2014/10/31@Zepp Tokyo
04 Limited Sazabys / COUNTRY YARD / MY FIRST STORY / DJ CLM(中田クルミ)
“Warped Tour”で目の当たりにした奇跡を日本のライブハウスで起こしたいという主催者の想いから2010年にスタートしたライブイベント“REDLINE TOUR”。同ツアーは毎年形や場所を変えつつ、全国各地のライブハウスで様々な化学反応を創り出し、数多くの奇跡を生み出してきた。昨年は恵比寿LIQUIDROOMにて10日間連続で開催してシーンの注目を集めた同ツアー、今年は東名阪のZeppで開催。今回は、10/31のZepp Tokyo公演に直撃した。
DJ CLMによる、激アガること必至の選曲に観客は歓声を上げつつ、トップバッターを心待ちにする。そんなZepp Tokyoのステージ、まず最初は04 Limited Sazabysが登場。1曲目「monolith」からオーディエンスは大興奮。G.RYU-TAが吠え、客席エリアでは肩車からのダイバーが乱発。更に「Remember」へと続き、ダイバーの数が倍増していく。今、飛ぶ鳥を落とす勢いで注目を集めている04 Limited Sazabys、そのステージはホンモノだ。熱く激しい疾走感のあるサウンドとBa./Vo.GENの個性的な声のコントラストが心地よく、オーディエンスはノリノリ。「今は僕らがいちばんかっこいいと思います。ついてきてください! どこでもない、今! ここ!!」とGENが叫んでスタートさせた「Now here, No where」では、入り乱れるフロアから1つ、また1つと力強い拳がステージへ向けて突き上げられる。かと思えば、直後にはダイバーがおもしろいほど宙を舞う。まるで磁力のような目に見えない気持ちの吸引力を持った彼らのメロディにかかれば、オーディエンスたちは一心不乱に暴れ、笑顔で歌い、胸を震わせる。最後の「buster call」の最後の一音が鳴り終わるまで、一瞬も途切らせずに感情を爆発させ続けたエネルギッシュなステージだった。
空間を飛び交って闇を切り裂くギターリフで圧倒させたのはCOUNTRY YARD。「In Your Room」、「Far Flower」と立て続けにライブチューンを放ち、興奮を露わにしたオーディエンスはモッシュ&ダイブで応える。Keisaku "Sit" Matsu-ura(Vo./Ba.)が「Zepp Tokyo!! 声を貸してくれますか?」という号令でスタートした「Here I Am」では大合唱がZepp Tokyoを埋め尽くす。まさに1つになった瞬間に心がブルブルと震え出し、興奮が止まらない。「I'll Be With You」「Sorrow」と、爆音を全身で放つように演奏する4人の熱量は凄まじく、その爆音を全身に浴びながら腕を振り上げるオーディエンスの熱量も凄まじい。全力と全力のぶつかり合いはライブハウスの醍醐味そのもの。先ほどの04 Limited Sazabysと同じく、Keisaku "Sit" Matsu-ura(名前カットでも良いかと思います)がZepp Tokyoのステージに立てたことの喜びと、“REDLINE TOUR”に参加できたことの喜びを告げる。そんな彼らの想いが音のひとつひとつから伝わってくるような「Quark」の後、Keisaku "Sit" Matsu-uraが「俺たち、音楽でデカいことができるとか、音で世界を帰ることができるとか思ってないけど、今日の空気や風邪の流れくらいは変えられるんじゃないかと思ってます。なんか嫌なことがあったり、モヤモヤしている人は、ここでスパークさせて笑顔になって帰ってください」と叫び、最後は「Starry Night」で終了。カラッと晴れ渡る空を思わせるCOUNTRY YARDの清々しいステージで、心が洗われたような感覚に包まれる。
そしてトリは“REDLINE TOUR”の常連とも言えるMY FIRST STORY。爆音で圧倒させる衝撃的な幕開けに、客席からは悲鳴のような歓声が沸き起こる。ステージ最前に立つカリスマ、Vo.Hiroが「かかってこいよ!!」と牙をむき、幾重にもメロディと音が塗り重なっていく「虚言NEUROSE」の展開にフロアの興奮はカオス状態へと突入。まるで観る者の心を引っ張るようにHiroが高くマイクを掲げて「The Story Is My Life」と続ける。圧倒的なヴォーカルのカリスマ、そして楽器陣の破壊的なアンサンブル。そのステージは、美しくもあれば恐怖すら感じさせるオーラを帯びていた。以前観たときよりも何倍もタフになったそのライブは、エグいほどオーディエンスの心を揺さぶりまくり、身体を揺らせまくり、暴れさせまくる。エグいほどの迫力で襲いかかったかと思えば大きな一体感で包み込む「Zero Gravity」、様々なジャンルの音楽要素を貪欲に飲み込んで昇華させた「Black Rail」と容赦なく続け、会場の温度はグングン上昇する。そのまま「モノクロエフェクター」「Second Limit」で狂喜乱舞させ、本編最後の「不可逆リプレイス」で狂喜乱舞し、そしてアンコールの「Take it Back!!」では全員が大合唱。“REDLINE ZEPP TOUR2014”を見事に締め括った。
毎年、全国各地のライブハウスで様々な化学反応を創り出し、数多くの奇跡を生み出してきた“REDLINE TOUR”。次はどのような奇跡を見せてくれるのだろうか。
TEXT:Takeshi.Yamanaka