優れた音楽性とシーン最強のアンサンブルを武器に目覚ましい成長を遂げ、先月ニューシングル『In Future』&『MAZE』アナログ盤のリリースし、5/15に日比谷野外音楽堂でのワンマンライブを控えているNothing's Carved In Stone。同バンドのVo./G.村松拓は過去に当誌で3年に渡って『たっきゅんのブレンバスター』『たっきゅんのキングコングニー』『たっきゅんの受け身の美学』という連載を展開してきたが、2016年4月号にて『たっきゅんの受け身の美学』が終了。そんな4月のある日、たっきゅんから編集部に連絡が入る。「ちょっと来てください」と彼が指定した場所は、千葉県八千代市だった。
ここ、いいところなんですよ〜。こうやってサイクリングロードになってて。
はい。利根川の方から流れて、印旛沼に流れ込んだ水が、印旛沼を経て流れているのが新川なんです。もともとは灌漑っていうか、印旛沼とかあの辺の洪水を防ぐために作られた人工の川なんです。
新川
八千代市保品の阿宗橋付近から大和田排水機場にかけてを「新川」あるいは「印旛疏水路」と呼ぶ。西印旛沼と同水位であり、大和田排水機場から花見川へは一定水位を超えないと原則として排水を行わない。いくつかの中小河川の流入はあるが新川自体にほとんど流れがないので、川と言うより西印旛沼の延長部分である。通常は印旛沼方面へ流れているが、外水や内水の影響で印旛沼が増水した時には大和田排水機場より多量に排水されるため、流れが逆方向となり印旛沼から花見川へと流れを変える。放水路が完成する前は集中豪雨などで川が増水すると流れが変わり、それにちなんだ「逆水橋(さかさみずばし)」という橋が八千代市にある。
それが千葉市の方にある花見川に繋がっていて。たぶん後から繋げたと思うんですよね。
とにかく印旛沼から水を逃がすための川が作られたんですよね。川べりを見てもらえばわかりますけど、堤防みたいになってるじゃないですか。
で、なんで今日ここに来てもらったかというと、ここは僕の地元なんです。
だから僕にとっての川っていうか、自然もなにもかも全部ここで育ってきたんです。新川にも何度となく落ちてるし。それでなんで来てもらったかというと、地元の川の現状を見てもらいたくて。今は開発が進んでるから綺麗に見えるんですけど、実際はそうじゃないんですよ。ちょっと一緒に来てもらっていいですか?
台風なんかで増水すると河原に水がきたりするんだけど、新川は流れがあまりないので、水が淀んでいるんですよね。川と言ってもとても細長い池に近くて。
八千代市もいろいろと綺麗にする活動とかをされているみたいなんですけど、ちょっと水べりに行ったらゴミだらけなんですよ。
こういうのが僕はすごく悲しくて。こないだこの辺を歩いて色々と見ていたんですけど、開発されてまわりは綺麗になっているけど、川自体はやっぱり汚いんですよね。
こないだ来たとき、子供が魚を捕るためのタモを持って川をすくっていたんですけど、全部ゴミしかすくえてなかったんですよね。僕はこの現状が悲しくて仕方がないんです。
うん。そうでした。だから地元の人間にとってはこれが普通なんですけど、僕はこの川を綺麗にしたいなと、物心ついた頃から思っていて。
いつまで待ってても変わんないなって。というか、待ってちゃいけないんだなって。
ちょっと調べてみると、ゴミ拾いとか新川を綺麗にする活動をボランティアでやっている人はいっぱい居らっしゃるみたいなんです。でも僕も、そろそろ少しずつ動き出さないと駄目だなと思って。
そう。JUNGLE☆LIFEの連載は、いままで二人三脚でおもしろおかしくやってきたじゃないですか。だからここら辺で、僕が前からやりたかったことに力を貸してもらいたいなと。
新川を綺麗にしようとしている人たちはいっぱい居て、例えばあじさいを植えている人だったりとか。でもそういう活動をやっている人たちにも、地元の人はあまり気づいていないんですよね。特に若い人達はそうだと思う。
僕もこないだ新川を綺麗にしようと思って見に来たとき、ここであじさいとかを植えている人が居ることに初めて気づいてびっくりしたんです(やちよ 花のかざぐるまを作る会)。だから僕もそういう1人になろうと思って。
ということで、僕は休みのたびに地元に戻ってきて、1つ1つゴミを拾っていこうと思うんですよ。個人的に。
でも新川はずっと向こうの印旛沼から水が流れているわけですから、要はずっとゴミも流れて来ているんですよね。向こうでゴミを捨てられちゃったら、増水したときにゴミがまた来ちゃうんですよ。だから本当にこの川を綺麗にしようと思ったら、ものすごく大規模なプロジェクトが必要になると思うんです。
そういうことを考えて取り組んでおられるボランティア団体もいくつかあって。それって千葉県がやることでもあるじゃないですか。そういう活動にいつか参加したり協力できるようになるために、まずはここに落ちているゴミを綺麗にしたいんです。だからとりあえず僕は、コツコツ綺麗にしていこうと思っていて。決意したんですよ。
そうなんですよ。これから長い時間をかけることだと思って。今の気分でやろうと言ってるわけじゃなくて、何年もずっと思っていたことなんです。だからJUNGLE☆LIFEも協力してもらえないかなって。
ありがとうございます(笑)。ガキの頃から新川はこういう感じだったから、僕にとっては当たり前だったけど、ゴミがいつまで経っても落ちていて、それを解決出来ていないという現状は普通ではないということに気づいたんですよね。
自分が育った土地を綺麗にしたいというのは、自然なことですもんね。
中学生の頃とか、ここで釣りをしたりとか、この辺で野宿したりしていたんですよ。
新川はガキの頃の俺たちの遊び場だったんです。それでも当時から「川、汚いな」と思っていたんですよ。「汚いから絶対に落ちたくない」って。だって当時は年に何回か、老人の死体が見つかっていたりとか。
ヘドロが溜まってゴミもすごかったから、落ちたら上がって来れないって言われていたんです。行政も何度か底のゴミやヘドロをさらっているハズなんですよね。でもそれだけじゃあ綺麗になんなくて、絶対にもっと人の手が必要だと思うんです。こないだ見に来たときにあじさいを植えている方に話を聞いたら「1人で黙々とゴミを拾っている人も居るよ」とおっしゃっていたんです。
JUNGLE☆LIFEに協力してもらいたいと言ったのは、俺はそうやってまずはコツコツ行動していくから、何か新しい行動を起こすときに交渉してもらったり、窓口になってもらいたいなと思ったからなんです。あじさいを植えている方に話を聞いたと言いましたけど、初対面で僕みたいなやつの話なんてなかなか聞いてくれないんですよね。ゴミ拾いは俺やるからさ、その手伝いを媒体としてやってもらいたいんです。こういう現状をどうやって打開していけばいいのか、僕もまだわからないんですよ。でも2人ならストーリーを作っていける気がして。
何かを始めると同時に、捨てないようにする必要もあるだろうし。そこに僕も加わっていくために、まずはゴミ拾いから始めます。
というわけで新たにスタートしたたっきゅんことNothing's Carved In Stone 村松 拓の新連載『たっきゅんの…………(タイトル未定)』。未だ連載タイトルも決まっておらず、今後どのような展開になっていくのか現時点ではわかりませんが、JUNGLE☆LIFEでは毎月たっきゅんの活動を応援&レポートしていきたいと思ってます。
新川近くの売店で売っていたソフトクリームやヨーグルト(原料は地域産)。激美味い。
当連載へのメッセージや感想はyamanaka@hirax.co.jpまで!!
Nothing’s Carved In Stone Vo./G.村松拓 連載:たっきゅんの…………(タイトル未定)トップページへ戻る