音楽メディア・フリーマガジン

水曜日のカンパネラ

書き切れないほどの事件が起きた、盛りだくさん過ぎるファイナル公演

2015/7/15@東京キネマ倶楽部
“ワンマンツアー「トライアツロン!」”

LR_suicamp新たな一面を見せる新作EP『トライアスロン』を引っさげて、初のワンマンツアーを6/12の福岡からスタートした水曜日のカンパネラ。沖縄・札幌・大阪・名古屋ときて、いよいよゴールとなる東京キネマ倶楽部でのツアーファイナルへと辿り着いた。当然のようにSOLD OUTした会場の前は長蛇の列で、少しずつエレベーターで場内へと送り込まれていく。というのも昭和の匂いを残す同会場ならではの光景だが、フロア内にはこの日だけのスペシャルな装飾が…。

ステージ上には表彰台が置かれ、上からはテープが賑やかに飾られ、また三角形の小さな旗も大量に天井から張り巡らされている。まるで運動会に来たような気分で高揚させられるのも、本人とスタッフチームの遊び心の賜物だろう。場内が暗転してスクリーンに映像とツアー各地の地名が映し出されたのに続いて、遂にライブがスタート。ステージ左側の小高いサブステージから登場したコムアイが、「デーメーテール」で一気に会場を盛り上げていく。

メインステージに降りてきたコムアイを、オーディエンスが大きな歓声で迎え入れる。続く「二階堂マリ」で起きるコールの声の大きさ、“待っていました”とばかりの「千利休」での手拍子とコール&レスポンス…。会場の特殊な空気に感化されたのか、観客たちのノリの良さがいつにも増してハンパじゃない。「桃太郎」「モノポリー」「モスラ」…ともはや全てが必殺と化した楽曲たちに、フロアのボルテージは上昇する一方だ。

その後もトライアスロンにちなんで鶯谷から上野まで走りながら街の人々と絡むコムアイの映像が流されたかと思えば、「カーネル」の前にケンタッキーフライドチキンを客席に投げ入れるわ、2階席に突然登場して観客に「ドラキュラ」のサビを歌わせるわと、奔放なパフォーマンスを連発。全く飽きさせることなく「シャクシャイン」「ミツコ」で終演…と思わせておいて、映像内と同じランニング姿で現れたコムアイが2階から客席を走り抜けて、ステージに舞い戻る。そして本当のラスト「ナポレオン」を歌い上げ、盛りだくさん過ぎるツアーファイナルを締め括った。

TEXT:IMAI
PHOTO:Viola Kam(V'z Twinkle)

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