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JAGGER(THE SKIPPERS)×渡辺 旭(THE NINTH APOLLO)特別対談

THE SKIPPERS、10年目にして初のフルアルバム完成!! 今回のなんら特別でもないレーベル対談を皮切りに、3ヶ月にも渡り、THE SKIPPERSを大特集します。 ※大丈夫か? いいのか? JUNGLE☆LIFE!!

旭(あきら)この漢字をバラすと。数字の九と日になります。すなわち、九(ナインス)日(アポロ)。

そんな自己主張の塊のような社長、渡辺旭が主宰する音楽レーベルが、大阪を拠点とするTHE NINTH APOLLOです。GENERAL HEAD MOUNTAIN、BUZZ THE BEARS、SHANKといったツワモノを輩出したレーベルといえば読者も納得かもしれません。

今回は渡辺旭の生誕34年、レーベル発足11年をお祝いする対談を敢行ではなく。
レーベルの看板スターであるTHE SKIPPERSの10年目にして初のフルアルバムのリリースを記念して、JUNGLE☆LIFE嫌いの渡辺旭とJUNGLE☆LIFE大好きのジャガーが火花を散らさない、特別対談をお届けします。

Interview

「今のうちの代表はTHE SKIPPERSなので、とりあえずTHE SKIPPERSを筆頭に考えてしまう」

「10年間の集大成として、出せるものを出した。要は"カッコ良いアルバムを作る"っていうとこだと思います」

●THE NINTH APOLLOは発足11周年ということですけど、そもそもレーベルの成り立ちは?

渡辺:当時好きなバンドが、全部同じレーベルだったんですよ。"Hi-STANDARDやHUSKING BEE、THUMBには全部同じロゴが付いてるぞ? これは何だろう?"っていう疑問からレーベルの存在を知って、"レーベルっていうくくりで、こんなにすげぇ奴らが集まるんや"って衝撃を受けて「俺もやろうかな」と。要は悪ノリっすね。

●そこからレーベルがスタートしたんですね。一番最初にリリースしたバンドは?

渡辺:最初は自分のやっていた"PATCH WORK LIFE"っていうバンドです。デモ音源に適当なレーベルロゴを入れてCDを出したのが始まりでした。それも悪ノリっすね。

●そうなんや。でもTHE NINTH APOLLOのロゴってポップで良いですよね。

渡辺:思いつきで適当に手書きしてもらったものですけど(笑)。成り立ちとかもまったく覚えてないし、最初は本当に適当でした。続ける中で少しずつ理想が固まっていったというか。

●そこから、自分のバンド等をリリースするためのレーベルが始まったと。

渡辺:そうですね。PATCH WORK LIFEのセールスはそこそこ伸びたんですけど、ただ稼ぐだけっていうのが嫌だったというか。"若いバンドに還元したい"っていう気持ちが芽生えて、いろんなバンドに出会うためわざと47都道府県ツアーを回ったんですよ。そこで出会ったのがTHE SKIPPERSやGENERAL HEAD MOUNTAIN、※大車輪※たちだったんです。せっかくこんなにカッコ良いバンドがいるんだし、こいつらを集めてCDを出そうと思った頃が"第二期THE NINTH APOLLO"ですね。

●なるほど。

渡辺:いくら若いとは言え、THE SKIPPERSは早過ぎましたけどね。みんなに「まだ早いっしょ」って止められた気がします。

JAGGER:ライブが全然出来上がってなかったっすからね。それでも旭さんは、いつも最前で観てくれてた唯一のお客さんだった。

渡辺:俺が大ファンで、よく最前列で見てたもんな。俺の中では、JAGGERは昔からオーラがあったんですよ。でも誰もそれに気付いてなくて、"なんかぴょんぴょん跳ねる奴"ってイメージだったみたいです。

JAGGER:僕、オーラがあったんですか(笑)。

●確かに雰囲気があるかも。話を戻しますが、47都道府県ツアーでいろんなバンドに出会ったのち、まずはコンピレーションを出したんですよね。

渡辺:そうですね。THE SKIPPERSも1枚目のオムニバスに参加してもらって。今思えば、どえらいメンツの中に入ってたな。

●どんなメンツだったの?

渡辺:G-FREAK FACTORYとかUZUMAKIとか、今は完全に大御所クラスのバンドばっかりですね。

JAGGER:当時の僕らはまだリリースが決まっていなくて、"全国にCDが並ぶんや"って感動しました。CDをリリースすることに対する憧れが人一倍強かったんですよ。

渡辺:お前らは「めっちゃ良い音で録れました!」って言ってたけど、いざ聴いてみたら周りがすご過ぎて一番音が悪かったよな(笑)。

JAGGER:僕らの中では最高やったんですけどね。"ライブよりもこんなに上手く録れるんや! レコーディングってすごいな!"って。それまでデモを作ってなかったんですよ。

●初音源でいきなりハイレベルなコンピレーションに入ったんだ。渡辺くんもこだわりを持ってやっていたと思うけど、それ以降はどんなアーティストを出していたんですか?

渡辺:それこそ、47都道府県ツアーで出会ったGENERAL HEAD MOUNTAINや※大車輪※とかですね。

●レーベルとしても思い入れのあるバンドですよね。GENERAL HEAD MOUNTAINは、うちでも表紙になってもらったりしたし。

渡辺:やってましたね、裏表紙でしたけど。

●何気にちゃんとチェックしてくれてるやん。
一同:あはははは!

渡辺:その2バンドと同時期に、THE SKIPPERSもリリースしてました。以降はBUZZ THE BEARS、FEELFLIP、SHANK、PipeCut Wedding、HOT DOGっていう流れですね。最近で言うと、Day tripperとNOA。そう考えるとTHE SKIPPERSって古いなぁ。

JAGGER:結成して3、4年目で出した音源は、めっちゃレベル低かったですけどね。最近の若い子って、結成1年でもクソカッコ良いじゃないですか。

渡辺:上手だよね。デモCDが世に蔓延している時代だから、そのクオリティに近づける練習をしているし、何よりお客さんが曲を知った上でライブに来てる。ライブで曲を覚えずにCDで覚えてくるっていうスタンスは、当時と全然違うもんね。

●今回は初めてのフルアルバムですよね? 曲の内容はレーベルオーナーである渡辺くんと協議しながら決めたんですか?

JAGGER:内容は僕らの好きなように作ってきました。自分らのスタイルは自分らで作るのが当たり前だと思ってるんで。

●それがTHE NINTH APOLLOの特徴でもありますよね。

渡辺:バンドがやりたいことをやった方が、売れても売れなくても納得するでしょうし。人にやらされて売れなかったら、やりきれないですしね。

●確かに。セールスで言えば、今はGENERAL HEAD MOUNTAINやSHANKが牽引しているイメージがありますが。

渡辺:そうですね。GENERAL HEAD MOUNTAIN、BUZZ THE BEARS、SHANKの流れになるのかな?

JAGGER:僕らの位置ってどの辺なんでしょうね…? PipeCut WeddingとかHOT DOGとか、若い子には勝ってるのかな?

渡辺:たぶん勝ってるんじゃない? 何にせよ今のうちの代表はTHE SKIPPERSなので、とりあえずTHE SKIPPERSを筆頭に考えてしまう。うちのバンド名を羅列する時もTHE SKIPPERSが真ん中にいたら気持ち悪いもんな。

JAGGER:いつも"SHANKじゃなくて良かった"って思いながら見てますけどね(笑)。やっぱり、"負けたくない"っていうちょっとしたプライドがあるんですよ。
一同:あはははは!

渡辺:SHANKもしっかりしたバンドやし、対バンしたら「THE SKIPPERSより俺らの方が良かった」とか平気で言うんで、そういう上下関係も好きですね。SHANKが負けた時は素直に「負けた」って言うし。

●SHANKが負けることもあるの?

渡辺:ありますよ、こいつらたまにめちゃくちゃカッコ良いですからね。

JAGGER:たまに?(笑)。

渡辺:たまに。でもSHANKは長崎のイベントに呼んでくれたりもしたし、やっぱり認めてくれてるねんな。"COMIN'KOBE(関西最大のチャリティーフェス)"だって、もう何年連続で出てんの?

JAGGER:もう5、6回目くらいですね。"GOING KOBE'09"では、2回ステージに立たせてもらいました。当日の若手バンドのライブを見て投票する企画があって、それで優勝したんですよ。

●それはすごいな。渡辺くんの話によると「うちのレーベル代表はTHE SKIPPERS」ということですが、その言葉を聞いてどう思う?

JAGGER:嬉しいですね。SHANKがドカンと売れてもそう言ってくれるのは嬉しいです(笑)。本当に自由奔放にやってきているから。

●レーベルの兄貴分として、後輩のことを意識したりする?

JAGGER:常に意識しているわけではないですけどね。人と比べてどうとかじゃなくて、あくまでも自分たちの基準でやってますし、今回のアルバムもそうです。

渡辺:アルバムで言うと4年ぶりくらいになるもんね。1年かけて「曲が出来ました!」って話があっても、毎年シングルしか出さなかったですからね。その間にJAGGERは結婚して子どもまで出来てるし。

JAGGER:えへへ。

渡辺:THE SKIPPERSっていつも節目ごとに事件が起こるんですよ、1stの時はCDを出してツアーも組んで後は回るだけって時に、3人脱退してJAGGERだけになって。もちろんツアーは全部キャンセル。しかも、そのタイミングでJAGGERが同棲してた彼女にフラれて。

JAGGER:当時はホンマに死にたくなりましたよ。でも、あまりにも逆境過ぎて"THE SKIPPERSを辞めて新しくバンドをやってるやつらをを見返してやる!"って思いました。その気持ちだけでやってたかも。

渡辺:ずっと「周りのやつは全員敵や!」って言ってたもんな。

JAGGER:ホンマにツッパってましたね(笑)。

渡辺:無事メンバーが見つかったから、今度は東京に呼んで、お客さんが300人集まるレーベルイベントに出したんですよ。しかも普通ならトップに出すところを、真ん中あたりの一番良い順番で。なのに満を持して始まったと思ったら、ギターの音が鳴らへんかったんですよ。

●あはははは!

JAGGER:あれはヤバかったですね。復活してから1発目のライブだったんで、"やったるぞ! お前ら見とけよ!"くらいの気持ちでいったのに、300人の前で大コケしたという。

渡辺:しかも1ライブ中に2曲も鳴らなかったうえに、両曲とも当時の新曲で! 曲はめちゃくちゃ良かったから、スプリットアルバムに入れこんだんですよね。

JAGGER:そのスプリットツアーで、初めて20本くらいのツアーを回ったんですよ。それ以来"こういう活動を地道に続けるしかないな"と思ってツアーをバンバン組んでたら、気付いたら年間100本になってて。子どもが出来てからはバスッと止まったんですけどね。

渡辺:よくライブしてたね。どこに行ってもTHE SKIPPERSのポスターが貼ってある時期があった。あと、『GOING SKIP』を出すタイミングでも、ドラムのPAULが抜けるっていう話になって。ちょうど"THE SKIPPERSもガッツリ攻めよう"と思っていた時だったのに、結局バンドに戻る話が決まった時には、もうプロモーションが間に合わなくて流れちゃったんです。

●じゃあ今回はフルアルバムだから、さらに大きな事件があるんじゃないですか?

渡辺:メンバーが2人くらい抜けるんじゃないですかね?

JAGGER:もう勘弁してください(笑)。想像するだけで吐きそうですわ。

●でも今作は、曲が若くなったというか"原点回帰"みたいなものを感じました。とてもじゃないけど時間を重ねてきたバンドのボーカルとは思えないくらいのハジけ様ですね。

JAGGER:たぶん、気持ちが昔から変わってないからだと思います。曲も深く考えて作ってないし。

渡辺:それに、昔ほど畏まってはないですね。前はレコーディングとなると堅くなってたけど、今はライブのテンションで突っ切ってるから。

JAGGER:そうですね。ずっとライブをしてきているから、ライブと同じように勢いのある感じで録った方が自分ら的にも合ってるし。

●ライブ感があるというか、今を切り取ったような感じがします。今回は15曲入りなのでいろんなバリエーションがあると思いますけど、アルバムのコンセプトはありますか?

JAGGER:コンセプト……全体通してカッコ良いものを作りたいっていうのはありました。というか、それだけなんですけど。

渡辺:シンプルで良いと思うけど、それってコンセプトではないよね。

JAGGER:むしろコンセプトって何ですか?

●コンセプトの意味を訊かれたのは初めてだ(笑)。作品を通しての考え方というか、核になるものかな。

JAGGER:そうですね…10年間の集大成として、今最大限に出せるものを出した感じです。要は"カッコ良いアルバムを作る"っていうとこだと思います。

●結局それか!

渡辺:やっぱりJAGGERは頭悪いな。

●でも話を訊く限り、この10年の間に本当にいろんなことがあったんですね。

渡辺:俺が知っているだけでも10回くらいターニングポイントがありましたよ。よく辞めなかったなって思う。

JAGGER:昔はとにかく"見返してやる"っていう気持ちでした。前のメンバーは仲の良いバンドに吸収される形で辞めたから、"ぶっ潰したんねん"くらいの感じで。今になって、やっと気持ちにケリを付けられたっすけどね。

渡辺:お前らの場合、そういう人間臭いところが良いよね。ステージで飾ってるバンドはいくらでもいるし、それは"ショー"として成立するじゃないですか。でも俺は、完全に"ライブ側"に振り切ってるこいつらの泥臭さがカッコ良いと思う。THE SKIPPERSに熱狂してるやつも、みんな人間臭いもんな。THE SKIPPERS自体がめちゃくちゃ人間臭いバンドだから、自然とそういう人が集まるんだろうし。

JAGGER:飾ろうと思っても飾れないですね。

渡辺:子どもが生まれてから良い方向に変わったよね。「LOOKIN' BACK」の歌詞だって、普通ならあんなに恥ずかしい歌詞はなかなか人前で唄おうとは思わへん。でも"子どもが出来たらなぜか言えてしまう"あの感じを、正々堂々やりきったな。子どもの写真をジャケットに載せるのはやり過ぎやと思いましたけどね。

JAGGER:自慢したかったんです(笑)。

渡辺:でも、あのタイミングで腹をくくった感じはしました。"受け入れる"ことと"反発すること"が、別々の次元で考えられるようになった。昔はそれが両極にあったから。

JAGGER:そうですね。お客さんに対しても反発して「お前ら全員敵じゃ!」って言ってた時期がありました。今となっては"なんでそんなことしてたんだろう"って思うけど、昔はいろんなやつにナメられてた気がしてて。

渡辺:完全に思い込みやねんけどな。「俺、またナメられたっすよ」っていう愚痴を何度聞かされたことか。

●ホンマに単純というか何というか。コンセプトもよくわからないし、どうやってアルバムの話を訊き出そう…(笑)。

渡辺:一言で言うと"頭悪いカッコ良いやつにしか作れないアルバム"です。

JAGGER:曲がどうこうっていうよりは、バンドのスタイルを見せたいっすね。頭で考えるより"このバンドカッコ良い"って直感で感じて欲しいし、そういうアルバムを作れかなと思っています。だから、まずは歌詞を読む前に一回通して聴いて欲しいです。

●やっぱり、結成10年目で初のフルアルバムっていうのは感慨深いものがある?

JAGGER:そうですね。毎年「来年は出しますよ!」っ言いながら、ずっと出せてなかったので。実は、毎年アルバムが作れるくらいの曲数は作っていたんですよ。でも納得のいくものが出来なかったから、シングル単位でしか出せなくて。今年で10周年だからここで出したかったし、納得いく曲が揃ったんで"やっとタイミングが来た!"って感じです。レコーディング直前までかかったから、一時はもう無理かと思いましたよ。

渡辺:レコーディングを押えてから頑張ってたもんな。「2月にスタジオを押えたから、絶対に作れよ」みたいな。基本的に俺の持論では"曲は作るもんじゃなくて生まれるもんだから、ふいに降りて来るのがベスト"っていう考えなので「曲を作れ」って催促するのが大っ嫌いなんですよ。でもTHE SKIPPERSには初めて「そろそろアルバムを作ってくれ」って言いましたもん。今までも何度かリリースのチャンスがあって、"今出しとけば売れるのにな"っていうタイミングを何度か逃してきてたから、ここでもう一回タイミングがあって本当に良かったと思います。

●具体的に、どうして"今"出した方が良いと思ったんですか?

渡辺:今までと比べても、明らかにライブが良いんです。スベッてもその辺のバンドには負けないし、俺が思う"カッコ良いと思うライン"を常に超えてる。

●確かに、ライブ自体がアーティスト自体を表現するものとして一番正しいし、わかりやすい。

渡辺:それもさっき言った「人間臭さ」に繋がりますね。面と向かってやっているのがライブだから、一番伝わりやすいですからね。ライブを観たらその良さがわかるやろうし、それで嫌だと思ったらとことん嫌うやろうし。でも「あんなバンドがカッコ良いとか言うなんて、あのレーベル終わってんな」って思われたんなら、俺はそれでいい。"あなたとは趣味が合わないですね"ってだけですから。うちはそういうレーベルです。

●なるほど。今回のCDはいろんな販売店で展開されるそうですね。

渡辺:展開されるのかな? いろんなバンドと発売日が被りまくってるんで、ちょっとわかんないんですよね。HOT SQUALLとかSECRET 7 LINE、SUNSET BUS…ライバルがめっちゃ多いから、たぶんTHE SKIPPERSは売れないですね。

JAGGER:えへへ……て、あれ?

渡辺:まぁ、売れたら良いってわけでもないからね。

JAGGER:ただ僕は、今作で自分たちにちゃんとした位置付けをしたいというか、若手っていうくくりから抜け出したいと思っていて。昔からずっと自分が変わってない気がするんです。

渡辺:THE SKIPPERSは今まで、知名度や人気を上げることよりも、成長することを第一に考えて進めていたんですよ。でも、HEY-SMITHやEGG BRAINといった同期のバンドが極端に急激に有名になったんで、"自分たちは変わってない"という感覚なのかも。

●あ、同期なんや!

JAGGER:同い年なんですよ。なのに周りからはHEY-SMITHやEGG BRAINが先輩って思われてますからね。

渡辺:何ならデビュー的にはぶっちぎり先輩やもんな。

JAGGER:だけどアルバムを作る実力もなくて、10年間何も出来なかった。それがやっと出来るようになったかな。

渡辺:成長を目指して前に進み続けた結果、最高にカッコ良い作品になりました。必然的に売れるものは、絶対に何かしらの売れる理由があるんですよ。だからもしTHE SKIPPERSのアルバムが売れたら、"ライブがカッコ良い"とか"曲が良い"とか、ちゃんとした理由があるからだと思います。プロモーションの力で無理矢理売ることは出来ても、そんなダサいことをして売ってるとバンドまでダサくなるし、俺的には"売れたらいいね"くらいの感じで良いんですよね。でもそれじゃバンドが納得しないんで、頑張って売ります。

●結局そこに落ち着くんや。

JAGGER:売れたくない訳ではないですけどね! ハッハッハ!

●あははは(笑)。意図的に売ることはないけど、売れるような行動はするぞと。

渡辺:最近気付いたんですけど、1枚でも多く売るのが俺らの仕事っぽいんで。

●最近気付いたんや! 遅っ!

渡辺:ずっと、俺の仕事は良いCDを制作して世に出すことやと思ってました。1枚でも多く売るのは流通会社と小売店の仕事やと思ってたんですよ。コンビニにしても何にしても、流通と小売店があってモノを売るのが仕事でしょ。それで流通会社は売れば売るほどお金が入るじゃないですか。だからお前らが売れよと。

●何でやねん(笑)。それは流通会社を介しているだけであって、あくまで売るのはメーカーの仕事やん。

渡辺:キレイ事過ぎるっす!! それに最近やっと気付いたんです。

●ホンマに遅いわ! JUNGLE☆LIFEだってただ広告を載せてるわけじゃなくて、バンドが売れるよう努力してるんですよ。嫌いかもしれないけどちゃんと読んでね。

Interview:PJ
Edit:森下恭子

THE NINTH APOLLO代表 渡辺 旭Profile
1977年12月15日生まれ。大阪とか淡路島で育つ。大学進学で上京。在学中にTHE NINTH APOLLOを立ち上げる。その後、地元大阪に拠点を移す。そして現在。Hi-STANDARDのおかげで今がある。

THE SKIPPERS JAGGER(Vo./G.)Profile
大阪パンクロックバンドTHE SKIPPERSのVo./G.担当。しゃがれた声でパンクロックを唄う。打ち上げはやりすぎる。

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