音楽メディア・フリーマガジン

KIDS

地元奈良を誇りに、ライブハウスを愛する ライブバンド、KIDSの快進撃を目撃。 メディアでは伝えきれない彼らの感性を、 “生”で感じてほしい!!

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KIDSデビュー1周年ワンマンライブ“奇跡の軌跡”

2013/3/7@大阪・心斎橋BIGCAT

言葉を紡ぎ、心をつなぐ。KIDSに出会えて、本当に良かった。

KIDSデビュー1周年を記念して行われた“奇跡の軌跡”@大阪・心斎橋BIGCAT。ちょうど1年前にも開催されたワンマンライブはOSAKA MUSEだったが、そこにはデビュー間もない彼らを応援する、地元の仲間たちが大勢集まったとの印象だった。しかし、今回は明らかに、この1年でファンになったであろう700名ものオーディエンスで会場は溢れていた。

1年という短い時間でキャパを倍にしたその魅力とは何なんだろう? ライブ中に会場を移動しながら、あちこちから観察してみた。

そうだKIDSは、オーディエンスの心の鏡なんだ。そこには男女の隔たりも、年齢の差もなく、あるのは解け合おうとするバイブレーションがあるだけなんだ!! 思い起こせば、4年前に奈良で開催したJUNGLE☆LIFE主催の“STREET STYLE MUSIC奈良”に彼らは学生バンドで参加していた。あれから3年、デビューを果たした彼らの音源を聴いてすぐさまその才能に驚きそして惚れた。バンドの持つ可能性において、楽曲の説得力はもちろんだが、人柄も大きく将来に作用すると思っている。したがって、音源から漂ってくる“その色んなモノ”は素直に僕の心を刺激したし、Vo./G.奥野涼の発するメッセージとその声には、納得せざるを得ない感情を抱いたからだ。

ライブのオープニングは2ndミニアルバム『奇跡の軌跡』の1曲目に収録されている「film」から始まり、そして、「光へ」「流星群」へと一気になだれ込む。新曲である「マーメイド」も初披露されファンには嬉しいサプライズとなった。中盤を迎えると奥野はアコースティック・ギターに持ち替え、一人で2曲を披露。バンドサウンドとは趣きの違うアプローチが会場を和ませていく。KIDSの魅力はなんと言ってもその深い歌詞にあるのではないだろうか? ライブでも、大きな音に飲み込まれない力強いフレーズが心に迫ってくる。

奥野は言う。「デビューして色んな事がありました。でもみんなのおかげで、ここまでしっかりやれて来れたと思う。今、音楽でぶつかる事の幸せを感じています。このままずっとライブバンドでいたいんです」と。そして、ラストはKIDSとファンの中で大切な曲となっている「祈り」。この曲は奥野の親友の死をきっかけに作られたと記憶しているが、その親友の身体は、この世から消えたとしても心の中にある君とはいつも繋がっている。星になった君からは『強く生きていけ』とメッセージが届く。この曲に入ると、奥野の叫びが胸をうって、いつも涙腺がゆるんでしまう。僕だけではなく、奥野はもとより、G.植田、Ba.藤村、Dr.片貝とメンバー全員まぶたを腫らして演奏している。「祈り」この曲はまさにKIDSそのもの。そして、会場はひとつになり、空を突き抜けていく。1曲の力をみせつけられた思いだ。アンコールでは、「愛してるよ」の大合唱とコール&レスポンスの嵐。

MCのベタさは愛嬌として、まだ23歳のピュアでまっすぐなバンドマンの奏でる音楽とそのメッセージは、将来、日本の宝となる可能性を秘めている。力強く、そして、いつまでも、どこまでも綺麗なKIDSであれ。
TEXT:PJ

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