たっきゅんが日本一の漢を目指す連載『続・たっきゅんのキングコングニー』。前々回は神奈川県の早雲山駅から1人1000円で2日以内に新宿まで帰ってくるという企画、そして前回は東京都内からママチャリで青木ケ原樹海まで行って一泊して帰ってくる(しかもたっきゅんの誕生日に)という企画にチャレンジし、見事2回ともギリギリ限界でクリアした我らがたっきゅん。『続・たっきゅんのキングコングニー』連載4回目となる今回は、しばらくできていなかった千葉県八千代市の新川の掃除を予定していたが、あいにくの台風接近で断念。よって今月号ではたっきゅんに、35歳になった2017年夏の思い出を振り返ってもらいつつ、今後の当連載の企画会議を行った。
今回の『続・キングコングニー』はインタビュー形式ということで。
最近は忙しめなスケジュールだったので、なかなか新川の掃除(NEW RIVER PROJECT)に来れなくて。それで久々と思って今日集まったけど、台風も一緒に連れて来ちゃいましたね。
そうですね。なので今日は、34歳から35歳になった2017年夏の近況を振り返りましょうか。
今も言ったように今年の夏は結構忙しくて、初めて1人でフェスに出させてもらったり。
“MONSTER baSH 2017“は9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎SESSIONで呼んでもらって。あとは“SHIKABANE”というイベントで、佐々木亮介(a flood of circle)、菅原卓郎、山田将司(THE BACK HORN)と4人で弾き語りをやって。それから嬬恋の“Topped! 2017”に1人で行ったり。
そう。歌録りして、今は歌詞を作っています。でもこんなこと言っていいのかわからないけど…歌詞を書きたくなくて。
制作を始めて“日本語詞にしよう”と決めていた曲の歌詞が、かれこれ3ヶ月くらいずーっと悩んでいて。
だから刺激を受けて、“絶対いい歌詞書けるわ”と思っていたんだけど…。
ハハハ(笑)。でもいい考え方とかを溝口さん(ヒッチハイクで乗せていただいた方)からもらったし、2人でいろいろとやり取りしていたことを実はメモっていたんですよ。
でも最終的にそれを形にする段階で、言葉選びとか表現で悩んでいて。まあでも、“ここを乗り越えたらいいことがありそうだな”という感じですね。
“SHIKABANE”は良かったですね。みんなバンドを背負ってきているし、4人それぞれ違う個性がある、みたいな。そういうのが嬉しかったです。いいヴォーカリストと並べているのも嬉しいし。
あとバンドで出たフェスもよかったですね。僕らしい感じでライブが作れるようになってきているから、のびのびできているというか。
“RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017”で観たB'zですね。10-FEETのNAOKIさんと、「ultra soul」で跳びました(笑)。
ロックスターというか、時代を作ってきた人たちはかっこいいと改めて思ったんですよ。今年の夏じゃないけど、過去のフェスで観た聖飢魔IIとか井上陽水さんもすごくかっこよかった。ライブをちゃんとしてきた先輩のライブを、もうちょっとちゃんと観てみようかなと思ったんですよね。B'zはすごく音がハードロックで、それが超かっこよくて。ロックスターだし、めちゃくちゃセクシーだし。
世代を超えていますしね。それくらいのパワーが音楽にあるんでしょうね。
あと今年は“京都大作戦2017”に出られたのが嬉しかったです。でも俺が得意としている、自分から人に近寄っていけない性質があるので、友達は増えなかったけど(苦笑)。
たぶん僕たちのことを知らない人がいっぱいいて、その中に10-FEETが突っ込んでくれて、ライブをさせてくれたというのがすごい感謝だし。その中で、ちゃんと自分たちらしいライブができたかなと思ったので、よかったです。色々確認できたし、先に進められるチャンスをたくさんもらいました。
夏の思い出と言えば、当連載『続・たっきゅんのキングコングニー』で2回企画をやったじゃないですか。どっちも罰ゲームみたいな企画でしたけど。
『続・たっきゅんのキングコングニー』企画第1弾:ザ・サバイバル! 往路2000円、復路1000円で2人は帰って来れるのか?
『続・たっきゅんのキングコングニー』企画第2弾:ザ・サバイバル! チャリで樹海まで行って野宿!
久々にキングコングニーをやって、“行き当たりばったりでも何とかなるかな”と思ったんですけど、1回目は結構キツかったなと思って。
僕らは少々の苦痛を乗り越えられる体質になっているから、“もうちょっと過酷でもよかったかな”と思った。
だって拓さん、小田原に着いたあたりから急に自分の首を締め始めましたよね。いきなり「コーヒー飲みたい」とか言って金を使わせようとしていましたし、「小田急使うの禁止」というクジを新たに作ってたし。
片道4000円くらいで行けるところまで行って、2日間で帰ってくるとかでもよかったんじゃないかと。
片道4000円くらいで行けるところまで行って、2日間で帰ってくるとかでもよかったんじゃないかと。
でもお互い日程に制限があったからからね。でも、いい企画でした。溝口さんにも感謝の気持ちが芽生えて。あの第1弾を経て青木ヶ原の樹海に行ったけど…あれは本当に過酷だったじゃん。
だからキツいことも超えられる体質になってるというのが確認できた。思いのほか、帰ってきても“大丈夫かな”と思っていました。あの日、息子はたたなかったけど(笑)。
でも印象的だったのは、山中さんがどういう性格なのかわかったということと、お化けは人間の脳が見せているものなんだということ。
そうそう。「人間の思い込みが霊を見せている」っていう話、何度もしましたよね。
樹海に着いて「まずテントを建てよう」となって、林道を歩いていきましたけど真っ暗だったじゃん。林道の両サイド2〜3m先も見えなくて。その樹海の中に座ってこっちを見ている女の人がいたんですよ。俺は本気で怖くて、“見っけちゃった!”と思って。
その後、樹海の奥まで行って戻って来た時に、帰り道でも座っている女の人が見えたんですよ。そこで俺は“これは俺が見たくて見ているんだ”と思って。真っ暗な樹海で怖い気持ちになっているから、怖いものが見たくなっているっていう。
「枝が落ちたかな?」みたいな話をしている時だっけ? 確かに音は鳴っていましたね。
樹海の入口にコンビニあったじゃないですか。あそこにたどり着いた時点で“これ怖いやつだ”と思っていて。
あそこで“行きたいくない”と思った。そこから樹海まで2〜3キロあったじゃないですか。山道が暗くて怖くて。山中さんは時間ないからって、すごい頑張ってチャリ漕いでたじゃん。その感じも、2人でそういう感じのゾーンに入っていくように思ってしまって。怖い場所に自らどんどん入っていくみたいな。大通りからは外れた車通りの少ない脇道に入っていったけど、あそこがピークでしたね。“ここで泊まるの?”みたいな。手も震え始めちゃってた。
きっと、拓さんは暗闇に慣れていないからだと思うんですよ。僕は実家がめちゃくちゃ田舎だったから、子どもの頃から夜中に家を出て、田んぼの真ん中で1人寝転んで空を見ていたりとかして。そういう感じだったので、基本的に夜は街灯がないのが普通になっているんですよね。
山中さんがいなかったら泊まれなかった。1人だったら戻っていたね。
だから山中さんを見て思ったのは、“お化けとか心霊現象に対する捉え方がすごいな”ということ。あともう1つ思ったのは、“何でこんなに無理するの?”ということ。
「頼むから休んでくれ」とか「頼むから水飲んでくれ」と何回も言っているのに、全然飲まない。
下り坂なのにずっと変な声漏れてるし。だから途中で「お願いだから休んで」と言って。
あそこで休んでいなかったら、死んでいましたよ(笑)。炎天下で半分熱中症になってた。
あそこで休んでいなかったら、死んでいましたよ(笑)。炎天下で半分熱中症になってた。
さっき「もっと厳しくてもよかった」と言ってたじゃないですか。でも正直、樹海はもう二度とやりたくない。
歩き疲れるのはなんとか受け入れられるんですけど、チャリの疲れって人体の容量以上の負荷がかかるような気がする。
でもすごくキツいことをやったら、企画がなんとかなると思ったんですよ。我々の性格上、面白いことが言えなくなるくらい限界までいったほうが形になるなと。
そうですね。だって俺、本当は35歳の誕生日なのに36歳だと思っていたもん。
次にやるのは修行かなと思っているんです。来年のコラムは『たっきゅんと編集長のチャリ旅』にします?
いいですね。もしくは今後何か企画をする場合、全部チャリで行くとか。
“あいつらまたチャリで行っている”みたいな(笑)。「二度とやりたくない」とか言っておいて、何でこうなるのかな…。
「二度とやりたくない」とか言っておいて、何でこうなるのかな…。
2人とも頭おかしいですからね。“やったらアカンことをやらなきゃいけない”という感じになってる。
海とかは怖くてダメなんですよね。最短ルートで死ぬと思うので…。
あとはスピードかな。サーキットで、めっちゃ速い車の助手席に乗るという。でも俺、死ぬの嫌なんだよね。
でも103mバンジーやっているし、樹海にも行っているし、既に命はちょっと懸けていますよ。
ハハハ(笑)。あと、何か作りたくない? 前に絵を描いたじゃないですか。音楽じゃないものを作りたい。陶芸でもいいし。あとは素性を明かさないで弾き語りをやって、バレたらアウトみたいな。
『路上ライブで、100人お客さん集めるまで帰れま10』みたいな?
辛い…(苦笑)。やるとしたら新宿かな? 警察来て捕まるか…。
高校卒業した時くらいまではやっていました。浦安に住んでいた友達のところに泊まって。1万円とか貰ったことありますよ。酔っ払いのおっさんとかがくれたんですよね(笑)。
でも100人とか集まっちゃうとライブが見えないじゃん。そもそもは30人くらいが限界だと思うんだよね。
以前、まったくの告知なしで路上ライブやっているバンドを取材したことあるんですよね。
多くて10人くらいですね。渋谷でやった時は、紫色のダブルのスーツを着た「渋谷のプロデューサー」という肩書きを名乗る人が来て。「誰に許可をもらってやっているの?」と言われて。「僕の許可が無いとダメだから」と。
名刺交換して「すみません」と言ってやめました。明らかに怪しすぎる人で、名刺にも「渋谷のプロデューサー」と書いてありました(笑)。
でも条件とかハードルを決めれば、路上弾き語りも面白そうですね。
取りに行く。営業許可証みたいなものって、1日で取れるみたいです。
やりたいですね。カレーとかは食わせたいですね。キングコングニーとしては規模がでかくなっちゃうけど、ライブハウスの人と組んで1日使ってイベントがやりたい。
キングコングニーで人を集めて何かやってもいいかなという気はします。
お客さん来るかな? 拓さんには客いるけど、僕にはいないですからね。
それは拓さんの客ですよ。“SHIKABANE”を観に行ったときだもん。
でも2人合わせたファンはいると思うよ。弾き語りをやって、そこにキングコングニーっぽい企画性を盛り込んでやれば、それなりに入るんじゃないですか。
まあ、キングコングニーでイベントをやるというのも1つの案ですね。
陶芸はキツくないですけどいいんですか? 『100個作るまで帰れま10』とかにしないと。
それを作って売る。10円でもいいからキングコングニーのイベントで、その場でオークションするとか。
そうそう。山奥の釜で陶芸焼いて、テントに泊まって帰ってくるとか。
それいいかもね。どこかの山奥まで米とかも何も持たずに行って…。
火を起こすんですか? でもそういうのもいいかもしれないですね。サバイバルナイフだけ持っていくとか。
怖いな…。あとは、読者にどんなことをやってほしいか聞いてみようよ。
うーん、無視しているのがバレているんですかね。メールで色々意見もらうけど、我々はそこを一切無視しているじゃないですか。
ハハハ(笑)。俺たちは他人に興味がない人たちだと思われているんじゃないですかね(笑)。
※続・たっきゅんのキングコングニー企画第1弾『ザ・サバイバル! 往路2000円、復路1000円で2人は帰って来れるのか?』の動画はもうちょっとで編集が終わる見込みだよ! 震え待ちすぎて疲れていると思うが、もうちょっとだけ震えて待て!!
当連載へのメッセージや感想はyamanaka@hirax.co.jpまで!!
おさらい:『たっきゅんのキングコングニー』はこんなにヤバい企画でした。
Vol.3:本当に強い漢は 1 合目から富士登山をするの巻
「普通は5合目から登るけれど、俺たちは1合目から日本一の富士山頂を目指したい」というたっきゅんの思いつきから生まれた記念すべき最初の企画。「日本一なるぞ」というフレーズが生まれた。
Vol.6:生き急げたっきゅん! 103mからファーラウェイ! の巻
日本最大級の高さ(100m)を誇る竜神バンジーを、「普通の人はそのまま飛ぶけど、俺たちは更に3m上にジャンプしてから飛ぼう」という挑戦をした企画。ツアーが始まってすぐというタイミングにも関わらずOKした事務所、エンディングテーマで大活躍したマネージャー。
Vol.8:キングコングニー忘年会!! 鍋をつつきながらたっきゅんと2014年を振り返る!!
スタッフの慰労も兼ねて連載を振り返った忘年会。罰ゲームで竹蟲の唐揚げ(ミャンマー料理)をレンゲ1杯食べることになった。
Vol.10:時は満ちた!! 今年こそ日本一の漢になるためにたっきゅん占いに行く!!
「日本一の漢になる」という目標を胸に、3人の占い師にたっきゅんの将来をみてもらった企画。渋谷のパパという強烈な個性と出会ったのは記憶に新しい。
Vol.11:船橋競馬 「日本一なるぞ村松拓キングコングニー記念」の巻
船橋競馬の個人協賛(個人がレースのスポンサーになってレース名を付けることができる)という制度を利用して、当連載が協賛金(¥30,000)を支払って「日本一なるぞ村松拓キングコングニー記念」というレースを開催した企画。連載の継続を賭けて馬券勝負に挑んだ。
当連載へのメッセージや感想、2人にやって欲しい企画案はyamanaka@hirax.co.jpまで!!