音楽メディア・フリーマガジン

オワリカラ

ファーストシングル『シルバーの世界』 全メンバーセルフライナーノーツ

 アルバム『イギー・ポップと讃美歌』を今年5月にリリースし、9/23に渋谷WWWで“イギーポップと讃美歌ツアー” のファイナルを盛大に締めくくったオワリカラ。

アヴァンギャルドかつサイケデリックかつ人間味溢れるライブをより研ぎ澄ませ&ビルドアップしてシーンの注目を浴びまくっている彼らが、12/7に初のシングルをリリースする。デビュー以来彼らを執拗に追い回してきた我がJUNGLE☆LIFEでは今回、全メンバーによるシングル『シルバーの世界』ライナーノーツを掲載。“全員が個性の塊”と評判のオワリカラ4人による、個性が出まくっているライナーノーツ。
たっぷりとご堪能あれ。

Review

Vo./G.タカハシヒョウリ

CD一枚二曲につめこめるだけつめこんだオワリカラ流のワンコインシングルができました。ライブの瞬間、空間に銀粉が満ち満ちるような、境界線がなくな るような、あの瞬間。そしてインフルエンザでぶったおれてタミフルの導きで見た白昼夢、森と給水塔、電車。僕が間近で見た二つの覚醒の瞬間を歌にしまし た。
あと、「シルバーの世界」のPVが曲の世界観を広げてくれていて素晴らしい。ゆら帝などのPVをてがけた山口保幸監督と一緒に、夢だった昭和風の特撮に も挑戦できて感無量。ジャケにもなってる銀の蜘蛛女、そして隠しキャラクター、シルバーの世界マン。オワリカラも銀まみれで頑張りました。youtube で見れるので、是非!
そして前代未聞の購入者特典ワンマン@東京、大阪! 着飾ってお会いしましょう! と、書くこと多過ぎの、目一杯つめこまれたシングルなんです!

Dr.カワノケンタ

そもそもオワリカラには【リズム隊】という概念が無い。これはツダフミヒコのベースがアバンギャルドでベースっぽくないとかそう意味とはちょっと違う。 曲によって適材適所。がっちりストイックにグルーヴしたり、全く噛み合わせずドライブさせたり。「シルバーの世界」はそれが最も顕著に現れた曲なんじゃな いかと。イントロやAメロのベースにあるまじきベースラインに対するベタなドラムンベース的ドラムフレーズ。音符に起こすと非常に気持ちの悪い逸品。餅つ きの打ち手と返し手のような、今にも手を杵で潰されそうなスリル。そしてサビではこれでもかという程のバスドラとベースのユニゾンによるダサい歌謡16 ビート。コレだけ振れ幅があるのに全体的に踊れる。コレがオワリカラの強みであり“踊れる曲”で“踊ってもらう”事はできる様になった。この先“無条件に 踊らせる”為にはどうすれば良いか「シルバーの世界」でそのヒントをつかんだ気がする。

Key.カメダタク

カメダは楽曲・サウンドを解説。リード曲「シルバーの世界」はオワリカラ四人の個性が炸裂する強烈奇天烈ダンスチューン! 16ビートグルービィドラム、ループするキャッチーなベースリフ、突き抜けるシンセ&オルガンサウンド、エッジィなギターカッティング! そこにボーカルが歌謡曲の匂い&早口でのっかり怪しげでぎらついた雰囲気をだします。聴き方としてはまず一回聴く → なんじゃこりゃ! でもノレル! となりますので、次は各パートや歌詞に注意して聴くと中毒になるでしょう! レコーディングエンジニアは2nd Album『イギー・ポップと讃美歌』に引き続き東京事変などを手がける井上うにさん。注目は一緒に考えたコーラスワーク! 今どきこんなコーラス入れるか! って位のやつでシルバーぎらぎらな雰囲気をさらに引き出してくれました。又カップリング曲「Fever」はオワリカラ的ソフトサイケ泣きメロ歌モノ曲でし たがうにさんにミックスを全任せしたところ超カオスに! 面白いですお楽しみにー。今回のシングルは変態さんです。

Ba.ツダフミヒコ

頭の使い方が増えたんです。それが良いことか悪いことかはわかりません。ただそれが増え、実行した、より実行出来た。誰の為に音楽やってんの? 自分の為やで。他人の為に音楽なんてやってないで。僕が聴きたいもの、新しいと思うものを作る、ただそれだけ。はい、それでええと思います。はい、がんば ります。まぁでもちょっと待って! こういう頭の使い方もあるんやけど。へぇ~、なるほど、まぁ昔の自分やったら多分No言うてますけど。まあでも今は話聞いてくれてるやん? もしやれそうでやれるんやったらやってみたら? そうっすね、まぁせっかくなんでやってみよかな。うん。しかしなんでちょっとやってみようという気になれたん? ツアーやフェスやでより幅広くたくさんの人々に出会ってきたなあ、やっぱり自分はもっと多くの人々に聴いてもらいたいんやなあ、こんな唯一無二でおもろい 音楽がここ日本で鳴ってるで、踊ってもらいたいなあ、でも別に媚へんよ、自分がええと思うもん新しいと思うもんを作るで。それでええと思うで。

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