音楽メディア・フリーマガジン

Jin-Machine

何でもありのミサで“バンド”の概念を覆した“全日本おもしろ選手権ツアー”ファイナル。

“全日本おもしろ選手権ツアー”
2017/5/1@初台DOORS

3月にシングル『がんばれ!桜、アディオス』とアルバム『全日本おもしろ選手権』を同時リリースした自称“日本一面白いヴィジュアル系バンド”Jin-Machine。そのリリースツアーが、初台DOORSでファイナルを迎えた。

「僕らはみんなヴィジュアル系」からスタートしたミサ(※メンバーはライブのことをミサと呼ぶ)は、軽快なリズムで始まったと思いきや、いきなりヘヴィなサウンドに変わるなど展開目まぐるしい構成に一気に引き込まれる。和風なメロディから心地良く始まった「さくら〜NEVER DIE〜」も中盤で激しいサウンドに転調。あっつtheデストロイ[破壊](以下、あっつ)が「ダイ!」と叫びながらフロアまで降りてきて会場をかき回し、あっという間にフロアを熱狂の渦に巻き込んだ。

マジョリカ・マジョルカ・マジカル☆ひもり[ギタ―――(゚∀゚)―――!! ](以下、ひもり)がボーカルを務めた「二次元シンドローム」ではオーディエンスはペンライトを振りながら盛り上がる。「チャンプロード」ではブッシュドノエル・水月・アリッサ[ていおん!]がヤンキー姿で登場し、途中でルーベラ・木村・カエレ[ドラミ]が巨大なダンボールで作られたお手製バイクに乗って乱入。遊び心満載のステージで、会場からはたくさんの笑い声が湧き起こっていた。

既存の“バンド”という枠に収まらないほどジャンルレスなスタイルも彼らの魅力の1つだ。演歌調の「death海峡のdeath岬」をあっつが終始デスボイスで歌っていたかと思えば、「BLUE MOUNTAIN」ではひもりがジャジーなサウンドにのせて色気たっぷりに歌を披露するなど、曲ごとに全く違う色を見せるサウンドとパフォーマンスで圧倒する。さらに彼らは、いつもユーモアを交えることも忘れない。「BLUE MOUNTAIN」の曲中、featuring16[MC](以下、16)がトランペットを片手に登場。おぼつかないトランペットを披露すると、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

ラストに向けて、メンバーの勢いは加速していく。「パンチ伝説」では観客全員と正拳突きをしながら歌い、「ゴリラ」では実際にゴリラの動きを真似た振り付けを披露。オーディエンスも時に重厚なサウンドに合わせて、髪を振り乱しながらヘドバンをして楽しんだ。「最後にみんなで歌ってください」と言って披露された「がんばれ!桜、アディオス」では会場全体が共に歌い、場内の興奮はピークに。

終盤のMCで16が「新作に収録されている曲だけでセットリストを組んだのは初めて」と語ったが、リリースして間もないのが信じられないくらいの盛り上がりを見せた場内。改めてオーディエンスとの距離の近さを感じたと同時に、新たな挑戦をし続けていくことを常に忘れない彼らのミサに対する強い想いがにじみ出ていた。アンコールの「じんま日本昔話」では、お手製の紙芝居も披露。音楽だけにとどまらず、パフォーマンスでも観客を楽しませるために様々なことをやってしまう姿勢には脱帽するばかりだ。まさに“日本一面白いヴィジュアル系バンド”の名にふさわしい圧巻のミサだった。

TEXT:室井健吾
PHOTO:美澄

 

 

 
 
 
 

Jin-Machineの近作をAmazonでチェック!!

 
 

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj