2017/7/16@下北沢CLUB251 “jimmyhat presents SATORI FES. 2017”
出演:jimmyhat / plane / Response / アシタカラホンキ! / カグライフ / ノホリサチオ(BARICANG) / in state / noiam / 新旧ハイブリッドjimmyhat(O.A)
“人を鳴らす音”を掲げて活動を続ける4人組ロックバンド、jimmyhatが毎年夏に主催するイベント“SATORI FES. 2017”。今年で8回目となる夏の風物詩的イベントが、7/16に下北沢CLUB251で開催された。オープニングアクトを務めた、元メンバーと現メンバーを組み合わせた“新旧ハイブリッドjimmyhat”が観られるのも、特別なこの日ならでは。ライブハウスを主戦場にしてきた彼らが、そこで出会った数々の盟友たちと共に作る年に一度の祝祭は大盛況の中で進んでいった。
日曜日の活気溢れる下北沢の街にも決して負けない、ハッピーでエネルギッシュな空気が充満するCLUB251のフロア。そこに主催者のjimmyhatが登場すると、一気にオーディエンスの喜びと興奮が爆発する。オープニングチューンの「ひとりじゃないよ」から、Vo./G.高倉篤の力強く快活な歌声がダイナミックなバンドサウンドに乗って会場中に響き渡っていく。続く「はしゃぐ命」でもアッパーな楽曲にブーストされた歌と言葉が真っ直ぐに耳へ、胸へと飛び込んできた。
「すごく良いバンドを集めたのでハイライトはたくさんあったんだけど、一番のハイライトは俺たちが作らないと話にならない!」というMCでの決意表明を彼らがしっかり体現していることは、その場にいる誰もが感じていたはずだ。「episode」の次に披露したのは、新曲の「ノクターン」。「フェスだけどパーティーチューンじゃなくて、葛藤を歌った歌」と高倉は語ったが、それもjimmyhatらしさなのだと思う。間奏ではDr.吉野花梨によるコーラスも加わり、夜の空気をまとったような美しいサウンドに浸る。
唐突にBa.ヤマダヨシノブが話し始めて観客を驚かせ、さらには彼の川柳ネタで和ませてくれたMCタイム。そこから一転「最後までぶっぱなしていくぞ!」と高倉が叫んで、勢いよく後半戦に突入…というところでまさかの機材トラブルが発生する。心配した他の出演バンドのメンバーが次々とステージへと集結していくが、緊急事態にもかかわらず和気あいあいと楽しそうな姿が微笑ましい。本当に仲間たちと一緒に作っているフェスなんだという、人間味や温かさがここでも伝わってきた。
気を取り直しての「極東デスティニー」ではサビの“放て”というフレーズに合わせて、場内からたくさんの手が突き上げられる。イントロから手拍子が発生した「レリジオ」ではピースフルな音に導かれ、内面からエネルギーが溢れ出してくるような感覚になった。出演者や会場、観客への感謝を述べた後で、「今年で8年目、続けていくことだけが答えじゃない。続けていくなら、意志が欲しいじゃない?」という言葉から、本編ラストの「行くという意志」へ。バンドも“SATORI FES.”もやめるつもりはないという、強い決意を全員の音で表現して締め括った。
お祭りがまだ終わって欲しくない会場全体からの声に応えて、アンコールに登場したjimmyhatの4人。吉野を正式メンバーに迎えた新体制で初の“SATORI FES.”となったが、「今この4人で出している音が一番良いと思っています」という言葉には一片の曇りもない。数々のメンバーチェンジを経ながらも諦めることなく、自分たちらしい歩みで真摯に活動を続けてきた彼らだからこそ、これだけ多くの仲間たちがまわりに集まってくるのだ。祝祭のフィナーレを飾った「光」は、今が一番輝いていることを証明すると同時に、その先の未来へ続く道も照らし出しているようだった。
TEXT:IMAI