2011年に結成された福岡の3ピースバンドTHA ALBATROSS。メロディック・パンクシーンに軸を置きながらも、シーンに囚われない幅広いサウンドを武器に、全国で精力的に活動している。今までにリリースされた会場限定音源は2,000枚を売上げ、地元福岡でも積極的に自主企画を行うなど、常に自分たちの力で前に進んできた。そんな彼らが、2/11に初の全国流通音源 『When the Fall Dawn,Show a Twilight』をリリース。「今のバンドの集大成」だという今作は、今までの楽曲にはなかった、背中を押すようなメッセージも込められた彼らの新たな一歩ともいえる作品となった。そんな今作を持ってリリースツアー真っ最中のTHA ALBATROSS。これを機にJUNGLE LIFEは彼らに初インタビューを行った。
●2月にアルバム 『When the Fall Dawn,Show a Twilight』をリリースして少し経ちましたね。以前見たライブでも「全国に届いている実感があるのは嬉しい」と言っていましたが。
SHUNSHI:SNSで「(THA ALBATROSS)の音源があった!」っていう投稿を見たりして「あ、ちゃんと(音源が)届いているんだな」と思いましたね。
SHINSHO:先にCDを聴いて予習してきてくれる人たちもいて。「CDも良かったし、ライブも良かった!」って言ってくれる人もいたので、「あ、こういう伝わり方もあるんだ」って勉強になりました。
●今回のリリースで、今までと違う見方もできたと。
SHINSHO:確実に視野は広がったと思いますね。
RYUICHI:昔は、ただがむしゃらにライブをしていただけだったんです。でも、今回のリリースがきっかけで、アプローチの仕方をいろいろ考えるようになりました。
●ライブを見た時に、SHINSHOさんがMCで「ムカついたことを曲にした」と言っていたのが印象的だったんですが、曲を作るきっかけはそういう怒りから来ることが多いんです?
SHINSHO:実は、曲を作っているのは全部RYUICHIなんですけど。
●じゃあ、RYUICHIさんの気持ちを代弁した?
SHINSHO:…いや。8割方自分の気持ちなんです。だから言い過ぎると「俺、そんなこと思ってないから」って怒られるっていう(笑)。
●ハハハ(笑)。じゃあ、RYUICHIさん的には怒ってばかりじゃないと。
RYUICHI:まあ、そんな気持ちで作っていることもありますけど。間違っている時もありますね(笑)。
●そうなんですね(笑)。RYUICHIさんは普段どうやって作曲をするんですか?
RYUICHI:バンド結成当初は、僕がメロディとベースラインだけ持って行って、あとはメンバー全員で曲作りをしていく感じでした。最近は自分でドラムのフレーズも作ってきます。だからレコーディングした後の音まで想定しているんですよね。
●曲の設計図みたいなものを作った上でメンバーに渡すと。
RYUICHI:思い付いたまま曲を作っていると、似たようなフレーズばかりになっちゃうので、似通わないようにテンポを先に決めて曲を作ったりもします。「このテンポで、このフレーズから入る」みたいな感じで。曲によっては「シャッフル(ビート)の曲を作ろう」って作り出したりとか。
●じゃあパズルを組むような感覚に近いんですかね?
RYUICHI:そうですね。あとは大まかに作ったものを仕上げていくんです。
●曲の発想はどこから生まれてくるんですか?
RYUICHI:いろんな音楽を聴いている時に「今のギター・ソロが格好良い!」とか、「今のフィルが良かった!」と思ったら、そのフレーズを自分で一回コピーしてみて、似たようなフレーズをいっぱい作るんですよ。そこから広げていって曲を作ったりしていますね。
●気になったフレーズを分析して、まずは自分のものにする。勉強家ですね。
RYUICHI:それは昔からやっています。好きだから、いろんな音楽を聴くじゃないですか。でも、そこでAメロとBメロの繋ぎの部分とか、イントロとかアウトロとか、そういう部分しか聴いていないんですよね。そこにしか注意がいかない(笑)。
●「この人は今何でこういうフレーズを弾いたんだろう?」みたいな?
RYUICHI:そうそう。繋ぎの部分のちょっと変わったフレーズとか。そういうのばかり聴いていたので。
SHUNSHI:えぇ!…キモいな。
SHINSHO:ジョイントフェチや!
●なるほど。結合部分が気になると。
一同:ハハハ(笑)。
RYUICHI:結合部分って言うとちょっと違うんですけど…(笑)。
●歌詞についても聞いて行きたいんですが、M-10「She left me but happy was」。これって失恋の曲?
RYUICHI:はい、そうです。というかM-8「Thinking U in my bed」から「She left me but happy was」までの3曲は全部失恋の曲です(笑)。
●そうなんだ(笑)。
RYUICHI:僕は失恋に限らず、暗い気持ちの時の方が歌詞が書けるんですよね。曲と歌詞は分けて作っていて、思い立った時に書くっていう。
SHINSHO:…で。どんな子やったん?
RYUICHI:そういうことは書いてねえよ(笑)! 歌詞は全部が実体験じゃないんですよね。例えば喧嘩した時にバッと書いた2行の歌詞があったら、そこから広げて作っていくので。それが繋がるように物語を作っていく感じですね。
SHUNSHI:あ、ちなみに可愛い子でした。
RYUICHI:いらんやろそれ!
●ハハハ(笑)。今作のリード曲M-2「Supernova」はどんなことを歌ったんですか?
RYUICHI:この曲は前向きな応援ソングなんです。今まで暗い内容が多かったので、「Supernova」の歌詞は作るのに苦労しました。
●今まで暗いことしか歌ってなかったと。
RYUICHI:はい。
●即答だな(笑)。どんなことを歌っていたんですか?
RYUICHI:例えばM-3「Certain night」とかは「俺って、ちっぽけだな」っていうことを歌っていたり。
●自分に向けた内容が多い?
RYUICHI:そうですね。歌詞は感情で書いているものが多いんですよ。だから「Supernova」は難しかったんですよね。誰が聴いても分かる、背中を押すような曲にしたくて。
●「Supernova」を背中を押すような曲にしたかったっていうのは、何かきっかけがあったんですか?
RYUICHI:この曲は、久々にメンバー全員で作った曲だったんですよね。みんなで作っているうちに「誰かの背中を押すような歌詞を書こう」って思ったんですよ。
●ふと思い付いたと。それをリード曲にしたのは理由があるんですか?
RYUICHI:このアルバムの中で、メンバー全員が一番好きな曲だからです。
●面白いですね。ふとしたタイミングで、久しぶりにみんなで作った曲が人の背中を押すような歌詞になって。それがメンバーから良い反応を受けてアルバムのリード曲になったと。
SHINSHO:僕らは謎の化学変化が多いんですよね。「よく(バンドが)続いてるね」って周りから言われるくらい、よく喧嘩もするんですけど。何かが織り交ざって活動が続いているみたいな。
●絶妙なバランスなんですね。
SHINSHO:『When the Fall Dawn,Show a Twilight』をリリースする前、メンバー同士で何度も衝突した時期もあったんですよ。モチベーションが落ちていて、ムシャクシャしていたのかなって思うんですけど。
RYUICHI:ちょうど今作のリリースを決めた時期が、ピンポイントでその頃だったんですけど。
SHINSHO:それが「CDをリリースする!」って話になった時に「もう一度、一致団結してやってみよう!」って。
●それまでモヤモヤしていたところがあったと。
SHINSHO:「何か新しいことがしたかった」っていうのがありました。今までの環境を打破したかったんですよね。
●そうして今作が作られたんですね。バンドとして今後やっていきたいことは何かありますか?
SHUNSHI:『When the Fall Dawn,Show a Twilight』で「これが今のTHA ALBATROSSです!」っていう作品ができたと思います。これからは僕らの「格好良い!」が、聴いてくれているみんなの「格好良い!」になれるようにライブができればと。
SHINSHO:リリースツアーを通して、自分たちもアルバムに対する解釈や気持ちが変わってくると思うんですよね。いろんな曲が入っていて、どういう風にも捉えられると思う。だから、みんながそれぞれの『When the Fall Dawn,Show a Twilight』を見つけてくれたら良いなっていうのがあります。
●最後に、次回作について何かイメージがあれば聞かせて下さい。
RYUICHI:今作よりもっと振り幅のあって、どんな人が聴いても、その中の1曲は必ず「良い!」って言ってもらえるような作品が作りたいですね。それが理想です。
Interview:馬渡司
俺は日本語を唄っているヴォーカリストです。
英語を聴いても訳文がないと内容まではわからない。
洋楽などを聴く際に内容はあまりみず「なんとなく良い」ものを聴く事が多い。
でも、言葉がわからんのになんだか胸にじわっと響いてくる音楽は、「なんとなく良い」よりもはるかに凄い。
音楽の本質的なものに近い所で響いてきているのだなと思う。良い曲ばっかりのかなり良いアルバムです。
ircle Vo./G.河内健悟
「とにかく不器用なバンド。上手に生きていくことなどきっと彼らには無縁。そんな3人が自らを信じてノーギミックで作った等身大のアルバム。こういう作品が少しでも広く伝わっていくようなら、シーンはもっと面白くなる。」
CATCH ALL RECORDS 代表 佐竹眞吾
黒い服を着たシュッとした3人組っていう印象。(見た目か!)
それはまるでカラス!!
いや、それはまるでザイマス!!
歌声と楽曲がザイマス!!(褒めてます)
プライベートでもよく会うのだけれど、ライブ中は普段は見せない表情と真剣な眼差しにイチコロ!(バンドマンは大体そうだが…笑)
見た目からは想像できないエネルギッシュでスタイリッシュなライブは必見!
なのです♪
こんな感じでいいかな?しんしょうさん♪
百聞は一見にしかず!
オススメでご…ザイマス!!
SHIMA Vo.EGACCHO
再生ボタンを押して目を閉じる。音が流れると同時に頭の中に広がったのは雲ひとつない青い空と海。
オープンカーに乗って海岸沿いを走っているような、そんな気持ちのいい風景。
メロディも素晴らしく、僕の心をぐっと握って放してくれない。
ぜひ聴いてほしい一枚。
EDDY Vo.G. 護得久 友一