自分たちが実際に観て“かっこいい”を思ったバンドを集め、ここでしか観ることができない組み合わせにこだわって企画されたRhycol.主催の音楽イベント“YANYA FESTA”。昨年6月、大阪ESAKA MUSEで開催された同イベントは、長時間にも関わらず最初から最後まで熱気に溢れ、音楽ファンにとって至福の1日となった。そんな“YANYA FESTA”、今年は規模を拡大し、12月に大阪BIGCATでの開催することが決定。昨年も大特集したJUNGLE☆LIFEでは、大阪在住のRhycol.ギタリスト・小林直人に、FaceTime(※)で突撃インタビューを行った。
※FaceTime
アップルが開発したビデオ通話(ビデオ電話)ソフトウェアアプリケーション。iPhoneで気軽にテレビ電話ができる。iPhoneのiOS7に対応している。
●Rhycol.のHPで「Rhycol.を日頃から応援してくださっている皆様へ」というタイトルでメッセージを掲載しましたよね。一瞬ドキッとしたんですけど、単に名前を本名に変えるという発表で。
小林:はい。
●別にどうでもいいんですけど、なぜこのタイミングで本名に戻したんですか?
小林:姓名判断的に、ちょっとあまりよくないらしくて。
●はあ。
小林:本当の理由は「読みにくい」という声が多かったからです。
●そうですか。
小林:でも反響は予想以上に大きくて、10分間に100リツイートされたんです。自分でも「え? そういうつもりじゃなかったのにな」って。今のところ“YANYA FESTA 2013”よりも反響が大きいです。
●その“YANYA FESTA 2013”ですが、今年は大阪BIGCATでの開催ということで、前回の大阪ESAKA MUSEからかなりの規模拡大ですね。
小林:挑戦していこうと。去年は6月に開催しましたけど、去年の“YANYA FESTA”が終わって3日後にBIGCATを押さえたんです。
●早っ!
小林:去年の成功を経て、今年はステップアップしようということで。
●現在発表になっているバンド1つ1つについて、FRICASSEEからお勧めポイントを教えていただきたいんですが。
小林:もうFRICASSEEではないです。
●ブッキングは悩みました?
小林:悩みましたけど、自分たちが対バンして“いいな”と思ったバンドしか誘っていないんです。それは去年もそうだったんですけど、今年も基本的には同じ基準というか。それに加えて“こういうバンドがいてもおもしろいんじゃないかな”って。
●まずはircleですが、なぜ彼らを誘ったんですか?
小林:ウチらは4人ともircleのVo./G.河内くんの声が好きなんです。あいつの声はすごいっすよ。ほんまに心に響きますよね。ライブの言葉の強さっていうんですかね、凄まじいものがあります。ircleはもう、大っ好きです。だからircleは僕らの中ですぐに名前が出て、すぐ誘ったんです。
●なるほど。ではircleと同じく第一弾で発表されたLiaroid Cinemaは?
小林:きましたね。Liaroid Cinemaもライブのかっこよさというか、“なにをするんやろう?”っていう感じの、ワクワクするライブ。毎回観ても飽きがないっていうか、そういうかっこよさがありますね。Liaroid Cinemaは、実は去年誘っていたんですよ。でもスケジュールの都合がつかず。だから今回絶対に誘おうと思っていたんです。
●第二弾発表のEGG BRAINは意外だったんですよね。
小林:EGG BRAINのDr.UCHIDAさんは学校の先輩で、去年四国のツアーに誘っていただいたんですよ。そういう繋がりでライブもよく観させてもらっていて、“いいバンドやな”と思っていて。普段はジャンル的にも僕らとは違いがあるから、あまり同じステージに立つことがないんですよね。だからこそ“こういう組み合わせもおもしろいんじゃない?”という意味も込めて、誘わせてもらいました。
●あと、去年も出演したwinnieですが。
小林:winnieパイセンはマストでしょう。winnieとの出会いは、僕らが所属しているEVOL RECORDSのレーベルイベントに出たときなんですよ。それでかっこいいなと思って。最高ですもんね。普通にしゃべったりはするんですけど、打ち上げとかで飲んだことはないんです。だからこの機会にもっと仲良くなりたいです。
●そして第三弾ではKidori Kidoriが発表になりましたが。
小林:Kidori Kidoriは関西なんですけど、実はあまり対バンしたことがないんですよ。1〜2回かな。タイミングが合わなかったのか、接点があまりないバンドなんです。でも、Kidori Kidoriの曲がすごく好きなんです。おもしろい曲を作るなって。Kidori Kidoriも、他の出演者が持っていない色があると思うんですよね。だからここに入ったら絶対におもしろいやろうなって。
●同じく第三弾発表のScenarioat。
小林:Scenarioatは後輩なんですよ。5年くらい前…今の編成になる前からの知り合いですね。知り合ったきっかけは対バンなんですけど、滋賀でよく一緒になっていたんですよ。すごい空気感を出すバンドなんですよね。めっちゃかっこいいなと。だから今回は是非出てもらおうと。
●あと、秀吉もすごく意外だったんです。
小林:秀吉はRhycol.のメンバーが全員大好きで、ゴリ推しですね。めっちゃ好きなんです。この前、とあるサーキットイベントに秀吉がソロで出演していたんですよ。で、僕らは4人別行動していたんですけど、誰も何も言わずに、気づいたら全員秀吉のところにいましたからね(笑)。それくらい好きです。僕ら、自分たちが作るときは音楽理論にうるさいですけど、歌が好きなんですよね。
●あと、まだ未発表のバンドが2組控えているらしいですが、どんなバンドなんですか?
小林:1組は…実は去年も誘っていたんですけど、向こうの都合が合わなかったんです。でも是非出てほしいから今回も誘わせてもらって、出演が決まりました。
●満を持しての出演だと。
小林:そうですね。そのバンドの楽曲がすごく好きなんです。おもしろくて、かっこよくて。楽しみですね。
●もう1組、未発表のバンドが控えていますが…。
小林:もう1組は、曲はもちろんですけど、1つ1つの発信がおもしろいんですよね。PVとかもすごく工夫していて。おもしろいことを考えるなっていつも思うんです。グッズもそうだし。そういう意味で、音楽だけじゃなくてバンドとして尊敬できるやつらですね。
●今年も楽しみですね。
小林:いや〜、今年も楽しみですね。去年はオープンからバタバタだったんですよ。本当に“バタバタ”っていう擬態語がぴったり合う状態でした。去年、僕は焼きそばをずっと作ってたんですよ。
●あ、そうでしたね。
小林:もう焼きに焼いたんです。でも今年は、調理にあまり手間をかけずにおこうと思っていて。というのは、去年は本当にキツかったんですよ。
●ハハハ(笑)。
小林:去年は終わってすぐに反省会をやったんですけど、そこで「焼きそばで体力を使い過ぎた」という問題点が出ましたからね。レッドブル3本飲みましたから。今年なにをやるかまだ検討中で、フードはやろうと思っているんですけど、体力を奪われないものにしようと思います。
●そうですか。
小林:あと、去年もやったんですけど、転換中のBGMを公募しているんです。僕らが知らない人たちも含めて、いろんなバンドの音源を転換中に流したいんです。そこで新たなバンドとも出会いたい。
●出演しなくてもいいんですか?
小林:全然いいです。自薦でどんどん送ってほしいですね。“俺のCDかけてくれ!”という熱い気持ちを待ってます。基本的には送っていただいたものはなるべく全部流すつもりなんです。折り込みでBGMリストを作って、転換中や会場中にフロアでずっと流し続けます。
●素晴らしい! 新たなきっかけを生みつつ、シーンを盛り上げたいと。
小林:そうですね。“YANYA FESTA”を始めたきっかけがそういう理由なので。例え出演していなくても、BGMという形で参加してほしいですね。それに大阪を盛り上げたいという気持ちもあるし。
●地元愛ですね。
小林:僕ら大阪LOVEですからね。昨日もたこ焼き食べたし。今年はBIGCATでやりますけど、この先はどんどん大きくしていきたんです。僕らは同じ大阪で開催されている“MASTER COLISEUM”を観て、“自分たちもこういうイベントをやりたい”と思ったのがこのフェスを開催するきっかけなんです。
●いい話だな。PANとSABOTENに聞かせたい。
小林:だからとりあえずの目標は、“MASTER COLISEUM”をやっている大阪城野外音楽堂なんです。もっとアーティストを呼びたいし、ステージも増やしたい。今後もがんばっていきます。
●では、他のメンバーにも今年の“YANYA FESTA 2013”に対する意気込みも聞いておきましょうか。まずは松藤くん。
松藤:お客さんに楽しんでもらうっていうのがいちばんだと思っているので、体調に気をつけてもらいながら、みんなで楽しめるフェスにしたいですね。
●では金城くん。
金城:商業的な音楽イベントがすごく多いですけど、音楽イベントは本来シーンの底上げをするような側面を持つべきだと思うんです。そういう意味で、“YANYA FESTA”はバンドにしかできないブッキングで、バンドにしかできないイベントを作っているつもりで。興行的な面で考えたら、もっと出演者のジャンルを固めが方がいいと思うんですよ。でもやっぱりそこじゃない。僕たちが実際に観て、本当にかっこいいと思ったバンドを、普段観れないような組み合わせで楽しめるフェスになったと自負しているので、是非楽しんで欲しいですね。作り手が嘘をついたら楽しめないと思いますから。
●では最後に上田くん。
上田:“YANYA FESTA 2014”に繋がるように、今年は大成功させて、ヤンヤヤンヤとみんなで打ち上げしたいですね。
●個人的に注目している出演者はいるんですか?
上田:上田商店です。
●は? 上田商店?
上田:僕は今、実家で干し芋を作っているんです。上田商店っていうんですけど。だから今年は上田商店を“YANYA FESTA 2013”とコラボさせて、干し芋を売りたいなと。
●上田商店が“YANYA FESTA 2013”に協賛するんですね。
上田:いや、上田商店はまだ弱小なので、“YANYA FESTA 2013”が上田商店に協賛するくらいの感じですね。これからRhycol.や“YANYA FESTA”と一緒に上田商店もステップアップしていければいいかなと。
●今年は干し芋が食べれられると。
上田:そうです。今年の上田商店を楽しみにしていてください。
interview:Takeshi.Yamanaka
出演:Rhycol. / ircle / Liaroid Cinema / EGG BRAIN / winnie / Kidori Kidori / Scenarioat / 秀吉 / and more!!