昨年、メジャーで音楽活動をスタートし、フェスやライブで一気に注目度を増したシンガー・ソングライターの大森靖子が公式サイトと自身のブログで、自身を中心に結成したバンド「大森靖子&THEピンクトカレフ」の解散を発表した。
大森靖子と言えば、現在の音楽シーンで最も注目度の高い新人アーティスト。インディーズ時代からソロでは1人弾き語りライブをする傍ら、「大森靖子&THEピンクトカレフ」としてもフェスやライブ、歌番組にも出演してきた。
しかも、音楽から派生した大森のクリエイター活動、橋本愛×蒼波純のW主演の映画×音楽のエンターテインメント『ワンダフルワールドエンド』が第65回ベルリン国際映画祭「ジェネレーション14 プラス」への正式招待が決定するなど、確実に活動に勢いを増しているアーティストだ。
そんな状況下で、いきなり「大森靖子&THEピンクトカレフ」の約3年半の活動期間を終わらせることを発表した。3/4に「大森靖子&THEピンクトカレフ」名義でメジャー盤を初リリースすることを発表後、すぐに解散発表を行った大森靖子。彼女の等身大の言葉で綴られた内容は、まさに彼女の音楽性を象徴している。
■大森靖子声明文(2015年2月6日16:30 ブログより) ※原文ママ
私達は平等に終わるということを知ってる、だって死ぬジャン!それでも細胞のひとつ、ひとつずつの可能性を丁寧に追求し、舌打ち、嫉妬、自惚れ、嫌いな自分を自分でぶん殴って自分で痛くてギャーーー泣くっていう毎日で、だからこその幻みたいな音が出せる瞬間があって、トリップ的にも論理的にも完全に全員一致で正しいぞっていう、そういう瞬間を、一瞬じゃなくて魔法じゃなくて、ここぞというときに完璧な音をハイどうぞ!とだせるドラえもんみたいにならなくちゃいけないのですね、私は。いつも誰かのせいにしながら、自由は不自由不自由は自由、きれいはきたないきたないはきれい、を繰り返していくうちに、なんかいい曲できちゃいました、じゃいけないぞこれは、という自覚が、まあ遅いかもしれませんが、2014年9月にメジャーで活動しはじめて、生まれました。私の好きな音楽は、今でも、拙さを含めた人間力が基となるものです。だから不器用な、いかにもインディーで馬鹿なピンクトカレフのメンバーが大好きです。だからメジャーで活動することになっても、自分が一人でもがいてやっと届いた大きなステージにピンクトカレフを度々連れていきました。奇しくもそこでピンクトカレフの演奏で届く範囲というのを、まざまざと可視化させられました。そこで改めて、もう自分のつくったものの味が、わかる人にだけわかればいいという考えにはなれないな、大森靖子が色んな体験をして、色んな人に伝わるようになっていかなければならないタイミングだと感じました。一万人いれば一万人私の世界に引きずりこむために、私に一万人分の経験値が必要で、その方向に大森靖子を蹴り上げる作業を年始からコソコソモゴモゴしています。脱皮みたいに髪を切ったり染めたりしながら、嫌なことがあった日に着ていた洋服はソッコーゴミ箱にぶち込みながら、ああ、バンドの成長待てないなって思いました。若いなら共に生き急ごうとも言えましたが、なにせ最年少の私ですらアラサーなので…きゃはは。
今までピンクトカレフのライブで、生きててよかったみたいな顔しやがってくれた皆様、サイコーでしたよ。大森靖子&THEピンクトカレフ、最初で最後のアルバム「トカレフ」は、そんなみんなへのお礼の弾丸です。一緒にギャハギャハ笑ながら、しょーもない自分らを殺っちまって、ちゃっかりしっかり明日をやりましょうね。
パーーーーン!!!
■WEB
大森靖子オフィシャルウェブサイト