時にやってた曲のリメイクだったりとかもありつつ、今のサイトウキカクらしい、新しく書き下ろした曲もあります。
●リリース後の動きは?
慎太郎:ちょっとアナログな動き方をしようかなと思ってます。ワンマンライブとか企画とかはもちろんやるんですけど、ストリートツアーみたいなものをやろうかと思ってます。路上で聞いてもらって、チケットとかCDを売るみたいな。
●なるほどね。クラブシーンも、バンドシーンも分かる存在で、そういう意味では2つの架け橋になれると思うんですけど。
慎太郎:やっぱりお世話になったライブハウスとかには、ツアーとかで対バンが普通のバンドでも出ていけたらなとは思ってます。
●なるほど。この歳になって結構攻めの体勢に入ってますけど、そのモチベーションはどこから?
慎太郎:どこなんすかね(笑)
タツヤ:どっからやろか(笑)
慎太郎:音楽はずっと好きっていうのはありますね。あとは負けたくないっていう負けず嫌いな部分も。
●大切な事ですね。
慎太郎:正直クラブシーンだと、顔だけのグループとかもいるんですよ。イケメン5人で歌って踊ったら売れちゃいましたみたいな。
●あー、基本顔やもんね(笑)。
慎太郎:そうなんすよ。そういうのには負けたくないですね。
タツヤ:そこでエンタメ性で対抗していこうかなと。
●もう話に飽きてきたので、最後になにかメッセージを!(笑)。
慎太郎:CDがバカ売れして、僕らを天狗にさせて欲しいですね(笑)。
タツヤ:ハハハ(笑)。
●天狗になりたいよな(笑)。
慎太郎:やっぱり1回ぐらいはなってみたいですね天狗(笑)。アイツ調子乗ってんなって言われたいです。
タツヤ:う〜ん…取りあえず1回天狗にはならしてもらって、あとは…モテたいです…。
一同:ハハハ(笑)。
Interview:PJ
Assistant:Shunya