“村八分”や“ボ・ガンボス”から脈々と続く“狂都”音楽界の流れを、女性にしかない感性で鳴らせてみせた空気感。妖艶でどろっとした唄ごころを軽快に!複雑な女心をロケンローに! 男が聴いたらキュンとして、女が聴いたらハッとする。京都の秘宝、唯一無二のバンドである。
前作『遅い昼食』から5年の月日が流れ、ようやく5枚目が完成しました。女バンドの5年という月日が如何に沢山のパッションに溢れかえっているかは、音楽好きの読者の皆さまなら容易に想像できることと思います。前メンバーの脱退、そして新規メンバーの加入があり、また、世の中では東北大震災や原発のことなどなど、不安定な時期を乗り越え、それでもまだ“音楽を続けていく”という決意。
『Epcot』のコンセプトはその名の通り“実験未来都市”。次のドクロズへのブリッジ的な作品となるでしょう。今までの表現に加え、敢えて避けてきた“人間の安直で露骨な部分の表現”という実験を盛り込みました。愛憎、憂い、喜怒哀楽。欲望。希望。感謝。私たちの等身大で素直な表情を、この作品で聴き取ってもらえたら嬉しいです。そしてその次にどんな顔を見せるのかも楽しみにしていてください。
音に関しては、前アルバムから参加している新田浩平氏をプロデューサー兼MIXエンジニアとして迎えた事により、緻密で、ストイックな音作りとなっています。彼はロックバンドのバンド演奏に使用するほとんどの楽器を扱える、優れた楽器演奏者でもあります。そのたぐいまれな才能を大いに発揮し、『Epcot』の指揮をとってくれました。メンバーへの的確なアドバイスに加え、コンセプトに添った素晴らしい音作り。彼無しにこのアルバムは語れません。
いとうせいこう氏より“ずるくない音楽”という素晴らしいコメントをいただいておりますが、聞いていただければその意味がわかるアルバムです。沢山の人に聞いてもらって、何かしら感じていただけたら嬉しいです。
Vo./G.山本あさこ