音楽メディア・フリーマガジン

sukida dramas

HAPPYな魔法の7曲。合言葉はOpen The Sesame!!

OBOCD-024アー写UKポストパンク・リバイバルと日本のロックを繋ぎ、独自の“JAPANESE TANOSII”音楽を発信するsukida dramas。イラストレーターJUN OSON氏がジャケットイラストを手掛けた新作『Open The Sesame!!』は、そんな彼らの愉快なサウンドが詰まっている。今回は中川智貴、イラミナタカヒロの2人にインタビューを行い、今作に対する思いを訊いた。歌って踊るsukida dramasの魔法のカーニバル、それは小さな幸せの呪文から始まる。

 

 

●今年の3月に初のワンマンライブ“モーレツ! レコ発ナンバーワンマン”を開催して、ONE BY ONE RECORDSより1stシングル『Teddy Boy』をリリース(会場限定先行販売、5月一般発売)されましたが、ワンマンライブを企画するきっかけはなんだったんですか?

イラミナ:2012年は音源を出したり企画をやったりして、自分たちで活動を外向きに出せていたんです。でも去年はイベントのオファーがたくさん来て、それはそれで嬉しかったんですけど、イベントに出ることを繰り返しているだけで自分たちで何かを発信している感じがなくて。そこで無理をしてでも普段やらないような活動をしようと思って、3ヶ月連続で自主企画をして、4ヶ月目でワンマンライブを開催しようと考えたんです。

●去年からイベントのオファーが増えてきたことで、お客さんが応えてくれるっていう手応えはあった?

イラミナ:バンドを始めた頃から比べると名古屋のお客さんがちゃんと認知してくれているっていうことを実感できたので、ありがたかったです。

●今までとは違う全国流通のCDをリリースしたというところで、何か変化はありましたか?

中川:全国流通という形になるので、もっと次のステップというか、全国的に広がるCDなんですよっていう意識は芽生えていましたね。

●それを経て、今作『Open The Sesame!!』がリリースされますが、タイトルは「開けゴマ」(『アリババと40人の盗賊』にでてくる呪文)ですよね。この由来は?

イラミナ:曲が7曲揃って「タイトルはどうする?」って話していた時に、エイリアン(Key./Vo. )がアイデアを持ってきたんです。

●じゃあエイリアンさんの直感的なところで決まったと。

イラミナ:そうですね。僕らにはあまり出さないんですけど、なんだかんだ自分の世界観を持っていて。エイリアンに「タイトルを考えて」って言うと「『Open The Sesame!!』で」とか持ってきて、それを見て僕らは「お、(世界観を)持っている…!」ってビックリするんです(笑)。

●今回M-1「Kansas」がMVにもなっていますけど、これはどんな感じで作ったんですか?

イラミナ:バンドを結成してからすぐに作った曲で、それからほぼ毎回ライブでやっている曲です。

中川:この曲は僕らの音楽性がころっと変わった1曲だったんですよね。それまではがっつり洋楽志向だったんですけど、「Kansas」ができてからはもう少し日本的な要素を取り入れた曲調になっていて、転換の1曲になったかなっていう。「Kansas」からは「みんなで歌える」っていうことを念頭に置いて作るようになりました。

●M-2「Teddy Boy」は前作のシングルにもなっていますよね。今の代表曲的な立ち位置ということ?

イラミナ:「まさに今の僕らが出ている」と、作曲の岡安(G./Key./Cho.)も言っていましたね。

中川:僕らのことが一番分かる1曲だと思います。

●歌詞としては作品を通して“踊る”っていう単語がよく出てきますよね?

中川:そうですね。踊れる音楽がとにかく好きなので。そういうところを意識しています。

●中川くんは歌詞を書く身として何を表現したいと思っていますか?

中川:最近は自分の内面的な部分を書くようになってきまして。「Teddy Boy」とか、けっこう自分の内面を書いているんです。僕はもともと内向的なので、そんな人間がいきがっていく様を…。

●あ、いきがっていく様を描いていたんですね(笑)。

中川:「ヤンキーになりたい自分がいるけど、なれない」みたいな。そこで歌っていることは自分の理想でもあるんですよね。あまり真面目なところを見せたくなくて、言葉を選んで書いているんです。

●じゃあ歌詞を書く時って、もう1人の自分がいるような感じ?

中川:もう1人の自分がいますね。荒馬を乗りこなしたいと思っている自分とか、それを「乗りこなせないでしょ?」っていう視点から見ている自分とか。いろんなことを考えながら書いています。

●今作で特に内面を描いたのはどの曲ですか?

中川:M-7「Jump On The Horseback」がそうですね。この曲はバンドのことを歌っていて、普段立つステージを馬の背中に例えているんです。僕らのことを唯一走らせてくれるものがステージなので、そういうところを表現したくて書きました。あとはM-6「Billows」もです。僕の地元は海の近くで、毎日のように海に行って遊んでいたんですよ。生きていく上で嫌なことや嬉しいこととか、いろんな波が押し寄せてきてくるじゃないですか。でも、その時に「どうにかして生きていかなくちゃな」って思って。Billowsは大波っていう意味で、「全部乗りこなして生きていこうよ」っていう歌なんです。

●表現する中で「ハッピーになりたい!」みたいなところがベースにある?

中川:あります。メロディも僕が書くことが多いんですけど、みんなで歌って踊れるっていうことを意識してメロディを付けていますね。「みんなでシンガロングして、ハッピーになりたい!」って。だから、これからもそのハッピーさを変わらず伝えていきたいですね。

Interview:馬渡司

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