“OTODAMA'14〜音泉魂〜”開催を前に、怒髪天の増子直純(Vo.)とSCOOBIE DOのコヤマシュウ(Vo.)が、オトダマの魅力を語り尽くします!(本文は6/27と7/4に放送されたFM802「YOUR RADIO 802」のトーク内容から抜粋)
コヤマ:今年、SCOOBIE DOと怒髪天は“OTODAMA'14〜音泉魂〜”(以下オトダマ)に出演いたします! 関西にお住まいのロックンロールファンだったら、もうオトダマは知っていると思うんですが、“実はまだ行ったことがない”っていう方もいるんじゃないかと。
増子:それはもったいない。
コヤマ:簡単にイベントの説明をすると、“大浴場ステージ”と“露天風呂ステージ”という名称のステージで、交互にライブをするんですよね。
増子:オトダマっていうのは“温泉”にかけてネーミングがお風呂的なものになっているんだよね。
コヤマ:大浴場と露天風呂以外にも“宴会場テント”があったり、“SET YOU FREEテント”があったり、会場内の至る所で音楽が鳴っている。温泉や風呂にかけたいろんな余興もあって、我々もいろんなところに駆り出されますよね。
増子:そうそう。
コヤマ:しかも、泉大津フェニックスから帰りのシャトルバスが出ているんですけど、当たりのバスに乗ると特別なカラオケが聴けるらしいんですよね。ご存知ですか?
増子:知ってるよ。すごく上手なカラオケでしょ(笑)?
コヤマ:ええ(笑)。清水音泉の田口くんという、顔は笑ってるんだけど目の奥は全然笑っていない主催者がいるんですけど、彼が非常にジャイアン的な歌唱力を持っておりまして。出演する方の曲をカラオケで歌ってバスで流しているんですけど、これがオトダマに来るお客さんたちの中では名物になっているという。
増子:なかなかのヒドさだからね。
コヤマ:昔、斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」っていう名曲を歌ったら、あまりの歌唱力に「この曲は君にあげるよ」って言われたほどという(笑)。
増子:いらなくなっちゃったんだ(笑)。すごいねえ。
コヤマ:一瞬で腐らせちゃったというね(笑)。それくらいのカラオケも聴けると。だから、本当にアタマからケツまで楽しめる、ロックとユーモアの最高沸点と言っても過言ではない。
コヤマ:今年は2日開催で、9月6日のトリが我々SCOOBIE DO、7日のトリがフラワーカンパニーズということで。
増子:もう定食メニューだもん、これ(笑)。
コヤマ:完全にいつものメンツですね(笑)。そこで、一昨年トリを務めた増子さんから、SCOOBIE DOの魅力というものを語って頂きたいなと。本人を目の前に言い難いところもあるかもしれませんが。
増子:スクービーを聴いたことがないんだったら、これはラッキーだよ。こんないいバンドをこれから知れるっていうことだからね。あと、彼らを“ライブバンド”って呼ぶのは“骨折が折れた”みたいにおかしな感じ。だってもう“バンド=ライブ”だから。歌心やソウルがあって、踊れるし、演奏もすごくタイトでカッコいいし、誰が見ても楽しめると思うよ。音楽っていいなと思えるバンドだし、トリに相応しいと思う。
コヤマ:ありがとうございます。
増子:アツさにかけちゃ日本でも指折りよ。やっぱりアツくないとね。
コヤマ:本当に嬉しいですね。やっぱり音楽が楽しくてやってきているし、ライブもバンドも同じような意味だと思っていますし。
増子:スクービーは対バンして先にやられたとき、後からやり辛い数少ないバンドのひとつだからね。そういうバンドはなかなかいないよ。他のバンドからしたら、トリでよかったんじゃない?
コヤマ:僕らも怒髪天の後はやり辛いですけどね(笑)。スクービー=ライブですから、やることはひとつだなって。
増子:そうだね。“らしく”やればいいんじゃない?
コヤマ:ちなみに、2010年のオトダマはチケットが唯一ソールドアウトだったんですよね。その年のトリを務めたのが、そのときのライブで散開(解散)となったBEAT CRUSADERSだったんですけど、今のところオトダマ史上でいちばんお客さんがいたときの泉大津フェニックスの景色を知るこの男に電話して、トリを飾った男の魂を引き継がせてもらおうと思います。もしもし?
日高:おはようございます。
コヤマ:まず、なぜ散開ライブをオトダマでやったんですか?
日高:よく“解散ツアー”とかあるじゃないですか。あれがいかにも“泣いてください”みたいな感じで恥ずかしいなと。ライブとか音楽で泣いて欲しいわけじゃなかったんで。
コヤマ:なかなかいいことを言いますね。
日高:笑ってサヨナラをするために、かつお世話になった人に恩返しという意味では、フェスで終わるのがいいんじゃないかということで。“フェスだったらみんな泣かないでしょ”と。そう思って解散したら、増子さんがいちばん泣いてました。
コヤマ:アハハ(笑)。
増子:そりゃそうだよ。泣いちゃうよ。
日高:印象的だったのは、終演後に増子さんの横でさらに号泣してるTHE BAWDIESのJIMでしたね。“まだそんなに絡んでなかったのに、何でお前が泣いてんだ”っていう。
一同:アハハハハ!
増子:でもあれは感動的だったよ。“もうこれで観れなくなるのかな”みたいな悔しい気持ちもあってさ。
コヤマ:ソールドアウトしたのはこの年だけらしいんですよ。なので今までいちばんお客さんがいた景色を知っている日高さんに、アドバイスを頂きたいなと。日高さんからは、スクービーに関してはいろいろお褒めの言葉を頂いているわけですよ。「アツいよなあ。売れてねえけど」とかね。
日高:アドバイスしてますね。「汗臭いぞ、スーツ変えろ」とかね。
コヤマ:愛憎入り交じる感じでいろんな言葉を頂いているんですけど(笑)、トリを飾るにあたっての心得をお教え頂ければと思います。
日高:まあ、あれだね。そこで解散すればいちばん盛り上がるってこと。
一同:アハハハハハ!
増子:見もフタもねえじゃねえか!
コヤマ:でも説得力はある(笑)。
日高:冗談はともかく(笑)、トリには“イベントを締めなきゃいけない”みたいなプレッシャーがあるじゃないですか。でもそこでまとめに入ろうとすると、意外とお客さんたちがポカンとするんで、あえて無視した方がいいんじゃないかと俺は思いますよ。
コヤマ:おぉ、すげえわかりやすい!
増子:平常心ってことね。
日高:そうそう、いつも通りの方がむしろ清々しく映るんじゃないかな。
コヤマ:僕らもそんなにいろんなことはできないんで、全力でSCOOBIE DOのライブをやらせて頂くだけですね。日高さんからお言葉を頂きまして、ますますその想いを強くしました。
増子:それにしても筋肉少女帯と人間椅子って、何年代だよ(笑)。
コヤマ:この振り幅ってなんなんですかね。幅が広すぎて一周しちゃってるくらい。しかも360度行ってるはずなんだけど全方位型じゃない、みたいな。なんだかわかんない魅力っていうのはありますよね。
増子:そうだね。その中にちょいちょい若手を入れてきてるじゃん。a flood of circleとか赤い公園もそうだし、オワリカラやキュウソネコカミとかも。
コヤマ:第一弾発表がヘッドライナーの発表で、俺たちとフラカンでしょ。で、第二弾が怒髪天、Theピーズ、TOMOVSKY、ドレスコーズですよね。
増子:このヘッドライナーが発表されたときの安定感。本当に偏ってるよね。だってヘッドライナーなのにヒット曲が一個もないもん。
コヤマ:ミリオンヒットとかはない(笑)。でも、メインの共通点というか、清水音泉の番台さんが“これだからこそ出してるんだ”っておっしゃっていたのは、“ライブメインでここまでのし上がってきたライブバンドである”っていうことですね。これは一回目のオトダマ(2005年)から一貫しているということで。
増子:何回も言ってるけど、バンド=ライブだから。ライブがいいバンドばっかりだよね。オトダマに来なかったらどこに行くんだ? ってくらい。
コヤマ:どこですかね(笑)、USJかな。それはそれで楽しいと思うんですけど。
増子:だけど、こっちの方が魔法的ものはあるかもしれないよ。魔法がかかっちゃってるヤツらばっかり出てくるから。
コヤマ:ステージに立つ人はある意味妖精です(笑)。
増子:夢見がちなヤツばっかりだからね(笑)。でも、これは絶対に来た方がいいな。相当いいフェスだよ。
コヤマ:ロックとユーモアがオトダマの両輪というか。でも考えてみれば、ロックンロールというのは元々ユーモアの一部だと思うし、“普通じゃつまんねえな”ってヤツが考えたことだと思うんですよ。
増子:ユーモアがないと堅苦しいし。
コヤマ:普通じゃつまんないからと言ってヤケクソになったりするんじゃなくて、それを音楽で鳴らしてみようとか、面白い話にしてみようとか、そんなことを濃厚に感じられる。音楽にご無沙汰だった人でも“あ、俺音楽好きだった”って思うようなイベントだと思う。
増子:会場もだだっ広くて、家族連れも来れる雰囲気だよね。来やすいと思うな。
コヤマ:日本一ユルいロックンロールフェスとも呼ばれているし。番台さんが“我々がなぜトリなのか”という理由を書いたブログがあるんですが、ちょっと読んでもらっていいですか。
増子:えーと、「1000本以上のライブをやっいてる日本を代表するライブバンドのスクービーとフラカン。自分たちと楽器車と最少のステージスタッフのみで活動しているこの2組にシンパシーを注いできた僕らは“これでコケたら本望なのだ”と覚悟を決めたのでした」って言ってるけどさ、失礼だよね。なんだ“本望”って(笑)。
コヤマ:コケる前提(笑)。
増子:まあその後に「意地でもコケませんけど」って書いてますけどね。
コヤマ:これは本当に熱いメッセージだなと思いました。“世間的に偏っていたとしても、俺たちにとってはど真ん中なんだ”と。
増子:いろんな大人の事情を無視して、好きなものだけを選んでいる。非常に潔い。
コヤマ:ど真ん中のなかのど真ん中フェス、オトダマにぜひとも来てほしいと思っております。
コヤマ:2日目のトリ、フラカンにも清水音泉番台さんの心意気に応えて頂かねば! ということで、この人に電話をしてみようと思います。鈴木圭介さーん。
鈴木:宜しくお願いします。
増子:今年は大トリだけど、今までオトダマでトリってやったことある?
鈴木:昔、服部緑地野外音楽堂でやったとき(2006年)にあったんですよ。
増子:あ、そうなんだ。隔年くらいでやっていそうなイメージだけどね。
鈴木:他のイベントとかでもそういうお話を頂いたことはあるんですけどね。でも最後って結構待ち時間が長かったりとか、イベントを締めなきゃいけないとか、特殊な条件が揃うじゃないですか。
増子:めんどくせえよな。
一同:アハハハ!
増子:でも、フラカンだったら絶対にバッチリ締まるだろうな。
コヤマ:フラカンがライブをやったら、それはロックンロールバンドのライブでしかないですから。そういったものがいちばん最後に来るっていうのをオトダマは良しとしているフェスなわけですから、フラカンが出ていってライブをやればそれでいいんですよ。“ドラムの人(ミスター小西)がジャンピング乾杯して骨を折る”なんてトピックスがなくても(笑)。
鈴木:どうせなら打ち上げじゃなくて、目立つ大きいステージで折って欲しかったんですけどね(笑)。
増子:一ヶ月くらいで治るなら毎年やってもいいんだけど、結構かかるからね。2、3日で治るなら毎週でもイケるんだけどなぁ。
鈴木:いやいやいや(笑)。
コヤマ:トカゲの尻尾じゃないんですから(笑)。でも俺たちもいつものライブを全力でやるしかないですし、フラカンだってそうだと思うんで。
増子:1日目、2日目といい締めになると思うよ。ワンツーパンチでさ。
コヤマ:清水音泉は僕たちみたいにライブをやるしかないバンドマンの味方でいてくれる人たちだから、そのフェスで恩返ししたい気持ちがある。かつ恩返しするには全力でライブをするしかないと思ってます。
増子:この2組は「やるな!」って言ってもやるからね。
コヤマ:折るなって言っても折りますからね(笑)。
鈴木:(笑)。スクービーにもそういうトピックスがあってもいいよね。
増子:MOBYの髪をジャンピングバリカンでザクッと刈るとか。
鈴木:初日にそれをやられたら、うちも頑張らないとダメですね(笑)。
増子:そうだな〜。全身骨折かな。
一同:アハハハ!
コヤマ:危ないですよ(笑)。
鈴木:もうメンバーチェンジじゃないですか(笑)。
増子:トリの影響でアツく、非常に偏ったライブになるんじゃないかな。いいイベントになると思うよ。今年も楽しみだ。
コヤマ:今年はフラカンと共にトリを務めさせて頂くということで、どんだけ偏っていても、俺にとってはど真ん中を鳴らすつもりです。どうか君も、ど真ん中を大爆発させに来てください。