2013 / 3 / 20(水・祝)
@堺市泉ヶ丘ビッグアイ国際障害者交流センター
大阪堺市
古代には世界三大陸墓の一つである仁徳天皇陵古墳をはじめ、百舌鳥古墳群が築造され、中世には海外交易の拠点として、世界でも珍しい環濠都市を形成し、自由自治都市として繁栄しました。人口84万人、関西圏2千万人の巨大消費地のほぼ中心に位置しています。
堺の文化
16世紀後半、ポルトガルから伝わったタバコが国内で栽培され、タバコの葉を刻む包丁が大量に必要になったために、堺で初めて「タバコ包丁」がつくられました。その切れ味の鋭さから、江戸時代には、幕府から「堺極(さかいきわみ)」の印を受け、専売品としてその名を全国にとどろかせました。また、金属加工についても高度な技術を受け継ぎ、自転車の生産においては、現在国産自転車の4割のシェアを誇っています。その他にも、和ざらしとゆかた、線香、昆布、敷物の生産では有名な地域です。
堺人の気質
堺っ子は、とにかく堺が大好き。堺から南に続く泉州地方全体にも言えることですが、この地域は、郷土愛が非常に強い。また、「ものの始まりなんでも堺」という言葉に象徴されるように堺は色々なものの発祥地ということもあって、堺っ子はそれをとても誇りに思っています。かつては東京や大阪よりも大きな都市で、堺の商人が全国で活躍したことで、現在の日本経済の基礎が築かれたというのは周知の事実です。
All Culture Meets Sakaiをコンセプトに開催されたSAKAI MEETING。地元大阪出身のバンド、アーティストを中心に総勢約40組ものミュージシャン、ダンサー、パフォーマーが会場となった、大阪堺市泉が丘ビッグ・アイに集結した。オープン前の10時過ぎ、今にも泣き出しそうな天気をよそに、個性豊かなファッションのオーディエンスが続々と駅から会場へと流れていく。会場の外にレイアウトされたスケートボードのパフォーマンスエリアとFOODコートはすでに業列がつくられている。和牛を使った本格的な焼肉丼、手創りソーセージや地ビールなどが人気で、縁日のような雰囲気も感じられる空間がそこにはあった。
オープンぎりぎりまで聞こえてくるリハーサル。それでも、10時30分。時間通りにオープンとなり、あっと言う間に、物販エリアは人だかりとなる。今回のイベント会場となったビッグ・アイは1500名収容のホールと大・中・小様々な研修室があるのだが、堺STAGE、仁徳STAGE、利休STAGE、鉄砲STAGE、会場外に設けられた、ザビエルSTREETと計5か所で開催された。残念ながら昼から降り出した雨の影響で、ザビエルSTREETは中止となったが、室内会場はどこも盛況で、館内設備、サニタリーも充実している快適なライブ空間が心地よい雰囲気を作り出していた。利休STAGEの失禁少女を皮切りに、イナズマ戦隊、THE CHERRY COKE$、UZUMAKI、と怒涛のごとく強者がのっけから登場。中盤の少年ナイフがハードなサウンドながら、癒しのキャラクターで会場を和ませていく。利休STAGEではSECRET 7 LINEが汗を光らせ、海外よりのゲストバンドLEFT ALONE(USA)も人なつっこいキャラクターでイベントに溶け込んでいる。
再び仁徳STAGEに戻れば、本日新譜が発売となるSUNSET BUSがスタートを切る。この1年で飛躍的に動員を伸ばしている人気バンドだけあって、フロアはほぼ満員状態となった。STOMPIN’BIRD、ウルフルケイスケ、locofrankと変幻自在な職人芸が会場の熱量を増していくと、くせ者THE NEATBEATSのマージービートが完全にダンスフロアを出現させてしまった。また、利休、鉄砲STAGEでは、SPREAD、RAZORSEDGE、THE SKIPPERS、8otto、とどれも見逃せない個性派がつづく。鉄砲STAGEのトリをまかされたPANにいたっては、会場キャパ数倍の人が押し寄せ、当然のごとく入場規制となった。さて、いよいよ終盤を迎えるころ一方の主催者であるTHE→CHINA WIFE MOTORSがステージへ。寡黙なロッカーであり、ブレることのないバンドとしての風格がある。そして終始、感謝の言葉と音圧で心を揺さぶった。
つづくGARLIC BOYSは、その年輪にふさわしいパフォーマンスと音楽で、つながる事の大切さを教えてくれた。エンディングのフレーズとシンクロしてスタートしたGOOD4NOTHINGは、光輝くライトを浴び、これまで幾度となく体験した、彼らのステージの中でもベストで、感動的なライブを見せてくれた。思い起せば、10数年前、伝説のライブハウス、大阪ベイサイドジェニーで初めて行った彼等主催のイベントで、涙して感謝を語ったタニーを思いだしていた。客席からのこの風景をメンバーは見る事は出来ない。出来ることならこの美しい風景をメンバーに見せてあげたいと心から思った。「社会の底辺にいる僕たちバンドマンでもこんな素晴らしい風景をつくることができるんです。」とユータン。ロックが好きで、ロックにとりつかれ、続けることの困難を乗り越えてきたバンドだからこそ立てるステージがある。
SAKAI MEETINGは語る。ブレるな貫け! その先にある夢や希望は、人とつながることにより開花し、生きる意味さえも教えてくれると。最後に、今回の会場となった堺市泉が丘ビッグ・アイ国際障害者交流センターには感動を覚えた。1日中、爆音の響くフロア、行きかう大勢の人。問い合わせやお願い事など多くのリクエストをいやな顔ひとつせずこなす職員の方々。公共の施設を活用させてくれる堺市の懐の深さを見た感がする。“堺だから”、“堺でしか出来ないフェスティバル”の誕生に感謝して会場を後にした。
TEXT:JUNGLE☆LIFE PJ
PHOTO:H.and.A