JUNGLE LIFE × CLUB251 presents “Whiteboard Jungle”
2016/8/24(水) @下北沢CLUB251
Nina lovegood / NOWEATHER / Chapter line / 水槽のクジラ / そのうち やる音
JUNGLE☆LIFEと下北沢CLUB251による共催イベント“Whiteboard Jungle”も、今回で2016年の第5回目を迎える。ライブハウスシーンの最前線から、今見ておくべきアーティストをプッシュしていく本イベント。この日も独自の音楽性と測り知れない可能性を持った、フレッシュな顔ぶれがCLUB251のステージで躍動した。
トップバッターは謎の注目新人、そのうち やる音。バンドメンバーを引き連れて登場すると、いきなり拡声器を手に歌い始めた。終始うつむきながらも本心を包み隠すつもりがないかのような痛々しくリアリティのある言葉を、次々と吐き出していく彼女。その淡々とした佇まいとは相反するメッセージ性の強さと、自由奔放にステージを楽しむ様は初めて観るオーディエンスに多大なるインパクトを残したことだろう。
2番手は今年7月に1stミニアルバム『かたちのおわり / かたちをかえて』をリリースしたばかりの4人組バンド、水槽のクジラ。2本のテレキャスターから繰り出される儚さと煌めきを纏ったギターサウンドが印象的なオープニングナンバーから、ライブをスタートさせる。Vo./G.西田諒平の歌い上げる切ないメロディに、紅一点のBa.大橋輪希のコーラスが効果的に絡む。内向的で繊細な音を奏でながら、時折見せる力強さが頼もしかった。
続いて登場したのは3ピース・ギターロックバンド、Chapter lineだ。圧倒的な存在感を放つVo./G.小浦和樹のエモーショナルなヴォーカルを軸に、個々の楽器とコーラスワークで作り上げるアンサンブルが素晴らしい。女性とは思えないほどのパワフルなビートを刻むDr./Cho.宮内沙弥とBa./Cho.藤教順が織りなすリズムは、ダイレクトに身体を揺さぶってくる。フロアとステージとの距離を全く感じさせない好演だった。
「今日の出演者の中で一等賞を獲りにきました!」と叫び、勢い良く演奏を始めたのは千葉県出身の4人組ロックバンド、NOWEATHER。中央で威風堂々の立ち姿を見せるVo./G.大畑カズキの個性的で伸びやかな歌声と、熱気のあるライブパフォーマンスが確実に会場の温度を上昇させていく。言葉の1つ1つが明確に耳の奥へと飛び込んでくる歌の力をはじめ、様々な意味での“強さ”を持ったステージには今後の飛躍への期待も高まらずにいられない。
この日のトリを務めたNina lovegoodも負けじと、ほとばしるエモーションと熱量に満ちた演奏を叩きつけてくる。Vo./G.森山僚太の熱いヴォーカルとバンド隊による性急なビートに美しいピアノの音がアクセントを加え、蒼く切ない世界観へとオーディエンスを一気に飲み込んだ。最初から最後までバンドが一丸となって駆け抜けていったライブは、一瞬のことのようにさえ思えた。だが、確実に観る者たちの胸の中に消えない何かを残したはずだ。
各々の個性と可能性を存分に発揮して、会場に集ったオーディエンスに鮮烈なるインパクトを与えた全5組のライブパフォーマンス。この中から大きな飛躍を遂げる者が出てきても決しておかしくない。そんな想いを抱かせるのに十分な名演を目撃した幸運な人たちは、ぜひ彼らの名を覚えておいて欲しい。
TEXT:IMAI