ホットスタッフがおくるニューカマー応援イベント“HOT STUFF presents Ruby Tuesday 14 supported by TUMBLING DICE”が2/21、新宿LOFTにて開催された。POT、Cloque.、The Floor、知る権利の個性豊かな4組による熱演が繰り広げられたイベントのレポートを以下に掲載する。
■ライブレポート
“HOT STUFF presents Ruby Tuesday 14 supported by TUMBLING DICE"
2017/2/21@新宿LOFT
出演:POT/Cloque./The Floor
BAR STAGE ACT:知る権利
●The Floor
MAIN STAGEトップバッターは、北海道の4ピースバンド・The Floor。「俺らとみんなで最高の1日にしようぜ!」とササキハヤト(Vo./G.)が呼びかけると、光を乱反射させるようなナガタリョウジ(G./Cho.)のフレーズが炸裂し、「Wannabe」がスタートした。
ミヤシタヨウジ(Ba./Cho.)&コウタロウ(Dr./Cho.)による軽快なリズムラインがオーディエンスの身体をほぐし、爽快感を憶えるほど透明度の高いササキの歌声が行き渡るまではあっという間。
機能的に「踊らせる」のではなく、トロピカル・ウエスタンの匂いも伴いながら、温かみのある土着的なサウンドで聴き手を内側から昂らせるのがこのバンドのやり方。だからこんなに楽しくても押しつけがましくないし、どこまでも自由な空間がこうして生まれていくのだ。
オーディエンスが思い思いに身体を揺らす中、「サーキット以外だったら東京でこんなにたくさんの人に観てもらうのは初めてかも」と感謝の気持ちを伝えるMCへ。ラストの「内緒話」は、再会の約束として一際晴れやかに鳴らされたのだった。
●知る権利
MAIN STAGEの転換中には、BAR STAGEに福島・郡山の3ピースバンド・知る権利が登場。「ここ、サブステージじゃないです!」と萬屋樹太郎(Vo./Ba.)が叫ぶと、エネルギッシュなサウンドがステージ狭しと溢れ出す。
「爆裂」と書かれたTシャツを着た長谷川綾大(Dr./Cho.)のダイナミックなリズムも、全身を使って弾き倒す吉田雄帆(G./Cho.)のフレーズも、そして気合い抜群の萬屋の歌声も、聴き手の毛穴を根こそぎこじ開けていくようなテンションだ。
1st setはバンドを駆り立てる衝動が前面に出ていたが、吉田がMAIN STAGEフロアまで行って観客を呼び込む珍場面もあった2nd setでは、情感溢れる歌を聴かせることに注力。
「今日本当はいろいろ悔しいんですけど、BAR STAGEだからこそのライヴをしてます」とMCでは悔しさもにじませたが、ラストの「エンドロールは流れない」まで、全感情を落とし込むような迫真の演奏だった。「次はあっちで、必ず会いましょう」という宣言も、そう遠くない将来に叶えてくれそうだ。
●Cloque.
「今日楽しみにしてましたか? 僕はもっとバンド、ライブハウスを頼ってほしいと思ってる」。神奈川の3ピースバンド・Cloque.は、演奏を始める前に村松利彦(Vo./G.)がオーディエンスにそう話しかけた。直後、3人の覚悟と信念を表した1曲「Swear」を自己紹介代わりに届けてライヴはスタート。
長髪を振り乱す吉見裕太郎(Dr./Cho.)のビートと古田秀人(Ba./Cho.)の堅実なベースラインに乗っかって、やわらかな歌声が私たちの心に着地する。聴き手の弱さをも許して包み込んでくれるようなやさしさを持つサウンドが彼らの持ち味。
「Haul」以降の後半戦はアクセルをもう一段階踏み込むかのように3人のアンサンブルはさらに躍動的になっていき、そこにオーディエンスの歌声も加勢することによって、かけがえのない時間が形作られていった。
終盤には村松が「バンドもライヴハウスも永遠じゃない」「だからこそ、少しでも長く夢や未来を見続けていたい」と熱く語る場面も。そういうバンドの信条がまっすぐに伝わってくるような、人間味溢れるステージだった。
●POT
そしてトリは、大阪の4ピースバンド・POT。ステージ上で拳を合わせたメンバーは、軽妙にトークを繰り広げながら定位置へ。まこと(Dr./Cho.)のビートを筆頭に超陽性のパンクサウンドとトリプル・ヴォーカルが躍り出れば、フロアでは「オイ!オイ!」という掛け声やサークル、シンガロングなどが発生し始める。
「誰ひとり仲間外れにせえへんから!」というよっぴー(Vo./Ba.)の言葉を体現した盛り上がりを早々に生み出すと、オーディエンスを讃えるかのように織田(Vo./G.)がクシャクシャの笑顔で親指を立ててみせた。
そうしてステージとフロアの距離がグッと縮まったところで、MCでは出演バンドのヴォーカリスト+本イベント主宰・ホットスタッフ大橋氏が登場。この日のために各バンドが考案したオリジナルカクテルを紹介し、その場で乾杯する、という前代未聞の場面を経て一気に団結感も高まった。
その後も場内の熱量は留まることなく天井知らずに急上昇。よしくん(Vo./G.)が盛り上げ番長としてフロアに派遣されたところで「みんなの心が躍ってしまうようなメロディを持ってきました」と、キラーチューン「COUNTDOWN」も投下。アンコールの「Don't be shy」まで、真夏のようなテンションで駆け抜けたのだった。
Text:蜂須賀ちなみ/Photo:佐藤早苗(ライトサム)
※各バンドのセットリスト等、さらなる詳細はRuby Tuesday Official Siteまで。
■WEB
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