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STEREO DIVE FOUNDATION

激しさ、ポップさ、美麗さ…あらゆる音楽表現を具現化していく R・O・Nによる新たなサウンドメイキング・プロジェクトが始動!!

RON_Kyokai-Pix数多くのアーティストへの楽曲提供やアニメ・ゲーム作品のBGMを手がけるなど多方面で活躍しているR・O・N(ロン)による新たなサウンドメイキング・プロジェクト、STEREO DIVE FOUNDATIONが始動した。その第1弾リリースとなる今作『Daisy』には、現在放送中のTVアニメ『境界の彼方』エンディング主題歌を含む全3曲を収録。クールな情景描写から次第にエモーショナルな温度を上げていく表題曲は、アニメの美しい映像とも相まって作品の世界観をより際立たせている。音源ソースである“STEREO”に身を委ねようという意味を込めて命名されたという本プロジェクトはどのようにして生まれ、どこへ向かおうとしているのか? R・O・N自らの言葉で語る、初インタビュー。

 

 

 

 

 

●STEREO DIVE FOUNDATIONとして活動を始めたキッカケは何だったんでしょうか?

R・O・N:一番最初のキッカケは、今回の『境界の彼方』という作品で「うたを歌わないか」というお話を頂いたことで。そこからスタッフとどういう感じでやるかを相談して、この形で始めました。

●R・O・Nさんの“うた”が最初の前提にあった。

R・O・N:そうですね。元々、色んな方に曲を提供する際に仮歌を自分で歌ったりしていて。あと、7年前に1枚『promise』というCDをR・O・N名義で出したりもしているんですよ。そういうところで聴いて、(先方が)自分のうたをすごく気に入って頂いたそうなんです。

●基本的にはR・O・Nさんの“うた”ありきのプロジェクトということ?

R・O・N:そこも色々と考えたんですけど、たとえば女性ボーカルが合いそうな曲であればゲストボーカリストに入ってもらっても良いだろうし、曲によってはゲストミュージシャンに入ってもらっても良いだろうなと思っていて。だから、歌を前面に出すというよりは、プロジェクトとして面白い音楽を作っていけたら良いかなという感じですね。

●その意味では、自由度の高さはあるんでしょうか?

R・O・N:幅を持たせられるとは思いますけど、ある程度の設定はあって。たとえば今回の『境界の彼方』だったら、この世界観のアニメのエンディング主題歌ということでオーガニックな音作りをしていたりする。でも次にお話を頂いている『ノブナガ・ザ・フール』という作品では、全然違う音だったりもするんですよ。だから、ある程度は自由にジャンルにも囚われず色々なタイプの曲を作れるとはいえ、あくまでも作品のテーマに合った範疇の中でという感じかな。好き勝手に作るというのとは、ちょっと違いますね。

●自分のエゴを出すのではなく、あくまでも作品に沿った楽曲を作ることが大事だと。

R・O・N:たとえば「好きな曲を作って」と言われて本当に好きな曲を作るだけだったら、ただのマスターベーションだと思うんですよ。それはアニメを通じて聴いてくれる人たちにとって、面白くないんじゃないかなと。やっぱり作品にマッチした世界観があるほうが、聴いていて心地良いだろうから。

●“STEREO DIVE FOUNDATION”という名前の由来は、音源ソースである“STEREO”に身を委ねようという意味を込めているそうですね。

R・O・N:もう10年以上前なんですけど、音楽の仕事を始める前に自分で作った曲を趣味でWeb上にアップしていた時に付けていたホームページのタイトルが“STEREO DIVE”だったんです。あと、年に1回くらい更新する僕のブログでもURLにこのワードを使っていたりして。そういった自分の音にまつわることについて使っていた言葉だったので、思い入れはあったんですよ。そこに“FOUNDATION”を付けることで、色んな方に参加してもらったりもできるなと思って付けました。

●実際の楽曲に関してはDTM的な感じで、1人で全部作っているんでしょうか?

R・O・N:今回の作品に関してはそうですね。基本的には全部、自分の家で作っています。

●タイトル曲のM-1「Daisy」は、作品の世界観から導き出したんですか?

R・O・N:そうですね。アニメの監督さんから「こういう曲が良い」というアイデアを色々と頂いてから、まずデモを作って。それに対してまた「ここはこういう感じが良い」とか「歌詞はこういう感じにしてほしい」といった意見をもらって調整しながら完成させました。そういうやり取りの中で、歌詞の中にある“スタートライン”という言葉が出てきたりもしましたね。

●アニメの世界観に沿うことを第一に優先している。

R・O・N:相手の「こういうふうにしたい」というイメージをいかに汲み取って形にするかというところに、僕は面白さを感じているので。このプロジェクトでは求められたことに対して、自分なりの解釈の中で100%以上の答えを作れたら良いなと思って曲を作っているんです。

●自身の経験や考えを投影していたりはしない?

R・O・N:今後はそういうこともあるかもしれないけど、主観的なものになってしまうのはちょっと違うと思うので。今作に関しては創作ですね。1つのストーリーを思い描いた中で出てきた歌詞になっています。

●「Daisy」というタイトルはどこから?

R・O・N:歌詞や曲を作る時は、だいたい家の屋上で煙草を吸いながら頭の中で考えているんですよ。この歌詞を考えている時もそうだったんですけど、その時に「花をモチーフで使おう」と浮かんで。そこから何の花にしようかと色々と考えた結果、今回はデイジー(Daisy)にしようと思ったんです。

●和名だと、ヒナギクのことなんですよね。

R・O・N:調べてみたら花言葉に“希望”もあったので、良いんじゃないかなと。今回のアニメもそうなんですけど、メインとなる主人公が2人いて、その2人のストーリーの中にエッセンスとしてのアイテムが何か1つあるというのが好きなんですよ。そこで今回は花をエッセンスとして2人の話に添えるにあたって、デイジーにしてみたという感じです。

●そういうことだったんですね。ちなみに、カップリング2曲もアニメの世界観に沿ったものなんですか?

R・O・N:1曲目は作品をイメージして寄り添ったものになっているんですけど、他の2曲に関しては1枚のCDとしての世界観というところで考えました。、3曲を通して聴いた時に「良かったな」と思えるようなものにしたかったというか。

●M-2「Push me into circles」(初回盤のみ収録)に入っている女性の声は、ゲストボーカルではない?

R・O・N:これはライブラリの中から選んだ素材ですね。それを“これでもか”っていうくらいに加工して使っています。

●後半2曲は特に打ち込み色が強いように思います。

R・O・N:打ち込みを使った音楽も好きなので、こういう音使いの曲はわりと作っているんですよ。でもあまりに打ち込み感が強過ぎると1枚の作品としては統一感が出ないので、今回はきれいなピアノの音を3曲全部で使ったりしていて。M-3「Two divided Rainbow」でもアコギを使うことで、1曲目に寄り添うような雰囲気を出したりしています。

●「Push me into circles」というタイトルに込めた意味とは?

R・O・N:これは後付けになるんですけど、MVとかの映像関係でお世話になっているディレクターさんから時々、「このプロジェクトはこういう感じが良いんじゃないか?」みたいなアドバイスを頂くんですよ。その中で「“コミュ障”という一言で他人と関わるのを簡単に避けるのが良しとされている現代の風潮があるけど、そういう人たちに“他人と関わるのは良いものなんだよ”と教えてあげられる音が作れたら良いよね」といった内容があって。それは自分としても良いことだなと思ったところから、“輪の中に押し込んでやる”みたいな意味でこのタイトルを思い付いた気がします。

●そういうイメージから曲も作った?

R・O・N:そのイメージから曲を作ったというわけではないですね。最初に「Daisy」ができて、その次にM-3「Two divided Rainbow」を作ってから最後にこの曲を作ったんですよ。だから、その2曲の間に入るものとしてどんな曲が良いかということを考えて作りました。

●1曲目と3曲目をつなぐような役割もある。

R・O・N:そうですね。1曲目の優しい感じと3曲目のちょっとアッパーな感じをつなぐには、これがちょうど良いかなと。全体の構成としても柔らかく始まって、徐々に上がっていく流れになっているから。

●「Two divided Rainbow」はどんなイメージで?

R・O・N:これに関しては「Daisy」よりもアッパーなものということでしたね。でもアコースティックなイメージも付けたいから、アコギを使ったりもして。1曲目のイメージとそこまでかけ離れないような位置に来れるようにというのがまずあったんですよ。あと、キラキラした雰囲気を持たせたいと思ったので、ドリーミーな感じをイメージしながら書いていきました。

●あまり聞き慣れない言葉ですが、このタイトルはどこから?

R・O・N:僕が曲を作る時は何パターンか方法があるんですけど、その1つに“歌いながら歌詞も作っていく”というのがあって。これはそうやって作っている時に出てきた言葉ですね。歌詞自体も何となく歌いながら出てきたワードを使って、形にしていったんですよ。「Two divided Rainbow」という言葉が出てきた時に「2つに分かれた虹か…。じゃあ、こういう感じの内容にしようかな」というので広げていきました。

●全体として、どんな作品になったと思いますか?

R・O・N:統一感が付けられたとは思うんですけど、その中でもちゃんと幅は見せられたんじゃないかな。

●引き出しの多さを見せられたというか。

R・O・N:ずっと同じことばかりをしているのはイヤなんですよ。やっぱり自分の持っている引き出しの中で、色んな服を着たいから。

●日頃から、そういう引き出しを増やす努力をしていたりもする?

R・O・N:たとえば何かCDを買ってきて聴いた時に自分の引き出しの中にはないものがあった場合、どうやってコーディネートしたら良いかわからないわけで。服だったらそういう場合は雑誌とかを見てモデルさんの着こなしとかを参考にして、自分なりの着こなしを考えると思うんです。それと同じように、新しい音に触れた時は“こういう音はどうやって作るんだろうか?”と思ってYouTube上にある海外のHow to動画を見て、自分で試したりはしていますね。

●そういったことが作品にも活きるわけですよね。

R・O・N:さっき話した2曲目の女性ボーカルを加工した感じもよく使われる手法ではあるんですけど、実際に締め切りがある中でぶっつけ本番でやってもたぶん無理なんですよ。ああいう音を作るにはどうするのかというのを事前に勉強して、自分なりの着こなしを準備していないとできないことだから。そういうところはすごく大事にしていますね。

Interview:IMAI

 
 
 
 

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