学生時代から追っていたアーティストには、それはそれで別のエモい思い出があるのですが、仕事を始めてから好きになると、何だかまた別のエモさがある。そう思わせてくれたのが小南泰葉。お客さんが2ケタ台のところから、大きくなる過程を見せてくれた。人の生き死にをテーマに歌う彼女の歌は、逐一私の心に突き刺さっておりました。
そんな彼女がおよそ2年ぶりに出すアルバムのタイトルは「僕を救ってくれなかった君へ」。インタビューでことあるごとに言っていたのが「“救済”してほしかった」という一言。これまでの生死をテーマにしていた楽曲とは異なり、“失恋”や“ホームシック”をテーマに歌う彼女の新曲たちは、何だか生まれて初めて、本当に彼女の心に少しだけ触れた気にさせてくれるのです。『僕を救ってくれなかった君へ』というタイトルを見て、小南泰葉を救いたいと思ったし、救われたいとも思った。「君」には全ての貴方が当てはまるのです。