1996年、和田唱(Vo./G.)、林幸治(Ba.)、吉田佳史(Dr.)で結成。「踊れるロック」を奏で続ける日本を代表する3ピースライブバンド。アーティストとの親交も幅広く、オリジナルメンバーのまま結成15周年を迎える今でも精力的にツアーやフェスで高い演奏力の評価は絶大。
オレ達初のオーディエンスを目の前にしたライブレコーディングはとても緊張した。ライブの“あの”緊張とは違う、また別の緊張感だった。それは終わったあと、ツイッターなどの反応でお客さんも同じだったことが分かった。お互い緊張してたわけだ(笑)。なんか来てもらって緊張させて悪かったねぇ…! と思いつつも、素の自分達の姿を見せられた事が嬉しかったのも事実だ。というのも音響をベストにしたいが故に演奏を途中でやめて、スタッフにちょっぴりキツいもの言いで指示を出したりもした。若干ピリピリした瞬間も見せてしまったわけなんだけど、アーティストもオーディエンスやリスナーに対して“素”を見せていい時代が来たんじゃないかと思う(もちろん何でもアリとは違うよ)。ツイッターもそうだけど、今はアーティストとリスナーがダイレクトに繋がれる時代。もう“神秘のベールに包まれたスター”がイカしてた時代は過ぎたように思える。素を、もっと言うと“生”を見せて、更に相手と深く繋がる。それが大事だ。それを音そのもので表現したのが、ニューアルバム『LOVE IS LIVE』だと思う。曲によっては2回録ったりもしたけど、それでも全部1発録り。オーバーダビングは一切なし。3人だけの音。ボリューム上げて聴かないと、ヘタしたらショボいかもしれない。歌が多少ヘタなところもある。リズムがちょっとズレてしまったところもある。もうちょっと声が出てればなぁ…と思う箇所もある。でもこれがあの日の、あの瞬間のリアルなTRICERATOPSだ。15年間音楽一筋でやってきた自分達の“ありのまま”だ。それをそのまま聴いてもらう。音楽もコンピューター上で“噓”がつける今の時代、オレ達がやるべき事はこれだった。こう書くと、ダメな自分達をさらけ出して酔ってるM野郎だと思われそうだが(笑)、むしろ逆。あの日のオレ達は気合いが入ってて、すごくいい状態だったことだけは確かだ。過去の曲達も完全に“今の曲”になった。それはプレイに表れてると思う。でも完璧じゃない。その完璧じゃないのがいい。そう思ってる。文字通りこのアルバムで演奏したのは全てラヴソング! その“LOVE”こそが完璧ではないもの。その完璧にはいかない愛(LOVE)を生(LIVE)で歌ったことこそ、このアルバムの最大の魅力だと思ってる。だからオレの中でこのアルバムは完璧だ。
Vo./G.和田唱