2016年、とある企業が「音楽をやっている社員を応援する」という異色のプロジェクトを立ち上げた。その企業は、コンタクトセンターなどのサービスを提供する大手企業・KDDIエボルバ。音楽をやっている社員が希望すれば、その楽曲を配信サービスに登録し、手数料なども会社が負担するという異色の企画「エボルバで、あなたの夢かなえませんか」プロジェクト第1弾「ハタラク」×「オンガク」。これまでのJUNGLE☆LIFEでは、KDDIエボルバで働きながら夢を追い続け、同プロジェクトに参加したミュージシャンたちを取り上げてきたが、今月は初となる関西圏「ハタラク」×「オンガク」参加ミュージシャンに注目! KDDIエボルバ関西地区のコンタクトセンターで働きながら夢を追いかける波止場の黒猫のギブソン氏、そしてSacred Sound SlaveのWay氏に直撃し、それぞれの「ハタラク」と「オンガク」について語ってもらった。
●まずそれぞれの音楽経歴をお聞きしたいんですが、波止場の黒猫は2009年に神戸で結成されたらしいですね。
そうですね。もともとは大学の友達に誘われたのがきっかけなんです。波止場の黒猫を結成したのは社会人一年目だったんですけど、当時は音楽を本気でやるつもりではなく「ちょっと音を合わせてみようぜ」みたいな軽いノリでした。
●でも波止場の黒猫は、今までに主催イベントを何度も開催されていますよね。最初は軽いノリだったけど、どんどんバンド活動にのめり込んでいったんですね。
言われてみると、色々やってきましたね。“オータミングコウベ”というイベントから始まって、“スプタミングコウベ”とか季節ごとに開催して。“オータミングコウベ”を最初に開催して、“ウィンタミング”、“スプタミング”、“サマタミング”と続けて、また“オータミング”に繋げる予定だったんですけど、最後の“オータミングコウベ”は力を出し切れなかったんです。予算の都合などがあって…。
●予算の都合? もしかして無料イベントなんですか?
無料で、野外でやりました。
●あとは100日連続路上ライブをされていたり。
もともとは100日じゃなくて46日の予定だったんですけど、「46日続いたし辞めるのもなぁ…」となって、「よし! じゃぁ100日までいくか!」と。
●活動拠点が神戸で、“オータミングコウベ”などのイベントタイトルから想像するに、神戸の無料チャリティーフェス“COMIN'KOBE”からの影響が大きいんでしょうか?
そうです。“COMIN'KOBE”には出演したかったんですけどなかなか実現せず、じゃあ自分たちで何か行動を起こそうと。
●一方Wayさんは、Sacred Sound Slaveに加入したのが2014年ということですが。
そうなんです。結成メンバーではなく「加入」なんです。インターネットの募集を見て入りました。
●もともとバンドがやりたくて、メンバー募集を探していたんですか?
そうですね。僕は出身が北陸でして、大学を中退して大阪に出て来たんです。音楽の為に。
●首都圏、関西圏以外の人が音楽活動をするために選ぶのは東京の方が圧倒的に多いと思うんですが、なぜ大阪に?
そこは結構悩んだポイントだったんですけど、東京は人口が多いからチャンスが多いというのはわかっていたんですけど、自分のやっているジャンルは大阪の方が盛んだと思って。ラウド系というかデスボイスがあったりして、あまり多くの人に受け入れられないジャンルで、関西の方がそういうジャンルのイベントやバンドが多いし。
●KDDIエボルバで働き始めたのはいつごろなんですか?
僕は去年の6月ですね。
●現在の仕事内容は?
僕が所属しているのはテクニカル部門なんですが、Androidスマホの操作やフィーチャーフォン(折り畳み携帯)に関するサポートを担当しています。
僕は故障紛失サポートセンターの電話オペレーターです。Androidスマホやフィーチャーフォンが壊れたりトラブルが起きたときに保証の案内をしたり、トラブルの解決の為に問診をしたりする仕事です。
●それぞれに訊きたいんですが、なぜKDDIエボルバに応募したんですか?
やったことがない仕事をしたかったというのと、コンタクトセンターの仕事に興味がありました。それに会社の経営理念や方針を知って共感できるところがあったからです。他にもコンタクトセンターの面接にはたくさん行ったんですけど、KDDIエボルバがいちばん考え方もしっかりしているなと。
僕はもともとテレアポの仕事をしていたんですが、発信する側だけではなくて受ける側の仕事もやってみたいなという興味と、後はシフトなどバンド活動との兼ね合いができる仕事がいいなということで。
●バンド活動に支障が出ない仕事って、なかなか無いでしょうね。
はい。そこが大きかったですね。シフトの希望が出せたり、髪型が自由というところは大きかったです。
●仕事の苦労ややりがいはどういう部分ですか?
コンタクトセンターは直接お客さまと会ってやり取りをするわけではないので、相手の状況が分からないところが結構苦労します。例えば操作している段階で「これできない」と言われたり、状況が見えなくて申告いただいている内容から想像しても原因が特定できなかったり。そういう問題を解決するのは結構大変ですね。
でも逆に、その原因を特定することにやりがいを感じますよね。特にお客さまがスマホやフィーチャーフォンに詳しくない方だと「どういうことだろう? 自分の想像しているトラブルだったらこれで直るはずなのに違う。じゃあお客さまがおっしゃっているのはこっちなのか?」と色々考えて、「それは故障じゃなくてこうすれば直りますよ」と解決策が見える。故障ではなく、実は操作方法の問題や設定の問題だったりするケースも多いんです。そういう感じで、お客さまの問題の本質がクリアになったときはすごく気持ちがいいですね。
●なるほど。ところでお2人とも、以前に携帯電話関連の仕事をしていたわけではないですよね? でも問い合わせ窓口の仕事は、技術的な知識や専門的な知識が必要じゃないですか。KDDIエボルバの研修はどういう感じなんですか?
すごく整っていますね。他の会社の話を聞くと結構すぐポーンと現場に出されることも多いらしいんですが、KDDIエボルバは研修が充実していて、各項目ごとにカリキュラムがしっかり組まれていました。だから素人でも問題ないんです。
●研修期間はどれぐらいあったんですか?
1ヶ月ぐらいありました。
座学だけで1ヶ月ですか? OJT(実際の仕事をしながら訓練すること)は?
●すごい!
テクニカルってそんなに研修があるんですね。僕は1週間ぐらいでした。
●それくらい違うんですね。
故障紛失に関してはもうフローが出来上がっているんです。操作方法や設定方法は機種によって違うし、メーカーによっても違うので千差万別なんですけど、故障とかトラブルの原因は意外と同じだったりするので、端末の機種が違っても同じフローで対応できることが多いんです。
●ということは、テクニカル部門にせよ故障窓口にせよ、未経験でも問題ないと。ところで職場で他に音楽をやってらっしゃる方はいらっしゃるんですか?
たくさんいます。今は300〜400人ぐらいの職場なんですけど、僕の知っているだけで15人くらいはいるんじゃないでしょうか。
僕の職場もたくさんいます。何人かとは数えたことがないですけど、大体音楽をやっている人って髪型とか服装とかを見るとわかるじゃないですか。だから“この人やってそうだな”と思って話しかけたら、大体やっているか、もしくは以前やっていたかのどちらかですね。
●やはりバンドマンにとって働きやすいんですね。
2人:そうですね。
●なぜバンドマンが働きやすいと思いますか?
収入面が安定するというところが大きいと思います。やっぱり不定期に働いていると給料が少なかったりするし。休みも土日とかじゃなくてシフトで希望を出せるし、髪型が自由というところもポイントですね。バンドをしながら働きたいと考えたときに、髪型が自由でシフトが自由で、バイトを掛け持ちしないと給料も足りない、とかそういうこともなくて。全部揃っているなという印象があります。
●なるほど。
部分的に条件を満たせる仕事は探せばあるんですけど、バンドマンが求めている全部の条件を1つの仕事で満たすことができるのは…僕は結構いろんな会社の求人を見たんですけど…KDDIエボルバくらいしかなかったですね。
●去年の6月から働いていらっしゃいますけど、音楽活動に支障が出たことは一切ない?
ないですね。ここは本当にないです。何もないです!
一同:ハハハ(笑)。
●ところで、それぞれのバンドの目標はあるんですか?
僕は時代や年代問わずに響くような曲をもっと作っていきたいですね。
僕は本当にもう、ただただ売れたいです。シンプルに。本当に大きい目標でいうと、日本のトップアーティストを蹴落とすぐらいのアーティストになりたい、というのがメンバー全員が思っていることなんですけど、近い目標はとりあえず黒字にするということですね。
●バンド活動を黒字にする。今は実際どうなんですか?
大赤字です(笑)。
●ライブするたびに赤字が出るとか?
もちろんライブ単体でも赤字になったりしますけど、音楽活動トータルで黒字にすると考えたら、スタジオとか機材の費用とかそういうのも全部ひっくるめての話じゃないですか。バンドを1つの会社として考えた場合、破綻しているので…もう大赤字です(笑)。
●とりあえずはそこをなんとかしたい。
そうですね。まずはそれが第1ステージだと思っています。
●2人は音楽活動することを基準に仕事を選んで、働きながら夢を追い続けているわけですよね? なぜそれほど音楽に惹かれるんでしょうか?
いや〜、もう好きだからですね。
そうですね。僕はギターが好きだから。今まで色々と苦労はありましたし、音楽を辞めようと考えたこともたくさんありましたけど、本当に突き詰めて考えると、結局は好きだからというところに行き着きます。
●結局のところ、好きだからやっている。
そうですね。僕は高校に入ってからギターを始めたんですけど、中学のときにGLAYのTAKUROやHISASHIに憧れて。彼らは僕にとってのギターヒーローなんです。彼らのようになりたいと思ってギターを始めて、その想いが今も続いている。
僕も好きだから音楽をやっているんです。きっかけは高校のときに友達に誘われたカラオケだったんです。そこで“歌うのが好きなんだ”と気づいたんですよね。当時は絵を描くこととかも好きだったんですけど、“自分にとって歌うことがいちばんだ”と。だから今、KDDIエボルバで働きながら音楽をやっているんです。
interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:Fukushima Tetsuya
KDDIエボルバのお仕事情報サイト
https://www.evojob.com/
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